三長編 破戒の海
重武装の輸送船に一人の魔女がかかわったことにより、世界が変わってしまう長編小説。
矢久が自作の代表作を挙げるとしたらこの作品となる。自分ではその後も含めてこれ以上の作品は描けてない気がするが、まぁそれは、恐らく今までで一番の長編作品でもあるからだと思う。34万文字完結作品。
この話を描いたきっかけは、司馬遼太郎作品『坂の上の雲』の実写作品(NHK)の中で扱われていた日本海海戦が、動画としてyoutubeで編集されていたのを見て、「あーこういう大砲描いてみたいな」と思ったこと。まぁぶっちゃけyoutubeの作品は著作権法違反なんだろうけども、おかげで代表作を生むことができた。
ちなみにその時につかわれていた曲が久石譲の『Stand alone』という曲だったおかげで、破戒の海の自分的テーマソングも同じものをイメージしている。この作品が映画化されたら「このシーンでこの曲使いたい!」というのがあって、実際そのシーンでこの曲かけながら読むと、自作品なのに泣ける(大笑)。
ちなみに描いてみたかった戦艦同士の対戦だが、ある程度描いた後気づいたことがある。
戦艦同士の戦いとなれば、存在するのは大口径の主砲による、遠距離での撃ち合いとなる。……ま、これはいいとして、逆に言えば、「それしかない」。
このことは海戦の表現に差をつける上で、かなり苦心した点だった。例えば剣技なら八方向から斬って突いて、柄頭で殴ることもできるが、主砲はひたすら撃つしかないので、バリエーションに困る。私の作品にガンアクションがほぼ皆無なのも、同じ理由なのだが、とにかく攻撃手段の少ない武器ほど、変化をもたらすのは難しい。
なにせ34万字なので出せるコンテストがないのが致命的だったのと、3000字くらいに分割して二日に一回アップをしても、完結まで半年かかった。
つまり長くて利用価値もなく、時間もかかったが、アップしている間、熱狂的に楽しみにしてくれるもいたため、アップするのは楽しかった。
この作品、書籍化したら大ヒットしませんかね。正直、俺、ツボなんですけど……(笑)。




