2枚目 【文章】会話のつなぎについて
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「プリン、おいしい……」
「プリン、というのがこの菓子の名前ですか?」
呟いた天音に、エリアスが問いかける。
「はい。ぜひたべてください」
エリアスは真面目な顔で一口含み、やがて笑顔を見せた。
拙作「灯火が消えるまで」より
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一見するとなんてことない会話シーンです。が、作者(私)の涙無しには語れない努力があるのです(泣)
もともと私の頭の中にあった文章は、こんな感じでした。
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【原本ver】
「プリン、おいしい……」
ココットを優しく抱え、天音が呟く。
「プリン、というのがこの菓子の名前ですか?」
今にも泣き出しそうな表情をした天音に、エリアスが問いかける。
「はい。ぜひたべてください」
天音はそう言い、エリアスにプリンを差し出した。
エリアスは真面目な顔で一口含み、やがて笑顔を見せた。
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違いがおわかりですか?
私の頭の中の文章は、
A「」
地の文
B「」
地の文
A「」
地の文
と、地の文の割合が大きいです。
それに対し、実際に掲載した文章では、
A「」
B「」
地の文
A「」
地の文
と、地の文が少ないですね。
これは何故かというと、説明が多くなるのが嫌だからです、私が!
えぇ、えぇ、すべては作者の好みです。
ですが、何度も地の文が挟まれると会話のテンポが楽しめないと、そう思いませんか?
私がこのとき工夫したのは、
A1「」
地の文
B「」
地の文
A2「」
のA1のセリフに付随する地の文をBに付随する地の文にくっつけることです。
いちいち短い地の文を入れるより、まとめたほうがすっきりして見やすいですよね!
そして、会話文と地の文の組み合わせについて、もう1パターン紹介します。
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「貴方はこれから、どうするつもりなの?」
泣きそうな顔で「……全部、全部無駄だったんだよ」と呟く彼に、私は心から憐憫の眼差しを向けた。
彼がどんな道を選ぼうと、私には関係ないことだ。……そう思っていても気にせずにはいられないのは、この種族としての性なのだろうか。
「あの子……聖女様がどんな結果になったとしても、貴方の生涯は続くのだから」
私の肩に頭を乗せた彼が「うん」と素直に頷くのを見て、空を見上げる。
頭の上に南十字星が輝いて見えた。
このエッセイのための書き下ろし。
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いかがでしょうか。
地の文「会話文」地の文
というパターンです。例文では2回も登場し、ちょっと、というかだいぶくどい印象になってしまいました。
私は、このパターンの文章を作品内で用いたことがありません。なので書き下ろしですし、ちょっと違和感のある文章になっています。
ですが、イメージとしてはこんな感じです。
私がこれまでに見たいい感じの使い方は、
・「〜」と断りを入れ
・「〜」と挨拶をして
のような、細かいものですね。
会話文が、地の文と地の文に挟まれている文章。使いこなせない私には、あこがれのある文章ですね。会話文と地の文の繰り返しの中に、少し変わった部分を入れるのにいいのではないでしょうか。ちょっとしたアクセントです。
そして、私がこれまで見たことがある中で一番多い使い方は「エピソードの終わり際」です。
むやみに使うのではなく、エピソード|(小説家になろうの中では1話ずつの数え方)を読み終える時に余韻として残るくらいの雰囲気での使い方が良いのではないでしょうか。
いかがでしたか?皆さまの意見もお聞かせください。




