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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千四百三十 沙奈子編 「すっかり成長した」

二月二十一日。火曜日。雪のち曇り。


今日も結構強い雪が降った。少し積もったところもあったらしいけど、すぐに融けてしまった。




見た目にも、沙奈子はすっかり成長したと思う。かつては栄養状態がよくなかったのか体は小さい方だったけど、今も決して大きい方じゃないけど、それでも異常だと感じるほどじゃないのも事実だ。プロポーションとしては、どちらかと言えば『ほっそりしてる』方だとしても、病的な痩せ方という印象はない。


沙奈子自身も、ダイエットとかには興味がないようだし。


一方、千早ちはやちゃんは、『実に健康的な思春期の女の子』という印象かな。決して『太ってる』わけじゃないのは確かなんだけど、ある意味、力強さも感じさせる。


また、大希ひろきくんは、高校に入った頃から一気に成長して、今ではすっかり沙奈子よりも背が高くなった。ただそれでも、『百六十センチ台にかろうじて届いている』という感じで、加えて、『男の子としては線が細い』印象もあるのは事実。健康なのは確かなんだけど。


対して結人ゆうとくんは、『大希くんよりは少し背が高い』というだけで、やっぱり体が大きい方じゃない。ないのに、大希くんよりは明らかにこう、精悍な印象はある。ある意味では『獣みたいな感じ』と言ってもいいのかな。彼にはぴったりな印象だ。


一真かずまくんは逆に、なにかスポーツを、それも格闘系の部活をしてそうな印象のあるがっちりした立派な体格だった。身長も、みんなより『頭一つ大きい』って感じかも。もちろん彼よりも身長の高い人は珍しくないにしても、高校に通ってる間に百八十センチにも届きそうだ。


そして篠原さんは、それこそ『普通の高校生女子』って印象かもしれない。背も高過ぎず低すぎず、必ずしも目立つタイプじゃない。本人の性格そのものを表してるのかもしれないね。『普通でいたい』っていう。


さらに琴美ことみちゃんは、僕のところに捨てられた当時の沙奈子に少し印象が重なるかな。あの頃の沙奈子に比べればまだマシなのかもしれないけれど、『健康的な』とは確かに言い難いんだ。ただ実際に健康に問題があるわけじゃないから、まだ安心できてるというのはある。


こんな感じでそれぞれ事情はありつつ、特徴はありつつ、そんな自分自身をだいたいみんな受け入れてくれてる。もちろん『理想の自分の姿』みたいなのはあるとしても、だからって無理してまでそういうのに近付けようとする必要も感じていないと思う。


僕は親として、そういう無理をしてほしいとは思わないんだよ。今はただ健康であってほしいと望んでる。その点、沙奈子が健康なのは間違いないから、安心してるんだ。


いまだに僕の前でも平気で裸にもなる彼女ではありつつ、じろじろ見ることはしないようにしつつ、おかげで健康的な様子なのは見た目からも分かるのは助かってるかな。



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