19話 善郎の戦い3
遅くなりました
天正5年
鷺森御坊を落とし、本願寺派の寺を屈服させた善郎たちは雑賀城に総攻撃を仕掛けていた。ここでなんとか雑賀城を陥落させることができたが、鈴木孫一に逃げられてしまった。
「ここ落としたが、こちらも損害が大きい。ここでうかつに攻め上がるのは危険だな」
「善郎殿、ここはまず三好殿と合流するためにこの城で待つべきかと思います」
「確かに池田殿の言うとおりだ。誰か!三好殿に合流するようにと使いを送れ」
「はっ」
そんな善郎たちに一向一揆の軍勢4万が接近していると知らせが入った。善郎率いる織田軍は先程までの戦いで負傷を多く出しており、数で不利だった。しかし4万と言っても農民の集まりで戦の素人である、そのため完全に不利とは言えない。
善郎たちはまず雑賀城に籠城した。一向一揆の軍勢は城を包囲し、数に任せて攻めてきた。
それを善郎たちは難なく退け続けた。そこから約二時間後、一揆軍の背後に三階菱に釘抜の旗を掲げた軍勢ー三好義継の率いる援軍がやってきた。
三好は一揆軍に突撃し、一揆軍はその攻撃を受け混乱し、そこに城に籠もっていた善郎たちも打って出た。一揆軍を前後から潰すように攻撃していく。
それにより一向一揆は壊滅した。
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ある場所に数人の男たちが集まっていた。
「一向一揆は負けたようだな、これからどうするか…」と壮年の男は、告げる
「織田家の村山善郎という者から寝返るようにと書状が届いています」
若い男がそう伝える。
「鷺森御坊が落ち、寺が屈服し、一向一揆が壊滅し、我が居城も落とされた。雑賀衆はこれで終わりじゃ、早めに寝返ったほうが織田での地位が高くなる」
「しかし、他の郷の者は徹底抗戦を唱えているようですが…」
その若い男の言葉に壮年の男は、不敵に笑いながら言う。
「いや、そちらの方が我々の価値が上がる。では孫一、お主は使者として織田軍のところへ行って来てくれ」
「はっ」
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雑賀城
「その方が「雑賀党の鈴木孫一と申します」してこちらに付きたいと申すか」
「していかがですか?」
「うむ、雑賀党を向かい入れる。雑賀党がこちらに付けば百人引きだ、頼むぞ。お主の父にも伝えてくれ」
「はっ、こちらこそよろしくお願いします」
雑賀衆を率いる立場にある、雑賀党の鈴木親子が織田に寝返ったことで紀州征伐が大幅に有利になった。
そして善郎は3万の軍勢を率いまず中郷に向かった。そして中郷の者たちは織田軍を見るなり直ぐに降伏した。
残っていた、雑賀の土橋などが降伏しょうとしてきたが、善郎はそれを許さずその者たちを攻め切腹に追い込んだ。
これにより雑賀衆は織田に屈服した。
その上で善郎は紀伊南部に侵攻した。
だが雑賀衆が織田に屈服した影響で、紀伊の国人たちは抵抗らしい抵抗もせずに織田に恭順してきた。
そして紀伊を完全に制圧し、善郎は戦後処理の為に2ヶ月紀伊に滞在したあと信長が居る安土城に向かった。
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