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ダンジョンのある日常~とあるテイマーかく戦えり~  作者: 那田野狐
ダンジョンのある日常

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第18話 チュートリアルという名の接待

閲覧・感想・ポイント評価・ブックマーク・誤字報告・いいねありがとうございます。

 取りあえず職なしでも取得出来るスキルを全部習得させてから第一階層ボスのボス部屋にやってくる。


「基本スキルは職を得ずダンジョンを出るとリセットされます」


「そうなんだ。ヘぇ~」


 ぷにっとさんの説明に横川アナは感心したように応える。


「スキルは、職を変えると引き継ぐスキルと失うスキルがありますが、この職なしスキルはどの職に転職しても引き継がれるので、なる早で取って貰ったのです」


 いきなりボス部屋に向かわず第一階層を巡った理由を説明する。

 職を得ても職なしスキルは取得出来るけど、教える必要も無いのでそういう事にしておく。


「では、ボス部屋突入!」


 ボス部屋の扉を開けて部屋に侵入する。

 出現するのはラージスライム。


「大きくてもスライムはスライムです」


 そうアドバイスすると、横川アナはポーチから塩の塊を取り出す。


「せえぇい!」


 横川アナは塩の塊をラージスライムに投げつける。

 ジワジワと縮むラージスライム。


「ほい!」


 縮んだラージスライムの核を蹴り出して踏み潰す。ボフンと煙を上げて魔石と粘液をドロップする。残念。ドロップ品が少ない。


「さぁ。職業部屋に向かいましょう」


 てくてくと職業部屋に向かう。


「さて、皆さん。職業部屋です」


 横川アナがドローンに手をふりながら部屋に入っていく。


「ええっと、アナウンサーってまんまな職業になったんだが、なにこれ?」


「スキルは?」


「実況中継」


「効果は?」


「モンスターの動きが読める」


 横川アナは渋い顔をして出てくる。アナウンサーというジョブは聞いたことが無いし、実況というスキルも聞いたことがない。しかし効果については剣士系や拳闘士系の相手の攻撃を見切る系のスキルっぽい。

 まあ、アナウンサーが新しいジョブで実況中継が新スキルでも内容が新しいとは限らないのだ。


「新ジョブ新スキルかもしれません。掲示板に報告よろしくお願いします」


 ぷにっとさんがパチパチと手を叩きながらお願いしている。しばらく界隈を賑やかせそうだ。


「では、スキルオーブでテイマーをとって、第二階層でパペットをテイムしましょう」


「そだねー」


 横川アナは背負っていたナップサックから水晶を取り出し、使用する。


「あ、ちょっと待って下さい。うちのチビも転職させます」


 そう言ってチビを抱っこして水晶を触らせる。

 チビが転職出来るのは戦士、魔法使い、僧侶、魔法戦士、聖戦士、司祭・・・よし聖戦士が出ている。

 チビを聖戦士に転職させ、スペースから皮鎧とメイスを取り出し装備させる。聖戦士は剣よりはフレイルやメイスといった鈍器の方がダメージを出し易い。

 RPGらしく僧侶系の職業は刃物系の武器にデハブが掛かるのだ。


 その後、扉をくぐり抜け第二階層への階段を登る。

 このダンジョンは、一度地上三階まで登り、その後地下一階まで降りる全六層からなる珍しいダンジョンだ。


「さて、早速テイムしに行きましょう」


 疾風を先頭にチビ、自分、横川アナ、ぷにっとさんの順番で進みながら気配察知で気配を探る。ぁ、居た。


「見つけました。うちの子がギリギリまで体力を削るので、合図したらテイムしてください」


「OK!」


 横川アナの返事を受け目標まで忍び寄る。

 パペットはその名の通り動くぬいぐるみだ。

 布から始まり木、土、石、鉄のゴーレムに進化することが確認されている。

 今の所タンク職以外のゴーレムは発見されていないけど、育て易いテイムモンスターだ。自分もテイム枠が空けば次のテイム候補に入っている。

 目指すのは侍、盾、聖戦士、盗賊、回復、魔法の六人パーティーだ。


「わふっ!」


 疾風が右手で前方を指差すと、指先に火が灯りパチンコ玉の火の玉が飛び出す。初級魔法火の弾丸(ファイアブリット)だ。

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