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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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六百六十七 結人編 「IHクッキングヒーター」

四月二十九日。日曜日。


昼前、千早ちはやちゃんたちがいつも通りにやってきて、お昼を作った。オムライスだ。意外なことにこれがうちで作る初めてのオムライスだった。玉子で上手く包むのが難しいからとこれまで尻込みしてきたらしい。実際には、千早ちゃんが自宅や大希ひろきくんの家でも何度か挑戦したけどまだ成功してないんだって。


ある程度できるようになってから披露したかったらしいけど上手くいかないから、うちでも練習することにしたらしい。


今日も、鷲崎わしざきさんと結人ゆうとくんを招く予定にしてる。先週の様子から、こっちがあまりしつこく話し掛けたりしない分には大丈夫だって感じたからだ。


鷲崎さんなんて、


「今日はオムライスなんですか!?、うわ~、めっちゃ楽しみ~!」


ってすごく嬉しそうにしてくれてた。


ただこの時、肝心の結人くんは出掛けてて留守だった。鷲崎さんの話によると、彼は散歩が好きらしい。下手すると昼過ぎから散歩に出かけて暗くなるまで帰ってこないこともあるって言ってた。


普通なら誰か友達と遊んでるか公園で遊んでるかってところだと思うのに、結人くんには一緒に遊ぶ『友達』がいないから、ただひたすら近所を散歩するだけなんだって。その話を聞いた時、僕はなんだか『自分の縄張りを見張ってる動物みたいだな』って思ってしまった。


でも、結果的にはその時の僕の直感は正しかったらしいけど。


まあそれはさて置いて、とにかくオムライスだ。


ビデオ通話の画面の向こうの玲那には絵里奈が出勤前に用意してくれたオムライスがあるから別としても、結人くん、鷲崎さん、星谷ひかりたにさん、千早ちゃん、大希くん、沙奈子、僕の七人分のオムライスを作ることになるから、結構大変かもしれない。


だけど、実は、先週のホットケーキの時に、キッチンのコンロとカセットコンロの二つしか火がないことでせっかく三人いるのに同時に作業できなかったのを見て、もう一つ、今度は一口だけのIHクッキングヒーターを買ってきたんだ。これで、三人が同時に作業ができるようになった。キッチンのコンロは千早ちゃん、キッチンでカセットコンロは大希くん、コタツの方でIHクッキングヒーターを使って沙奈子が作る。もちろんフライパンも三人分用意した。


すると、手慣れた千早ちゃんと大希くんはスムーズに作ってたけど、慣れないIHクッキングヒーターを使ってた沙奈子は最初少し戸惑ってる様子にも見えたかな。


それでも、しばらく使っているうちに要領を掴んだのか、それからは上手く使いこなしてたみたいだった。



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