表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
635/2601

六百三十五 織姫編 「聞いていい話」

「ところで、探偵事務所に背景を探ってもらう件ですが…」


不意に星谷ひかりたにさんがそんなことを言い出した。僕たちは思わず背筋が伸びる気がした。なにがあったんだろうって思ってしまったから。だけど彼女の口から出たのは…。


「実は、鯨井結人くじらいゆうとくんに怪我を負わせた相手の宿角健侍すくすみけんじくんに関して、別口から同様の依頼があり、調査についてそちらで判明した情報を提供していただけることになりました。つきましては費用については大幅に節約できることになります。正確な金額については後程になりますが、おそらく二万円に届かない金額で済むでしょう」


「え?、そうなんですか…!?」


思わぬ話が飛び出して、鷲崎わしざきさんが驚いて声を上げた。僕と玲那も驚いた。別口の依頼って、他にも誰か、相手の子について調べてた人がいたってことかな。とか思ってると、星谷さんが説明してくれた。


「依頼者等についてはもちろん明かせませんが、以前、次男の頭を殴って頭蓋骨骨折の重傷を負わせ現在拘留中の宿角健雅すくすみけんが容疑者の長男というのが、今回の宿角健侍すくすみけんじくんだということです。そちらの事件に関係して調査の依頼があり、ここまでですでにかなりの調査が行われていたとのことです」


…その事件、覚えてる。『言うこと聞かないから躾のつもりで殴った』とか言ってた事件だよね。しかも、鷲崎さんが『もしかして』って言ってた通り、本当に親子だったんだ……。


って、そんなこと、僕たちに話してよかったの?。


「星谷さん、それ、僕たちが聞いていい話だったのかな…?」


ちょっと心配になってそう尋ねると、彼女は平然として、


「皆さんなら問題ないと判断しました。それにこれは既にネット上にも出回ってる情報です。どうやらその辺りで宿角健侍くんに心理的な負荷がかかっていたようですね。それが今回の事件に繋がった可能性もあります」


だって。


そうだったのか…!。


後から分かったことだけど、父親が起こした事件のことで宿角健侍くんに対しても嫌がらせがあったらしい。その嫌がらせをしたのは結人くんとは全く関係ない別人だったけど、それでイライラが溜まって結果的に結人くんに八つ当たりって形でケンカを吹っかけた形になったそうだ。


本当に、余計なことをする人のせいでこうやって別の事件が起きるんだなっていうのを改めて実感させられる一件だった。


その後、宿角健侍くんは親戚のところに改めて引き取られることになったらしいけど、詳しいことについてはもう、僕たちには分からなかった。


それに、僕たちには首を突っ込めるようなことでもなかったからね……。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ