第172話 遺跡ダンジョン
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日本は秋?なにそれ?といった気候だが、異世界ではきちんと秋がきていた。実りの秋というやつである。もっともマイダンジョンでは二度目の収穫の真っ最中だが。
マイダンジョンの土地レンタルは今のところ5人限定で行っている。
横川アナ。自衛隊の赤木さん。コロンボさん。フランスのジョエルさん。ブラジルのホセさんの5人だ。
ちなみにお手伝いはコボルト種×2。ゴブリン種×2。ケット・シ一種×1である。
なお、更なる土地レンタルを希望されているが、断っている。
というか中国の圧が凄いらしい。マイダンジョンと異世界を一般にも解放すべきだと。
冗談ではない。マイダンジョンも異世界への扉も決定権は自分のモノだ。他人にましてや世界にも譲渡するつもりはない。全人類の宝を一人占めするのは良くない?ダンジョンで手に入れたモノは自分のモノだ。国のモノではない。ましてや中国のモノでもない。何度言わせるんだ。
これは一度、首脳レベルの人間をキャンと言わせやらないといけないかもしれないのか?
『あるじー』
南方に遠征に出かけていたカラス天狗のカイヤから念話が入る。
「どうした?」
『面白いモンスターがいるダンジョンを見つけた』
「自分が出張るようなダンジョン?」
これの確認は重要。例え彼女らが偵察、早期警戒、隠密に特化した人材とはいえ、実力はレディオーガの紅桃より少し弱い程度。三人が連携すれば紅桃相手に三回にー回は勝つぐらいだ。
『相手が三匹いるとキツイかな?』
常に相手の戦力は過剰に見積もれ。と言ってあるので、三匹相手で互角といったところか・・・
「判った。応援にいくから場所を念じて・・・」
『判った!』
カイヤからの念話が切れ変わりにここに来いという念が届く。
なので異次元の扉を使い念の元に飛ぶ。
「カイヤ」
「はい!」
パタパタとカイヤたちが寄ってくる。
「ダンジョンはフィールドタイプで、周辺は約1キロ。真ん中にボスモンスターがいる」
「で、面白いモンスターというのは?」
「トレントの特別個体で、獲物が食べたい木の実を付けるそうです」
ほぅ・・・補食に特化したらしいといえば、らしいモンスターである。
「で、他にいるのはゴーレム。あとは雑食系の動物です」
「不思議な生態系だね」
「あぁ、ゴーレムはフィールドダンジョンの奥にある遺跡の守護者だそうです」
思い出したようにカイヤがいう。
「ギルドの記録によると、探索済みの遺跡です」
「ギルドで情報取ったの?」
「はい」
ギルドで情報収集するなんて、なんだか賢くなっているな。
「ゴーレムが湧くってことは、まだ遺跡にはお宝が眠ってる可能性もあるということか・・・」
守るモノがあるからゴーレムが湧く。
「ゴーレムが湧く仕組みが解明されてまして、モノではなく場所を守っているようなのです」
遺跡は宝物庫でもあったのか・・・
「それとですね。この遺跡となった経緯がですが。遷都して破棄されたんですよ」
はぁ?
「宝物とかもその時全部移動させたそうです」
ゴーレムが湧くシステムだけ残っているけど・・・
「ゴーレムが湧く装置は一緒に持っていかなかったと?」
「その位、大きいらしいです」
「稼働させてる意味は?」
「さぁ?」
カイヤは首を傾げる。まぁ、お偉いさんの考えなんて想像するだけ無駄だけどね。
「それで、ダンジョンを徘徊するモンスターも調査済みと・・・」
「はい!」
どうやらこのダンジョンは、ゴーレムと植物系のモンスターしか出現しないらしい。モンスター以外はちょっと大きい動物がメインだと。
「ちょっと大きい動物ってどの位?」
「そうですね・・・ネズミがフレミッシュジャイアント位ですかね?」
ふ、フレミッシュジャイアント?いや、ジャイアントって言葉がついている時点でイヤな予感しかしないのだが?
「世界でもっとも大きなウサギですね」
手で中型犬ぐらいの大きさを示す。それならフレミッシュジャイアントなんて出すより中型犬っていう方が分かり易いよね?




