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【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第3章

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84回目 こういうのは潰しておくに限るよね 2

 客は到着した女子をいやらしい笑顔で出迎える。

 見ていてトモルは嫌悪感を抱いた。

 そんな客に瞬時に近づき、

「どーも」

 言いながら蹴り飛ばした。



 客は小屋の中に吹き飛んでいく。

 バウンドする事なく壁まで飛ぶ。

 そこで大きな音を立てて、床に転がった。



 それを見て、小屋の内外から人があらわれる。

 周囲の警戒や護衛をしてる者達なのだろう。

 それらにトモルは、精神介入の魔術を使っていく。

 警備とおぼしき者達は、それで敵意や戦意を喪失。

 トモルに従うようになっていった。



 更に小屋の中で倒れた客。

 その精神にも魔術で介入していく。

 そうしてから魔術で治療し、尋問を始める。



 とりあえずは名前や家などの個人情報を聞き出す。

 また、今後連絡があればすぐに従うようにと。

 魔術で頭や心に服従を刻んでいく。



 客だけではない。

 周りにいた警護をしていた者達にもだ。

 それらにもトモルへの服従を刻み込んでいく。



 そうしてから家に帰していく。

 出来るなら、ここでより詳しい事を聞き出したい。

 しかし、今日は時間がない。

 他にも客がいて、そちらも巡らねばならない。

 人数は厳選したが、それでもあちこちに出向かねばならない。

「本当に面倒くさいな」

 こんな状況を作り出してる客と売春組織が恨めしい。



 とりあえず連絡手段などを確認して、洗脳した連中を解放する。

 ただ、すぐに帰ると怪しまれる可能性もある。

 お楽しみなら、時間ぎりぎりまでたっぷりと遊びたくなるものだ。

 いつもより早く帰れば、それだけで疑問を抱かれる。



「だから、いつも帰宅する頃合いまでここにいるように。

 他に何かしたりしないように。

 いいね?」

「かしこまりました」

 洗脳した客とその仲間は素直に頷く。



「あと、今日もあんたは女の子と楽しい事をした。

 そういう事にしておけ。

 俺がいたとか、今までとは違ったというような事は無かったから」

「はい、承知しました」

 隠蔽工作も忘れない。



 そうしてから女の子は宿舎に帰していく。

 こんな所に長居する理由はない。

「ごめんね、こんな所に連れ回して」

 一応あやまっておく。

 下手すればあぶない事になってたかもしれないのだ。

 誠意なぞこれっぽっちも籠もってなくても、謝罪くらいはしておかねばならなかった。



 それが終わると次の所に向かう。

 今日の客はここだけではない。

 あと何件か控えてる。

 そちらの方に向かっていく。

「急がないとな……」

 地図と探知魔術を使って、目標を辿ってく。

 発信器代わりの魔術装置を女子に持たせてるので、発見は簡単だ。

 あとは、それを追いかければ良い。



「時間をずらしておいて正解だったな」

 客との待ち合わせ時間。

 それが重ならないよう調整してある。

 だから、ギリギリだが何人もの客を相手にする事が出来る。

 それでも急いで行動しないといけない。



 その後も同じように処置をしていく。

 客が出てきたら洗脳し、言う事を聞かせていく。

 そして今後の布石にして、様々な工作を仕掛けていく。

 そんなこんなで一日が潰れてしまった。

 ダンジョンにいってレベルを上げられないのが辛い。



 それでも、支配下においた貴族は役に立ってくれた。

 後日、出向いた先で様々な情報を聞く事が出来た。

 また、様々な指示を出し、トモルが動きやすい環境を作らせていく。

 客が割と有力者だったのも幸いした。

 そうでなくても、貴族同士の繋がりがある。

 その力を有効活用していく。



 一日を費やして、こうしたものを手に入れた。

 それなりに労力は使ったが、成果は大きい。

 そのことにトモルは満足した。

(たまには人助けもするもんだな)

 そんな事を考えながら。

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