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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第4章

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97回目 ダンジョン破壊活動

 ダンジョンには中枢と呼ばれるものが存在する。

 それがどのように出来上がるのかは、今のところはっきりとは分かってない。

 だが、中心となるものがいるのは判明している。

 現実とは違う空間の奥にそれがあると。



 モンスターはその中枢から生み出されてくる。

 だからこそ、ダンジョンの中枢破壊は必要不可欠といえる。

 それがある限り、延々とモンスターの脅威にさらされるのだから。

 同時に、この中枢がダンジョンを破壊する鍵にもなっている。



 トモルが目指してるのはこの中枢だ。

 そこを破壊して、ダンジョンを崩壊させようとしている。



 これまた不思議な事に、中枢を破壊すればダンジョンは消える。

 破壊された瞬間に崩壊を始める。

 なので中枢破壊はダンジョン攻略に必須とされていた。

 とはいえ、簡単にできるものではない。



 ダンジョンの攻略は各国が求めてる。

 危険なモンスターを排出してるのだから当然だ。

 モンスターの生産拠点であるダンジョンなど、出来る限り駆除したい。

 それが各国の、そして人類の願いである。

 破滅思考の者達は別だろうが、たいていの人間は早急に除去したいと願っていた。

 だが、それは簡単には出来ない事でもあった。



 ダンジョンの中心であり、モンスターを生み出す中枢部分。

 当然ながら、その周辺はモンスターであふれている。

 そこまで到達するまでに、このモンスターを退けなければならない。

 そんな所に分け入っていくだけでも相当な苦労になる。



 加えて、中枢部分そのものの破壊も難しい。

 かなり強靱で強固である。

 というか、中枢部分そのものがモンスターなのだ。

 ダンジョンから出る事はないが、その中において強大な力を発揮する。

 自然と中枢破壊は、そのダンジョンで最強のモンスターとの戦闘になる。



 この事は、これまでのダンジョン攻略記録にもあきらかだ。

 中枢に挑んだ記録には、そうした事例が常に記載されている。



 巨大で強力で強靱。

 単体でも並み居るモンスターをしのぐ強さを持っている。

 しかも、ダンジョンの中、つまりモンスターの巣の中だ。

 周りには護衛のように強力なモンスターもいる。

 それらをまとめて相手にしなくてはならない。



 このため、ダンジョンの破壊は困難を極める。

 レベル10を超える熟練の戦士や魔術師を投入してもだ。

 犠牲者が出る事を覚悟せねばならない。

 それでも放置するわけにはいかない。

 なので、どうにかして中枢を破壊しようと、これまで様々な挑戦がなされてきた。



 ただ、現実問題として、ダンジョンの破壊に踏み切るには国家規模の作業になる。

 最低でも都道府県くらいの政治が動いて、初めて成功させる事が出来る。

 ダンジョンの規模によっては、国家規模での作戦が必要になる。

 それほどダンジョン攻略は難事業なのだ。



 だからこそ、攻略はとりあえず諦めて、ダンジョン探索が行われている。

 破壊できないまでも、内部に入ってモンスターを間引きするために。

 そうする事で、ダンジョンからあふれるほどのモンスターの襲来を防ぐ事が出来る。

 現状ではこれが人類に出来る精一杯だった。



 そんなダンジョンに向かって、トモルは意気揚々と走っていった。

 ダンジョンを攻略するために。

 もちろん、中枢を破壊するつもりでいる。



 出来るかどうかは分からない。

 だが、出来ないなら出来ないでレベルを上げれば良い。

 幸い、ダンジョン内ならモンスターに事かかない。

 経験値の材料はそこらにある。

 レベルが足りないなら、それらを使って上げていけば良い。



 それに、どうしても破壊しなくてはならない理由がある。

 破壊困難なダンジョン中枢であるが、倒せば得られる利益もある。

 高純度のモンスター核がその一つ。

 中枢であるダンジョン最強モンスターは、それに見合った巨大な核になる。

 当然、倒せば莫大な経験値も手に入る。

 これだけ目当てでも、ダンジョン攻略・破壊を目指す理由になる。



 更に、こちらがより重要なのだが。

 中枢を破壊して、ダンジョンも崩壊したとしよう。

 そうなると、ダンジョンに挑んでいた冒険者があぶれてしまう。



 なにせ、ダンジョンは冒険者の稼ぎ場だ。

 それが無くなれば、冒険者は路頭に迷う。

 トモルが狙ってるのはそれだ。

 他の何よりも、これが重要と言えた。

 誤字脱字報告ありがとうございます。

 これを書き込んでる時点までにいただいた部分までは修正済です。

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