短編 ジンルイノホマレ
不審死が多発する日本で、量子人工知能を通した捜査に苦悩する男の話。
これを描いていた矢先、日本はコロナの大騒動となった。
その、コロナの原因はなんなのかみたいなのを絡めることのできるタイムリーな作品だったが、今コロナについて描いて採用される賞はないだろうという考えから、その要素は除外。しかしあるところで「今のコロナってそういうことじゃないの!?」とかこじつけられちゃえる、やっぱりタイムリーな話。(あくまで自己評価)2万文字完結作品。
タニー、ホマレという人工知能(AI)を相手に人間が葛藤する姿は、おそらくコンピューターを相手に葛藤する物語として、真新しいものではない。しかし、このような人工知能が実際国の根幹を握るようになった時、やはり考えられるのではないかという対決である。
作中「お前らの考える、良い日本とはなんだ」と問いかけるシーンがある。
良い日本とは何か。なにを行うことが、日本にとって良いことなのか。
本当は、今年、オリンピックについてこういうメッセージ性の強い作品が描きたかった。しかし、私が何かを主張する前に日本中でおなかいっぱいの議論がされてしまっているので、何を描いてもいまさら感だなと思い断念。
なんというか、時代が時代なら思想犯に祭り上げられそうな作品も、描こうと思えばかなり描けると思う。だけど同時に、そういう作家になりたいなら、もっともっと勉強しないとな……。




