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僕に突然扶養家族ができた訳  作者: 太凡洋人
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二千百二十七 SANA編 「自分が納得できる」

四月二十四日。日曜日。雨。




『新型コロナウイルス感染症』の件については、また感染者が増えてきているらしい。その所為で、今日から京都でも三度目の緊急事態宣言が出されることになった。それに合わせて水族館もまた休館するそうだ。でも沙奈子は、そういうこともあると予測してデザインを確保してあった。実は昨日のうちに行ければよかったんだけど、一真かずまくんと琴美ことみちゃんのことがあったから、やめておいたんだ。


だけどそういうことも含めて、デザイン案を確保できていたのは幸いだったと思う。当面は水族館のアカウントがアップする動画とかを見てアイデアを得ることになるとしても、それが納得いく出来にならなくてもここまでで作った案とも合わせて検討できるよね。


これも、『備えあれば憂いなし』ということだろうな。小さな会社だからこそその辺りは臨機応変に対処できるというのもあるのか。


そして同時に、僕たちの間では、一つのアイデアが持ち上がっていた。


沙奈子が十八歳になった時点で正式に『SANA』の社員になって、僕の扶養から外れるということだ。でも同時に、大学なり専門学校なりに行くのもアリだということにはなってるんだ。そのためのサポートは、『SANA』として行う。『SANA』にとっても沙奈子のスキルが高められるのは益になることだからね。


一方で、『新型コロナウイルス感染症』の件については、僕たちとしてはこれまで通り感染症対策を続けるだけだ。いろいろ言ってる人はいるし確かに政府の言ってることも完全には信用できないけど、感染症対策自体は他の感染症に対しても有効だと思うし、今のところはってことかな。


他の人は関係ない。僕たちは僕たちの家族を守るためにそれをするだけなんだ。


人間の歴史上、何度もパンデミックがあったことは事実だし、その度に世の中が大変になったことがあったのも事実だと思う。今回のことだってたまたま僕たちが生きてる間に起こったっていうだけでしかないと考えれば、『そういうもの』としか感じないよ。


この世っていうものがすべて自分に都合よくいくなんてことはそもそも有り得ないんだから、こういうことが起こったって何も不思議はないんじゃないの?。『その中で自分はどう生きるか』ってだけの話だよね。『自分の思い通りにならないから許せない!』なんてしてたら、生きてること自体が不幸だと思う。だって、いつかは死ぬんだから。


そういう『思い通りにならない世の中』で、ほんの少しだけでも自分で選んだ自分が納得できる生き方を、沙奈子にはしてほしいんだ。



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― 新着の感想 ―
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