ネタバレ少なめ第一部のあらすじ
第二部スタートの前に、EAST東京2050第一部のか~んたんな内容紹介です。
2019年11月、群馬の高校三年生富岡清十郎は大学の面接試験を受けるために上京し、そこで交通事故に遭遇する。
病院で清十郎の意識が戻ると、そこは2050年2月だった。
清十郎は、自分の肉体が大島晃という別人のものであることに気付く。大島晃は同じ高校三年生だが、小柄だった清十郎よりは一回り大きな体を持っていた。
その肉体に大島晃の意識は欠片もなく、以前からの自分の体のように動かすことができた。
しかし異常な状況で目覚めた意識は容易にその事態を受け入れられず、精神は疲労し、ベッドで眠って過ごす時間が長かった。
永益と名乗る担当医師により、大島晃の体は約50年もの長期間仮死状態にあったことを知らされる。
大島晃は1981年生まれで、肉体年齢は70歳に近い。しかし50年間仮死状態のまま保存され、実質的には意識を失った17歳の頃の肉体を維持していた。
何故そんなことになっているのか、清十郎は少しずつこの世界の秘密を知る。
主治医であるドクター永益と看護師の岩見美鈴、そして精神科医の山野澪の三人の尽力により、清十郎は徐々に本来の力を取り戻す。
だが、この世界は清十郎の知っている2019年とは別の歴史を持つ、異世界であった。
20世紀の終わりに人類が絶滅の淵にまで追い込まれ、辛うじて復興した未来都市。並行世界の2050年に清十郎は転生していた。
清十郎の中には、アオと名乗る専属のアシスタントAIがいた。だがそれは一般的な人工知能ではなく、この世界で初めて生まれた機械生命だった。
それは大島晃の損傷した肉体を、機械と特殊な生体材料で再生したドクター永益のサイボーグ化手術の副産物として偶然に誕生した、世界唯一の、自然発生した機械知性である。
大島晃本人は、左目と右腕、そして両足を機械に置き換えた手術の後も覚醒しなかった。
その代わりに、プロジェクトが終了して再び肉体が眠りについてから8年後の2050年になって、突然富岡清十郎の意識がそこへ転移した。
覚醒して富岡清十郎と名乗ったものの、それ以外の事情を周囲に明かすことは躊躇われた。仕方なく、清十郎は記憶を失くした大島晃として生きる道を選ぶ。
自分の中にいるAIをゴンと名付け、二人は協力して活動を始める。
この世界は、ノストラダムスの大予言と同じ1999年の7月に、落下する隕石と多くの怪獣の襲撃により全人口の95%が失われた世界だ。
51年後の今、世界人口はやっと2倍に増えた。しかし、怪獣による執拗な襲撃は今も絶えない。
偶然に襲われた怪獣を未知のサイボーグ能力により倒したことで、清十郎は怪獣を討伐する世界組織USM東東京支部の討伐隊にスカウトされ、上野を拠点に怪獣と戦うことになる。
だが入隊早々にやらかした不始末で一週間の自宅謹慎を命じられ、前途は多難だった。




