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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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九百八十五 美嘉編 「反面教師として」

三月六日。水曜日。曇りのち雨。




沙奈子が中学に上がると、またPTAとしての委員の選出がある。今度はもう完全に僕も協力することになる。


今の会社は、勤務時間にも融通が利くから。


さすがにもう、家の事情で免除してもらうのも難しいだろうし。


いよいよっていうことだな。


鷲崎さんも、


「ちょっと楽しみです♡」


だって。元々、そういう形での活動そのものは嫌いじゃないらしい。今までは結人ゆうとくんのことで他の人の反応が気になってて積極的になれなかった(鷲崎さん基準で)らしい。


でも、夜のパトロールに自主的に参加したり、十分に積極的だった気がするんだけど、彼女にしてみると全然らしい。


その辺りの感覚はやっぱり人によって違うんだなと改めて実感する。






三月七日。木曜日。曇り時々雨。




秋嶋あきしまさんの件は、向こうがだんまりだそうなので、何も進展がないみたいだ。


正直、不安があるから、朝、会社に頼んで出勤時間を少し遅らせてもらうことにした。沙奈子が学校に行くまで一緒にいることにする。


本当は、そんな風に疑ったりもしたくない。


だけど、


自分が拘ってるもののために相手の人格とかまで否定するような人を無条件に信じられるほど僕はお人好しでもない。


他人が自分を信用してくれないと感じてる人は、自分が普段、何をしてるのか冷静になって見詰め直してみたらいいんじゃないかな。


少なくとも僕は、今の秋嶋あきしまさんたちを信用することはできないよ。






三月八日。金曜日。晴れ。今朝は寒かった。




実は、二月二十八日に、星谷ひかりたにさんが一次選考に合格してたんだって。


でも、本人は、


「これはあくまで一次選考ですので。最終的な結果が出るまではお知らせする必要もないと考えていました」


と、平然としてた。


最終的な倍率は二十五倍だっていう『難関』も、彼女にとっては『合格するのが当たり前』で、途中の経過は気にすることでさえないみたいだ。


頭の作りだけじゃなく、精神構造も僕たちとは違うんだろうなって改めて思わされてしまう。


秋嶋さんたちも、そこまでの難関大学じゃなくても大学に通って勉強してるのに、一体、何を勉強してるのかなとも思ってしまった。


自分の周りの人と考えが合わないからってその人間性まで否定するようなやり方を、学校で学んでるの?。


確かに、僕も大学に通ってた頃、教授によっては人間として違和感を覚えるような考え方をしてる人がいないわけでもなかったけど、僕にとって必要だったのはその人の『知識』だけだったから、そういうのはむしろ反面教師として役立てさせてもらっただけだったのにな……。



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