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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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九百七十七 美嘉編 「面白くないと思え!」

二月二十五日。月曜日。晴れ。




三月三日は雛祭りか。


去年はそれどころじゃなかったから何もできなかったけど、今年はスーパーに行った時に小さな雛人形を買って、飾ることにした。


机の上に並んだ莉奈りな果奈かなの間に、雛人形を飾る。


莉奈と果奈以外にもいくつものぬいぐるみが取り囲み、ある意味では雛飾りみたいになってた気もする。


すると沙奈子は、それに何か発想を得たのか、雛人形が着てる着物(十二単?)っぽい絵を、スケッチブックに描いた。


次のドレスのデザインなのかな。


実は絵そのものはそんなに驚くほど上手じゃない沙奈子だけど、彼女の頭の中にはたぶん完成した形が映像として浮かんでて、それを意識できるようにするためのヒントとしてラフスケッチを描いてるんだろうなって気がする。


夕食の時、机の雛人形の前に広げて置かれたそれを見た鷲崎わしざきさんが、


「あ!、もしかしてこれ、新作のラフですか!?」


って嬉しそうに声を上げた。


夕食の用意をしてた沙奈子が、少し照れくさそうな表情をする。でも、


「うわ~、カワイイ♡ 楽しみです♡」


って言ってもらえたことには嬉しそうな表情も見せてた。


楽しみにしてくれてる人がいるっていうのが嬉しいんだろうな。


そんな沙奈子に対して、結人ゆうとくんは相変わらずの仏頂面だけど。


だけどそれも、以前のどこか挑発的で挑戦的な気配を放ってるそれから、ただただシャイで愛想良くできないんだろうなっていうのが分かる感じにすっかり変わってたけどね。


彼は人形とかにまったく興味がないみたいだけど、だからって馬鹿にしたりもしない。ただ興味ないって様子を見せてるだけだ。


鷲崎さんと結人くんが帰った後、僕が、


「結人くんは沙奈子のしてることを馬鹿にしたりしないから、根は優しい子なんだなって分かるんだ」


って言ったら、玲那が、


「あ~、それすっごい分かる。いるよね。自分が興味ないもの、面白いと思えないものをバカにして、『面白くないと思え!』って押し付けてくる人。


今期のアニメで絶賛炎上中のそれも、一期のファンだった人たちが、『二期は面白くない!。駄作だ!。お前もそう思うだろ!?。っていうか思え!!』ってメチャクチャ押し付けてくるんだ。


で、実は、あっきーととっくんがそれでバチバチやりあっちゃっててさ~」


と、悲しそうな表情で言った。


なんでも、前作のそれの大ファンの秋嶋あきしまさんは、今作の内容が前作を侮辱してる、愚弄してる、貶めてるって言ってすごく怒ってて、でも、前作のことは面白いと思っててもそこまで入れ込んでたわけじゃない喜緑きみどりさんが、『そこまで言うことか?』みたいに返したら、秋嶋さんがさらに怒っちゃってってことみたいだね。



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