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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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六百四十九 織姫編 「珍しいタイプ」

四月十二日。木曜日。昨日に引き続いて不安定な天気だった。朝は割と暖かくて晴れてもいたのに、昼頃には風が出てきて、時々雨が降ったりした。


今朝も、鷲崎わしざきさんが二階から見送ってくれた。笑顔で手を振る彼女の姿が微笑ましいのと同時に、やっぱりちょっと照れ臭い。秋嶋あきしまさんたちにもこの様子は分かってるはずだから、どう思われてるのかなっていうのも少しだけど気になったりもした。


ただ、その点については玲那がちゃんとフォローしてくれてるのも分かってた。彼女は頻繁に秋嶋さんたちとも連絡を取り合って、情報交換してたみたいだ。それで鷲崎さんが毎日僕を見送ってくれたり出迎えたりしてくれてるのも分かってるらしい。


でもそれが逆に、玲那に詳しくその時の状況が伝わってるってことで、ひいては絵里奈もそれを把握してくれてるわけだから、それはむしろ安心材料だったかな。ここで変に断片的なことだけが伝わってそれが誤解を生んだりってことになるのを思えば、いっそ筒抜けの方が安心できる気がする。


玲那が言ってた。


「あっきーたちにも織姫のことは割と好感触みたいだよ。何しろリアルおっぱいキャラだし。しかもあの表情とか仕草とか、デフォルメいらずでもろにアニメ映えのする逸材だからね~。チッパイスキーたちが宗旨替えするのも時間の問題かもね」


と、言ってることの何割かはよく分からなかったけど、少なくとも鷲崎さんが嫌われてるわけじゃないってことは感じられて、ホッとした。


「上手いこといってそうですね」


絵里奈の表情も穏やかで安心する。


ただまあ、事情を知ってるこのアパートの人たちはともかく、それ以外のご近所さんたちには勘違いされてないかなというのもあったりなかったり…。


でもその辺まで気にしてても仕方ないか。別にやましい関係でもないんだし。


と、鷲崎さんの様子も気になるけど、僕としてはむしろ学校での結人ゆうとくんの様子が気になるところだった。


だけど、沙奈子から返ってくる言葉はやっぱり『普通』。


とは言え、実は千早ちはやちゃんや大希ひろきくんからはもう少し詳細な証言が、星谷ひかりたにさんには上がってて、クラスの中でもあの調子で人を睨み付けるような態度をとってるのに、なぜか一部の女の子からはそういうのが逆に『カッコいい!』と評判になってるとかいう話を、今日、沙奈子を迎えに行った時に聞かされた。


「千早たちが通っている学校ではむしろ珍しいタイプであることで、『クール』とみられてるようですね。思春期の女子には時折見られることなのだと聞きます。私には理解しがたいことですが」


って、僕にも理解しがたいことだよ。




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