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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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九百六十九 美嘉編 「三人分のチョコが」

二月十四日。木曜日。朝は雪もちらついてたけど、それはすぐにやんだ。




そう言えば今日はバレンタインデーか。だけど僕達の間では基本的に忘れられたイベントかな。


僕は興味ないし、絵里奈も玲那もあんまりそういうので盛り上がるタイプじゃないし、大希ひろきくんは女の子にはそれなりに人気があっていくつかもらうらしいけど本人はむしろ迷惑がってるし。


だからどうでもいいんだ。


と思ってたら、


「はい、お父さん…。チョコレート」


って、一緒に部屋に帰ってコタツに入った時に、沙奈子から差し出された。


クッキーと一体化した『チョコレート菓子』ってやつの小袋だった。何ていうか、典型的な『義理チョコ』でもらうやつだな。


なんて思ってると、


「私たちからの分もまとめてです」


と、ビデオ通話で絵里奈が。さらに玲那まで、


「去年はそれどころじゃなかったってのもあるけどさ、私たちも一応『女の子』なわけで、好きな人にはって気持ちも無いわけじゃないんだよ」


だって。つまり、三人分のチョコがこの一袋に集約されてるってことか。買ったのは田上たのうえさんで、それを分けてもらったってことらしい。


「あはは、ありがとう。嬉しいよ」


そう言って受け取ったら、沙奈子も嬉しそうにフッと表情が柔らかくなったのだった。






二月十五日。金曜日。曇り。




小中学校へのスマホ持込みの件は、万が一の時の連絡用にっていう話だそうだけど、本当の万が一の時には、たぶん、電話も通じない。去年の地震の時に僕は改めてそれを実感したんだ。


だから普段から、そういう時にはそれぞれどう対処するかっていうのをしっかりと決めておく必要があるんじゃないかな。


でも、僕たちはそうじゃないからって、持たせたいと思う人たちの気持ちも無視していいとは思わない。


スマホ持ち込み許可に反対してる人たちは問題が起こることを懸念してるんだろうけど、それはまた個別で対応することなんじゃないかな。スマホを持ち込む人が全員、悪用するわけじゃないんだし。


その種の規制緩和みたいなことはこれまでにもたくさん行われてきたハズなんだ。その多くで反対意見も出ただろうけど、結局は定着して今では常識みたいになったものも多いと思う。


山仁やまひとさんも、


「私は持たせませんが、規制を緩和することについては反対はしません。自分の子供に節度のある使い方を教えてあげるのは親の役目ですから、反対する理由もありませんし」


と言ってた。


なるほど大希くんや今の千早ちゃんの様子を見ていると、


『心配要らないな』


って正直思えるんだ。



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