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ダンジョンのある日常~とあるテイマーかく戦えり~  作者: 那田野狐
ダンジョンのある日常

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第21話 アンデッドがメインのダンジョン

閲覧・感想・ポイント評価・ブックマーク・誤字報告・いいねありがとうございます。

 アンデッドがメインのダンジョンの第一階層に出没するのはウイル・オ・ウィスプ。判りやすく言えば鬼火とか火の玉とか呼ばれるモンスターだ。

 ただその火は冷たく可燃物が近づいても可燃物が燃えることのない。

 ほんの少しの物理耐性と聖系の攻撃に弱いことから僧侶系のジョブの人に人気である。


「にゃあ!」


 チビがウイル・オ・ウィスプに回復魔法をかけると、シュンと一瞬で消える。


「わんぉ!」


 疾風が回復ポーションに浸した槍で叩き、水饅頭が体内の万能薬を吹き付けて落としていく。自分は回復ポーションを浸したショートソードで叩く。


『早い早い』


『まぁ回復ポーションは潤沢だし回復職は二体いるから第三階層までは余裕よね』


 だって初級ダンジョンだし・・・あっという間に第一階層ボスのボス部屋に到達する。


「ボスは、ラージウイル・オ・ウィスプです」


 ボス部屋の真ん中でゆらゆらと揺れる一際大きな鬼火。最もやることは変わらない。囲んでボコボコだ。

 直ぐにラージウイル・オ・ウィスプの魔石と蛍石という暗闇でぼんやり光る石を落とす。

 蛍石は燃料要らずの常夜灯というキャッチコピーでキャンプ道具として人気がある。


 第二階層からはウイル・オ・ウィスプに加えてスケルトンが出てくる。強さはゴブリン以上だけど、聖属性や回復が特攻なのでゴブリンを倒すよりも難易度も高くない。

 実は進化先が多いモンスターで、大きく分けるとソルジャー・ナイト・ジェネラル・キングと進化するソルジャー系。マジシャン・ウィザード・リッチ・エルダーリッチと進化するマジシャン系。ゾンビ・グール・ワイト・マミーに進化する特殊系だ。

 なおテイムではなくネクロマンシーというジョブで創られるモンスターだ。


「わんぉ!」


 疾風が槍を振り回して走り出す。そして通路に突っ立っていたスケルトンに突くのではなく叩きつける。


「にゃ!」


 チビが独鈷杵(どっこしょ)を構えてスケルトンに体当たりを敢行する。

 パッカーンという乾いた音が鳴り響いてバラバラになるスケルトン。

 そのままチビはスケルトンの頭蓋骨を踏み潰すとスケルトンは魔石を残して消えさる。


「特攻で大ダメージが入ったかどうか分かんないな」


『聖戦士でヒールが使えるレベルまで育っていたら、まぁそうなる』


『次の階層のゾンビまで待つべき』


 そうかな?そうかもね・・・


「じゃあ第三階層まで急ぎますか」


 サクサクとスケルトンを倒して第二階層のボス部屋の前に到達。

 疾風に独鈷杵(どっこしょ)を装備させてからゆっくりと扉を開く。


『お、もしかしてスケルトンナイト?』


 リスナーさんが指摘するように、部屋の中には骸骨騎馬にまたがってデカい剣にデカい盾を持ったスケルトンが鎮座していた。


『これスケルトンソルジャーの亜種である、スケルトンライダーじゃね?』


 スケルトンライダーは骸骨騎馬に騎乗するスケルトンソルジャーだ。


『いや、もういっこ上のスケルトンナイトライダーじゃね?』


 別のリスナーさんが指摘する。ちなみにどちらも骸骨騎馬を使役するスケルトンナイトソルジャーやスケルトンナイトという分類となる。まあ、強さはそれぞれーランク上がるけど・・・


「水饅頭、疾風、チビ。骸骨騎馬の右前足を集中攻撃!」


「わふ」


「にゃあ」


 三体が一斉に攻撃を仕掛ける。自分はスケルトンソルジャーに回復ポーションをぶつける。


 ボキ!


 鈍い音を立てて骸骨騎馬の右前足が砕け、横倒しに。スケルトンソルジャーが体勢を立て直して立ち上がる。


「わふ!」


 疾風がスケルトンソルジャーの懐に入り込み独鈷杵(どっこしょ)を右足の大腿骨に打ち込む。


 げしっ


 スケルトンソルジャーが疾風を蹴り飛ばす。


「にゃあ!」


 チビがすかさずスケルトンソルジャーの右足の大腿骨に独鈷杵(どっこしょ)を打ち込む。

 自分は引き続き回復ポーションを投げ入れる。


 バキ!


 乾いた音が鳴り響いてスケルトンソルジャーの大腿骨がへし折れる。

 ガクンと体制を崩すスケルトンソルジャー。


「袋叩きだ!スケルトンはどんなに上位でも頭蓋骨を砕かれたらお仕舞いだ!」


 スケルトンソルジャーの頭部に集まって、疾風とチビは独鈷杵(どっこしょ)で殴る。自分は蹴る。


 ボフン


 黒い粒子が飛散して、スケルトンソルジャーの魔石とロングソード、ラージシールド。そして鉄の宝箱がドロップした。

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― 新着の感想 ―
[一言]  ホント、イレギュラーとよく遭遇する。  持ってんねぇ。
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