短編 彼の呼吸に抱(いだ)かれて
これは死んだあなたが贈ったラブレターです
……というテーマで、物語を創ってほしいというカクヨムの自主企画に合わせて描いたもの。
様々な条件があった。
・ジャンル不問。
・一万文字以内、一話完結。
・題名は「これは死んだあなたに贈るラブレターです」をもじる
他諸条件
1、幼馴染
2、年齢中学生位(推奨で大人でもOK)
3、男の子(女の子も可)が何かの事故で死ぬ
4、初めて気づく彼(彼女)への思い
5、気が狂うほどのむなしさ
6、その思いをラブレターに
7、ほんのちょっとの奇跡
知らない人の立てた自主企画だったし、乗る義理はなかったのだが、気持ちの中で袋小路の底なし沼にハマった矢久が
「自分はいったいどれくらい、人の要望の答えられるんだろう」
ということを試すいい機会だと思ったために参加。
当時の題名は「もじれ」ということで、
『これは死んだあなたに贈るキャブレターです』
だった。
キャブレターは、知らない人もいるかもしれない、かな。
一応説明しておくと、車のエンジンはガソリンと空気を混合させて爆発させるのだが、その空気を導入するための装置がキャブレターである。今の車にはついていないが、単車なら多分今もついていると思う。(もう乗らなくなってから久しい。スクーターは知らない)
本人は感激してくれたのか、とても長いお礼を書いてきてくれた。できた作品にある程度満足してくれたのだと思う。よかった。
こういうことを物書きの仕事としてやっていくのはどうだろうとも、ほんの少し考えている。価値観が多様化している出版不況の今、あるいは作家として生き残る一つの方法かもしれないとか思っているが、まぁ価格設定やね。問題は。
10万文字を描きなさいと言われたら、内容にもよるが、三ヶ月はほしい。
じゃあ三ヶ月一つの仕事にかかりきりになるとすれば、あなたはいくらならやりますかって話になる。30万でやる人いる?……って話になるわな。
月10万円換算、すると30日換算で一日3300円ちょっと。アルバイトの最低時給に届くかも怪しいだろそれ。
てか逆に、こういう仕事をバナナの叩き売りみたいな安値で引き受けちゃうのが日本文化だったりもするから、結局長い目で見ればビジネスにはならないのかもしれないね。
日本は文化や知的財産に金を出さない。作家にとって、不利なステージだよな……。日本語ってすごい小説に向いていると思うのにもったいない。




