表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
888/2601

八百八十八 結人編 「ストレス解消のために」

十一月二十九日。木曜日。曇り。




『人間はまったく悪口を言わないでおくことなんてできない』


とか言う人がいる。


確かに心理学的にも、


『たまに悪口を言うのは精神衛生上効果的だ』


っていう話もあるみたいだ。


だけど、それはあくまでも、本人の耳に決して届かなければ、目に留まらなければ、っていう話なんじゃないかな。


だって、その悪口が本人の耳に届いたり、目に留まったりすれば、言われた方だって黙ってられないだろうから、言い返されたりとかするのが普通だと思う。


だから、悪口とか愚痴といったものは、誰かの耳に入れたり、目に留まるような形では出さないようにするか、せめて対象を特定できないようにするとかの配慮はした方がいいんじゃないかな。


ただこの時、個人を特定できないようにってことで対象をぼかそうとして括りを大きくし過ぎると、例えば、『男なんて』『女なんて』っていう形にしてしまうと、今度は当てはまる人が多くなりすぎて、当てはまった人から言い返されたりって感じになってる例も多いと思う。


ストレス解消のためにやってることのはずなのに、他人を不快にさせてストレスを与えたことで反撃されてまたストレスになるなんて、それこそ本末転倒以外の何物でもないよね。


僕はそういうのはしたくない。


わざわざ自分からストレスを増やすようなことなんて。


それに、言葉は選んでるつもりでも、僕も批判的なことはついつい口にしたりしてると思う。たぶん、僕の場合はそれで十分、事足りてるんだろうな。


と言うか、悪口を言う以外の方法でストレスを解消できてるからかもしれない。


そうだ、別に悪口を言わなきゃストレスが解消できないわけじゃないと思う。それ以外の方法で解消できるならそれに越したことはないと思うんだ。


だいたい、心理学的な実験の結果で悪口を言うことの効果を示す結果が出たんだとしても、全員が全員、同じ結果になったわけじゃないんじゃないかな。それに、悪口の効果を確認しようとして行った実験だったら、それ以外のストレス解消法を同時に試したりはしてないはずだよね。もし悪口以外の方法も同時に試してたんなら、ストレスが軽減された理由が特定できなくなってしまうし。


そう考えたら、やっぱり安易に頼ったり効能を信じたりするのは危険だなって感じる。


『諸刃の剣』って感じかな。


もしそれを使うなら、すごく注意深く慎重にしないといけない気もする。


ストレス解消のために新しいストレスを増やしてたんじゃ、本当に何をしてるのか分からないから。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ