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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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七百九十四 結人編 「山仁家の家訓」

九月一日。土曜日。


さすがにいきなり休日出勤とはならなくて、今日はちゃんと休みだった。


だから絵里奈と玲那に会いに行く。暑さがかなりマシになってるし、せっかくだからということで千早ちはやちゃんや大希ひろきくんたちも一緒に水族館に行くことになった。年間パスを持ってるんだから本当はもっと頻繁に生きたかったけど、地震とか大雨とか酷暑とかが続いたからそれどころじゃなかったっていうのはある。


そんな久しぶりの水族館に、沙奈子も静かに興奮してるのが分かった。千早ちゃんと大希くんが、沙奈子を迎えてくれる。


みんなで一緒に駅前からバスに乗って近くのバス停に到着すると、朝一で来たのにもう結構、人が集まってた。さすがに休日だからってことかな。


「ねえねえ!、今日はあっちから行ってみよ!」


千早ちゃんが沙奈子の手を引く。すると沙奈子も、お伺いを立てるみたいに僕の方を見たから、


「いいよ、行っておいで」


って。


僕のスマホを持たせて送り出した。


沙奈子自身が嫌がってなかったのも分かったし、もう六年生だからね。これがもし嫌がってるようなら無理に行かせなかったけど、本人が望んでるなら少しくらいは子供たちだけで行動するのもアリかなって思う。


もっとも、大希くんも一緒だから、当然、星谷ひかりたにさんもだったりする。彼女が一緒ならそれこそ心配要らないか。


あと、スマホを渡しちゃったら玲那と話ができなくなるかもというのも、絵里奈のスマホがあればイヤホンも借りられるし、問題なかった。


と思ったら、玲那は波多野さん、田上たのうえさんと一緒に見て回るらしい。


「せっかくだから二人きりでデートしてきなよ」


そう言い残して三人で行ってしまった。ちなみにイチコさんは、見たいものがあるらしくて早々に別行動してる。


実はイチコさんも最近、スマホを持つようになったらしい。だけどそれはリサイクルショップで買った、電話契約してないもので、ポケットWi-Fiと合わせて使うことでメッセージアプリでやり取りできるというものだった。電話として契約するとついつい無駄遣いしてしまうからということらしい。


山仁やまひとさんの家庭では、これまでスマホを持っているのは山仁さんだけだった。それもあくまで仕事用として。


今は、携帯やスマホを持たないと友達も作れないと思ってる人が多い中で、イチコさんが携帯もスマホも持ってなくても、星谷さんも波多野さんも田上さんもちゃんと友達として付き合ってた。


『携帯とかスマホがなければ付き合えない相手は友達じゃない』


というのが、山仁家の家訓なんだって。



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