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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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六百八十五 結人編 「難癖つけるみたいな」

五月十七日。木曜日。昨夜は何故かすごく暖かかった。って言うか暑かった。朝も肌寒さなんてまるで感じない。むしろ五月なんだから本来はこれで普通なのかもしれない。にしても暑かったのかな。


あの事件についてはもうテレビでは続報も出なくなった。早いとは思いつつも、他にもたくさん事件や事故があるからそんなものなんだろう。


実際、被害者の女の子も昨日から登校してたらしい。今週中は休むかもという話だったから出てこれたのは朗報なのか。カウンセラーも来てるらしいけど、被害者の女の子よりも他の生徒からの相談の方が多いみたいな話も聞いた。


これは、鷲崎わしざきさんが近所のお母さん方が集まってるところに話を聞きに行って得た情報だった。僕たちはいわゆる『ママ友』のグループとかには入ってないからそういうルートからの情報には疎いんだ。だけど、鷲崎さんは割とコミュニケーション能力が高いからすんなり入っていけるみたいだね。その辺りは絵里奈でさえ敵わない。


夕方、山仁やまひとさんのところに沙奈子を迎えに行って帰ってから、家族で話し合いになった。


「鷲崎さんはすんなり親しくなれるみたいで羨ましいです。私もあまりそういうの得意じゃないから。ママ友とかも頑張ろうとは思ってたんですけど」


困ったような顔をして絵里奈が言う。


玲那も、


「私もアニメとか共通する話題がないとてんでただのコミュ障だからな~。秋嶋さんたちと仲良くなれたのだって、彼の方が勇気出してくれたからだし」


そういえば、話し掛けてきたのは秋嶋さんの方だったっけ。意外だけどそうだった。


僕もその辺りは全くダメだし、沙奈子も、別にクラスの子達と仲が悪い訳じゃないんだけど、本当に親しげに話しができるのは大希ひろきくんと千早ちはやちゃんだけだもんな。


結人くんは、まあ、相変わらずなのか。彼の『ファンクラブ』は着々とメンバーを増やし、『今じゃ六年生から三年生まで二十人近くまでいってるらしいんだよね~。びっくりだよ』とは、千早ちゃんの弁。


もっとも、当の結人くん本人は迷惑顔で無視してるとも言ってたな。だけどそうすればするほど『カッコいい~♡』と言われるとか。


ドンマイ、結人くん……。


彼については、とにかく学校ではすごく大人しくしてるそうだ。そもそも彼に無駄に突っかかる子がいないから、結人くんの方も反応する必要がないみたいだね。


結局、そういうことかもしれない。別に相手から攻撃してきてる訳でもないのに態度が気に入らないとかそんな些細な理由で突っかかったりするからトラブルになるんだろうな。『イジメられる方にも原因がある』とか言ってる人の中にはそんな難癖つけるみたいなのもいる気がするんだ。



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