表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
2583/2601

二千五百八十三 沙奈子編 「しにくい話に臨む」

『こうやって自分の父親と生理について普通に話ができる女の子っていうのもそんなにたくさんはいないかもね。だったらみんな同じにできるわけじゃないっていう証拠じゃないかな』


『確かに』


自分の娘と、自分の父親と、こんなやり取りが何気なくできる父娘が、世の中にはどれだけいるのかな。変に気負って、それこそ『覚悟を決めて』『一大決心をして』しにくい話に臨むんじゃなくて、ごくごく当たり前の世間話的に自然とできるなんて。


女性とか男性とかってだけじゃなくて、『人間として』相手を認めればこそ、逆にお互いの違いについても冷静に、と言うか自然なこととして受け止められると思うんだけどな。


『女性と男性は違う!』


なんて変に力の入った考え方をするから無駄に身構えてしまうだけのような気がするんだ。


女性だ男性だという以前に、


『自分と自分以外の人は決して同じじゃない』


という大前提があるよね?。性別で分けたって、その性別の中でもそれぞれぜんぜん違ってたりするよね?。


『男性だから仕事をして家族を養っていくのが当たり前』


『女性だから子供を産んで家を守っていくのが当たり前』


そんな言い方されたら、


『そんなわけあるか!』


って思ったりするんだよね?。


僕だって、自分が楽しいから、そうしたいから、自分で玲緒奈を育てていこうと思えてるんだ。女性とか男性とかいう以前に『僕だから』そう思うんだよ。それを、性別という乱暴な二元論で語られたくないのは確かなんだ。


だからこそ、沙奈子が女性だという事実は認めた上で、それ以上に沙奈子は『僕じゃない人』だという事実を認めるからこそ、『僕とは違う部分』についても『あって当たり前のこと』としてただ受け止めるだけなんだよ。


『月経』のことだってそういうものの一つでしかない。『月経の影響で気分や体調が変わってしまう』ことがあるのも、『そういうものだ』としか思わない。僕がそれを当たり前のこととして身構えることなく受け止めてるから、沙奈子の方も変に意識して『生理の時はこうだから!』って考えなくて済んでるんだと思う。これは、絵里奈や玲那もだ。


でも、このニュアンスも、理解できない人はいるよね?。


『何を言ってるんだ?』


と感じる人もいるよね?。それもまた事実だよ。だけど、それが理解できない人は理解できない人同士で力を合わせて生きていけばいいと僕は考えてる。


ただ、『自分と相手がそもそも違う』というのを認められない人が誰かと力を合わせて生きていけるのかどうかは、分からないけどね。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ