二長編 ~メルピアットより愛を込めて~
ヒロインに向かないエルフが一目ぼれをしてみたら、その男との因縁が神話レベルで深かった話。
『小説家になろう』に就職(?)したあと、「恋愛要素を含むファンタジー作品」が募集されていたので、「じゃあハイファンタジーを描いてみよう」と思って描いた作品。エルフが出てきて精霊が飛び交って、剣士が舞い、神が啼くという、いかにもファンタジー。18万文字完結。
恋愛作品なのでラストは主人公とヒロインの慕情を描いているが、なぜか二人は互いで死闘を演じている。そのコンテストがどう見ても女性向けであり、妹や嫁の少女漫画をたくさん読ませてもらった私としては、「コレジャナイ感」しかただよわない作品を描いてしまった。いやいや、女流作家さんの描く恋愛の繊細さは、男には出せないよ。少なくとも俺には無理だ。
これも『小説家になろう』のコンテストのためだったので掲載されたが、反響はほとんどなかった。とはいえ、コアに熱狂的な支持者が数名アツいお便りをくれたため、全然駄目な作品ではないのだろう。いや、手前味噌に言わせてもらえば、結構面白いと思うよ?
私があまりハイファンタジーを描かないのは、物語の人物を描くのに、亜種族である必要性があまりないところだ。例えば精霊使いにしたってエルフである必要がなく、エルフでなければ考えない倫理観みたいなのを考えるほど、私は亜種族に興味が無い。
ただ、同作品はぶっちゃけヒロインの母親と同世代の男とヒロインが青臭い恋愛(笑)をしなければならなかったため、いつまでも若いままのエルフというのは都合がよかった。トロールが森を襲ったり、悪巧みの妖精が手のひらサイズにコンパクトだったからこそ描けた作品だったので、「なるほど、ハイファンタジーはこのようにつかうのか」と思ったのを覚えてる。




