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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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九百二十七 美嘉編 「いろいろ心乱れたりしたことも」

一月二日。水曜日。晴れ時々曇り。




新年二日目。


昨日も夕方には沙奈子と一緒に山仁やまひとさんの家に行って、新年の挨拶をしてきた。


当然のように星谷ひかりたにさんも波多野さんも田上たのうえさんも集まってて、一斉に、


「あけましておめでとうございます」


って迎えてくれた。


みんなが元気に新年を迎えられて僕もホッとする。


特に波多野さんについては、お兄さんの件がいまだに長引いてて、まったく先が見えない状態らしい。


それでも笑顔でいられるというのは、みんながどれだけ彼女のことを守ってくれてるかってことだと思う。


しかも波多野さんの方も、ただ守られてるだけじゃなくて、しっかりとみんなの中で自分の役目を果たそうとしてるのが分かる。


だから星谷さんも彼女の力になれるんだろうな。


さらに星谷さんの雇ってる弁護士さんが、玲那の件でもマスコミ対応の窓口になってくれてて、そのおかげで玲那のところにまで押しかけられたりしないで済んでるんだ。


それでも何度かマスコミが尋ねてきたことはあったけど、それについても弁護士さんが正式に抗議したりして、きちんと窓口を通すように徹底してくれてるらしい。


それについては、玲那自身のコメントとかも随時提供することで折り合いをつけてるとも言ってた。


ただ『ノーコメント!』って突っぱねるだけじゃマスコミの側も引っ込みがつかないから、譲歩できるところは譲歩するのが上手くやるコツなんだって。


これによって星谷さんは、犯罪報道の在り方についてもレポートをまとめてるって言ってたな。


玲那のことでは本当にものすごく助けてもらったけど、そういう形ででも彼女の役に立ててるなら、少しでも恩を返せてるってことなんじゃないかな。だったら本当に良かったと思う。


そうだ。僕たちはただ一方的に助けてもらいたいわけじゃない。僕たちにできる形で恩を返していきたいんだ。


世間的には利用されてるようにも見えるかもしれないけど、僕たちは星谷さんのことをよく知ってるし、彼女になら『利用されてもいい』って思えるんだ。


そんな風に思えるっていうのはすごいことだって気がする。


ただ『恩がある』っていうだけじゃたぶんそこまでは無理だ。


星谷さん自身にそれだけのものを感じないと、できないことだし。


そんな彼女を魅了してしまった大希ひろきくんもすごいなあ。


その大希くんは、今、千早ちはやちゃんと一緒に沙奈子と遊んでくれている。同じ年頃の女の子二人と一緒にいても星谷さんは取り乱したりしない。


もちろん最初の頃はいろいろ心乱れたりしたこともあったそうだけど、現に問題ないって分かれば気にしないでいられるっていうのも、実はすごいことなんじゃないかな。



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