長編 絡み合った夕陽の向こう
結婚式でケーキ入刀したら花嫁が違う人になってた話
矢久の現在(2021年7月時点)の最新作となる。6月29日に完成し、その日のうちに『日本ファンタジーノベル大賞』というコンテストに応募された。12万文字完結作品。
だから当然本作はファンタジー作品ということになるが、なぜかこの『日本ファンタジーノベル大賞』というのは、純粋なハイファンタジーが採用されないコンテストであるため、まるでディズニーランドのように「気がつけば夢の世界に招待されていた」という要素を持って"ファンタジー"としている。採用されるかは知らんけど。
背景として最近ミステリーを多く読んでいて、「つまり一作品内で、一つのゲームが形成されてるな」と思ったことにより、ゲームを脳内で企画した。
そしてゲームであるというシチュエーションを絡めやすい要素に、結婚式の余興というシチュエーションがある。私は何度か他人の結婚式の余興を手伝ったが、その都度、その時間枠を一つのストーリーと捉えシナリオ作りをしたのを思い出し、「何でもあり」のインスピレーションが沸かせやすい環境を作り出した。
ちなみに、矢久の描く物語に、絶望的な終わり方をするものは少ない。存在しない、か……?
すべてとは言わないが、ほとんどが誰かが何らかの希望を吐き、物語が最後上を向いて終わる。……ここで勝手な哲学を吐くけど、今まで長い時間かけて読んできた読者の視線を最後の最後でうつむかせてしまって、何のエンターテイメントかと思う。世の中本当に最後もやもやした気分で読了したい読者なんて存在するのか。
そういう哲学があるいは創作家としての弱点なのかもしれない。それでも、基本的な傾向としてそのような流れを、私はきっと、これからも創っていくだろう。




