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二長編 主人公無き戦争の物語

 滅び逝く国を護る人間たちの生き様を描いた物語


 いや……なんか、今までの作品をこのようにまとめてみると、つくづく矢久の畑はラノベじゃないんじゃないかと思う。しかし一般文芸というには、ちょっと子供っぽい感じもして、自分の居場所はどこへやら……と悩む。


 とりあえず、この作品は、第二次世界大戦における日本の責任を追及した東京裁判の様子をドキュメントで見て創造した世界である。

 小難しくなく、できるだけ噛み砕いてというのが矢久のエンターテイメント精神だが、そうして完成稿を見ると、「ライトノベルなんじゃないか」と思えてしまう。まぁしかし『武州名物新鮮組!』がライトノベルじゃないなら、矢久の書き口は、噛み砕いていてもライトノベルじゃないといえるのかもしれない……が……。

 いや、描き口は限りなくライトなんだよ?自分じゃそう思ってるけど。

 ちなみに自己評価的には『破戒の海』以来の出来だったのだが、某ラノベ賞では一次さえも通らなかった。ならば……と、現在一般文芸の賞にエントリーしている。19,5万文字完結作品。


 実際東京裁判は"戦後"であるため、当初は負けたあとの人間たちの感情と模様を描こうと思ったのだが、(自分の中で)エンターテイメントとしての作品として疑われたので、敗戦直前における敗戦国のあがきから物語は起こされた。

 なお、主人公無き……と書いてあるが、これは戦争を語るのに主人公なんてあるものか……と思っているため。この作品は敢えて主人公を挙げるなら、戦争が主人公なのだと思う。

 そういう考え方ではキャラクター重視のライトノベルには通用しないのかもしれないが、まぁ、登場人物もしっかり生きていたと思うんだけど……。


 いずれにせよ『破戒の海』に並ぶ矢久の代表作は何かと問われれば、現在はこの作品を挙げたいファンタジー作品。

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― 新着の感想 ―
[一言] 「主人公無き戦争の物語」について ふふふ、私も読みながら「これはライトノベルなのかな?」と思わないではない。(笑) 明らかなファンタジー作品はそうとしても、メッセージ性の強い作品については…
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