表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【完結】なんでか転生した異世界で出来るだけの事はしてみようと思うけどこれってチートですか?  作者: よぎそーと
第4章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

101/531

101回目 彼らの事情 3

 別のダンジョンで荒稼ぎをして。

 ついでに「このダンジョン破壊します」宣言をした翌日。



 この日もトモルは、破壊予定のダンジョンに潜る。

 まだ攻略はしないが、モンスターを可能な限り駆逐する。

 まだ中枢破壊は難しいのではと考えてるからだ。

 慎重の上に慎重を重ね、レベルアップを怠らない。



 それに、事前にモンスターを間引いておけば、中枢破壊時に楽になるかもしれない。

 中枢破壊が手間取るのは、ダンジョン内のモンスターが集まってくるからだ。

 おそらく、中枢を助ける為なのだろう。

 それならば、事前に間引いて、救援に来る怪物を消しておく。



 モンスターの繁殖力は高いが、減らせばそれだけそれなりの効果はある。

 だからこそ間引きを行なっているのだ。

 それを大規模にやるだけである。

「今日も頑張るか」

 気合いを入れていく。



 そんなトモルの前に、前日出会った冒険者達があらわれた。

 ダンジョンの前で待っていたようである。

 他にも何人かの冒険者がいた。

「よう、ちょっといいか」

 そう言って彼等はトモルの前に立つ。

 あまり友好的とは言えない雰囲気だった。



 実際トモルに向ける表情は硬い。

 そんな彼らが喋る事も同様にこわばったものだった。

「あんた、ダンジョンを壊すんだってな」

「ああ、そのつもりだ」

「その……それは控えてくれないか?」

 それは、ダンジョン攻略の制止だった。

 それを伝える為に、彼らはトモルがやってくるのを待っていたのだ。



「あんたが何を考えてるのか分からん。

 けど、ダンジョンが無くなると俺らも食い扶持を無くすんだ」

「そうだろうね、それくらいは知ってるよ」

 トモルは彼等の言葉を聞いて話し始める。



「だから新しい所を探してくれ。

 なんなら、こっちでも案内するから」

「いや、だからな……」

「場所を教えるから、そちらに出向く準備を始めてくれ。

 その為の路銀は、俺が倒したモンスターの核で賄ってくれ。

 それで片道分はどうにでもなるはずだ」

「…………」

 トモルの声を聞いて冒険者は黙る。

 話を聞くためではない、話にならないと思ってだ。



「なに、教える所にいけば食い扶持には困らない。

 そっちで新たに頑張ってくれ。

 どうせいつかは壊さなくちゃならないのがダンジョンだ」

「そりゃそうだけど」

「だから、新しいダンジョンに向かってくれ。

 倒したモンスターの核を売れば、路銀くらいにはなるだろ」

「簡単に言ってくれるな」

「ああ、簡単に言うさ」

 苦々しそうな相手に、トモルは何一つ同情も譲歩もしなかった。



 言いたい事も気持ちも分かる。

 だが、譲歩すればこのダンジョンを破壊出来ない。

 そうするわけにはいかなかった。

 それではトモルが描いてる予定が崩れる。



「ダンジョンを破壊するのを止めるつもりはない。

 そうする理由も無い。

 俺は絶対にやるつもりだ」

 そう言って彼等と対峙する。

 仮面越しであるが、相手と向き合う。



 体格差はあるが、堂々としている。

 その態度に、冒険者達も気圧されてしまっている。

 なまじ、トモルが戦ってるところを見たせいもあるだろう。

 どれだけ簡単にモンスターを蹴散らした事か。

 それを知れば、迂闊に抵抗も出来ない。



 冒険者もトモルの戦闘力を理解している。

 他を大きく凌駕する戦闘力を。

 それと敵対すれば最悪の危機になりかねない。

 一方的に殲滅される事もあり得る。



 そうならないように、彼等は出来るだけ交渉でトモルを翻意させようとしていた。

 もっとも、交渉するつもりのないトモルに、それは通じない。



 だが、トモルの戦闘力を聞いても怯まない者達もいる。

 彼等は交渉でどうにかしようとする冒険者達をおさえて、トモルに声をかける。

「それでも俺達はここから離れるわけにはいかないんだ」

 成り行きを見守っていた一群が声をあげる。



「他に行って上手くやっていけるかどうか分からない。

 俺達はここでやってくしかない。

 だから、勝手な事はしないでくれ」

 彼らも必死だった。

 その言い分ももっともだ。



 新しいところで上手くやれるかどうか。

 それは常に付き待つ問題だ。

 ダンジョンも様々な形態がある。

 どこか似通ってる部分もあるが、全く様相が違うダンジョンもある。

 その為、下手に他のダンジョンに移動するわけにもいかない。

 勝手が分からず苦戦するかもしれないのだ。

 命がけの仕事で、それは出来るだけ避けたいものだ。



「俺達にはここしかないんだ」

 なまじこのダンジョンに馴染み過ぎたのだろう。

 ここで特化しすぎた為に、他への応用がきかない。

 そうなってるのかもしれない。

 しかし、トモルからすればそんな事どうでもいい。



「それでも、あんたらもそれなりのレベルなんだろ?

 だったら他でもやっていけるさ」

 そう言って突き放す。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。


_____________________

 ファンティアへのリンクはこちら↓


【よぎそーとのネグラ 】
https://fantia.jp/posts/2691457


 投げ銭・チップを弾んでくれるとありがたい。
登録が必要なので、手間だとは思うが。

これまでの活動へ。
これからの執筆のために。

お話も少しだけ置いてある。
手にとってもらえるとありがたい。


_____________________



+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ