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第九十二話「争いの始まり」

 いつも読んでいただきありがとうございます。


 本作はこれにて第一部完という形で終了となります。今まで応援ありがとうございました。いつもの1.5倍ほどのボリュームとなっております。最後までお楽しみください。


 どちらとも取れず生徒や保護者達は意見が割れる。片や確かに当事者達による証言や告発ではあるが、しかしそれは九条家の圧力や何らかの方法によって言わされている可能性が否定出来ない。出て来た内容はあまりに九条家に都合が良すぎる。


 人というのは一方の潔白があまりに綺麗に証明される時に何故か疑う。普通ならば潔白が証明されたならばそれを信じるものだが、あまりに綺麗にはっきりと証明されてしまうと逆に怪しいと思って疑うものだ。


 それに当事者や証人とは言っても物証はなく口で説明しているだけにすぎない。しかもその証言者のほとんどは小学校一年生という子供だ。その証言もどれほど正しいのかと大人が疑ってかかるのも無理はなかった。


 対して今の放送は内容こそ判然としないが、それでも九条咲耶が萩原紫苑に何か問い詰め、泣かせている場面であろうということは推測出来る。壁新聞に書かれている音声データを入手というのは今の放送のことだろう。


 もちろん音声も編集や切り貼りしている可能性は否定出来ない。そもそも今流れた音声だけでは具体的に何の話をしていたのかははっきりとせず、証拠としては不十分と言わざるを得ないだろう。


 しかし……、それでも……、人は信じたい情報を信じる。それが合理的であるか、論理的であるか、客観的であるかは関係ない。自らが先に触れた情報、九条咲耶が悪であると信じたい者にとってはその放送内容は『ほらみろ!』という証拠に感じられるのだ。


 生徒や保護者を巻き込んであちこちで論争が巻き起こる。一見それは最早収拾のつかない大混乱かに思われた。だが……。


「はいはいっ!静かに!しーずーかーに!」


「「「「「…………」」」」」


 パンパンと手を叩きながら壇上に戻ってきた近衛夫人の声によって場が静まる。マイクが切られておりどうすれば良いかわからなくなっていた茅や薊達に代わって、再び近衛夫人が前に出た。


 近衛夫人が壇上からチラリと講堂の二階奥にある窓を見る。そちらからのサインを確認して頷いた。


「はい。いいわね。今の音声はこの壁新聞にも書かれている『音声データを入手』というものでしょう。ですが今のものは編集・加工されています。私は未編集の生の音声データを入手しました。それも聞いてもらうわ」


 近衛夫人がそう言って再び放送室に視線を送る。するとまた音声が流れ始めた。


『どうしてお呼びしたのか……。わかっておられますよね?萩原紫苑さん』


『わかりませんね!何故私が貴女に呼ばれなければならないんですか?九条咲耶さん』


『わかりませんか?ではお聞きしましょう。貴女は何故リレーの時に錦織柳君を突き飛ばしたのですか?』


『なっ!?……何のことだかわかりませんね』


『そうですか……。わかりませんか……。私としてはただ貴女の真意をお聞きしたかっただけなのですが……、貴女が白を切るのでしたら……、当家で撮影されていた映像を公開して公の場で追及せざるを得ないことになりますがよろしいですか?』


『…………え?』


『当家では……、私がリレーにエントリーしていたために多くのカメラが回されておりました。当然私にバトンが渡る前です。レース全体を撮るためにいくつものカメラが様々な角度からその瞬間を狙っておりました。ですのではっきり映っているのですよ……、貴女が錦織柳を突き飛ばした瞬間が……。それでもまだ知らぬ存ぜぬと申されますか?』


『そっ……、それは……』


『だっ、だって!しょうがないじゃない!あいつは、あいつは近衛様を倒すって馬鹿みたいに言いふらしてたのよ!近衛門流の錦織家が!萩原家の分家でしかない錦織家が!そんなことをして近衛家に目をつけられたら萩原家だって潰されちゃう!だからあんな奴あんな目に遭って当然なのよ!私は悪くない!私は悪くない!うわぁぁ~~~んっ!』


『近衛伊吹はリレーで抜かれたからなどということで怒って門流を追い出したりするような者ではありません。むしろ貴女がそうやってレースを妨害したことに怒るような者です。貴女は近衛門流でありながらそんなことも理解していないのですか?』


『うわぁぁ~~ん!ひっぐっ!うぇ……、ああぁ~~~!』


『はぁ……。私から無理に責めるつもりはありませんが……、せめて……、自分の仕出かしてしまったことの重大性くらいは自覚して欲しいものです……』


 放送が終わると同時に、再びザワザワと講堂が騒がしくなる。今度の音声データは不自然に音が切れたり、聞き取れなくなっているということがない。自然に流れている会話で音も非常にクリアだった。先ほどの音声と違ってこちらが本当の会話だろうというのは疑いの余地がない。


 そして音声データが終わると近衛夫人が再び二階の放送室に合図を送った。壇上のスクリーンに映されたのは運動会の映像。九条咲耶が言っていた通り、明らかに意図的とわかるほどに錦織柳の妨害をして転ばせている萩原紫苑の姿が映っていた。


 運動会の映像。会話の音声データ。これまでの当事者や証人たちによる証言。そのどれもが矛盾なく繋がっている。明らかに客観的な、誰が見ても信じるに足るだけのデータが揃っている。


 全校集会は最終局面に向けて加速していく。




  ~~~~~~~




 咲耶と紫苑の会話の音声データが流される少し前、講堂二階の放送席では静かな戦いが行なわれていた。学園の関係者がコントロールしていた放送室に黒服の男達が押し入ってくる。もみ合いの末に関係者達は押さえ込まれ縛られると黒服たちが機材を動かし始めた。


 壇上にいる者達のマイクを切り、放送に切り替えて編集された音声データを流す。黒服たちはうまくいったとニヤリと笑い合う。しかし……。


「――ッ!?」


 お互いにニヤリとしていたうちの一人が、突然ドサリと倒れる。それが何事であるのか把握する前にもう一人の男も体をくの字に折り曲げて倒れこんだ。何が起こっているのか理解出来ない最後の黒服が気を失う前に見たのは黒装束の影だった。


「ふむ……。こんな者らの排除は依頼に含まれておらんぞ。後で追加料金を請求せねばなるまいな」


 黒装束がボソリと呟く。明るい場所でその姿を見れば、全身を黒装束に包み、頭巾を被って顔まで覆っている、いかにも忍者という風体に見えるだろう。否、事実その姿は忍者そのものだ。


「本来なら近衛の依頼であろうが何であろうが、最早こちらの仕事は請けぬつもりではあったが……、馬鹿弟子のためなら止むを得まい」


 くっくっくっ、と笑いながらその黒装束は機材を操作していく。黒装束のニンジャは近衛家からとある依頼を請けていた。それは壁新聞に書かれている『音声データを入手』というものの、未加工の生のデータと、リレーで萩原紫苑が錦織柳を意図的に転倒させている場面がはっきりわかる映像の入手というもの、そして、もう一つ未加工のとある映像データの入手だった。


 敵の情報は依頼主である近衛が集めてくれていたのでそれらの情報を入手してくることはそう難しくはなかった。ただ、いざそのデータを流そうと放送室にやってくれば、まさかの展開で敵の手の者と戦いになってしまったのだ。


 縛り上げた敵の手の者を見下ろしながら、黒装束はいくら追加料金を請求しようかと頭を悩ませていた。


 壇上に出て来た近衛夫人の合図に合わせて機材を操作し、生の音声データを流す。そしてタイミングを見計らい今度は運動会での映像を流した。これにて黒装束の仕事は完了だ。後は敵の手の者が逃げないように監視しつつ、自らは人に見つからないように隠れておく。


 駆けつけてくるのが敵の仲間なのか、学園の関係者なのか、黒装束の依頼主達の関係者なのか。それによって証人ともなり得る倒した男達の扱いが変わってくるからだ。最後にそれだけ見届けようと隠れた黒装束は、やがて誰にも見つかることなくいつの間にかその場からいなくなっていたのだった。




  ~~~~~~~




 音声データによって運動会での出来事はほぼ九条家側の主張が正しいであろうという方向に話は流れていく。しかし、九条家を貶めたい者にとってはそれで終わりというわけにはいかない。最後の抵抗とばかりに別の話へと流れていく。


 確かに運動会においてはその通りかもしれない。しかし大人達に相談することもなく萩原紫苑を裏で脅していたことや、それを壁新聞に書いた桑原桂に暴力を揮い退学に追い込んだ。その事実は変わらない。九条咲耶は危険だ、という風に話をシフトさせていく。


 それを聞かされては『確かにそれはそうだが……』というしかない状況だった。


「皆さん、それでは最後にもう一つの映像を観ていただきましょう」


 マイクが戻った近衛夫人がそう言って再び二階放送室に合図を送る。二階ではすでに黒装束はいなくなっているが、黒装束が置いていったもう一つの映像データが流される。


 占拠された放送席には学園の関係者と近衛の関係者が揃ってやってきた。だから黒装束は近衛の関係者にわかる場所に頼まれたもう一つのデータを置いてその場を去ったのだ。転がされている黒服たちは両方の関係者によって確保されたので逃げられる心配はない。


『九条咲耶!』


『え?』


 流された映像。それはこの学園の玄関ロビーの映像だった。同じ場面の別々の映像が二種類。一つはロビーにあった防犯カメラからの映像。そしてもう一つは九条咲耶が桑原桂に暴行したとして流された映像の未編集の映像だった。


 もともと暴行映像として流されたものにはいくつか重要な場面が抜けていた。最初に何故そういう事態になったのか。最初から最後まで通しての場面はなく、不自然に編集されいかにも九条咲耶が一方的に襲い掛かったかのように編集されていた。


 しかし今流された映像は、防犯カメラと編集に使われたカメラの両方の映像が最初から最後まで揃っている。両方の映像から矛盾もないためにこれこそがその場で起こった事実であろうと推測出来る。


 ただトテトテと歩いている九条咲耶に、桑原桂がいきなり襲い掛かる。それを華麗に往なし、転ばせて制圧する。その手際は見事の一言であり、相手を無用に傷つけることなく、最少の動きと被害で完全に制圧している。それはまるで防犯訓練の先生のお手本のような華麗さだった。


 そこに何の悪意も害意も感じられない。純粋に身を守った以上のことは何もしていなかった。そして駆け寄ってくる兄との心温まるやり取り。周囲の反応や、それに対する不満。


 恐らくではあるが周囲で煽るようなことを言っていた者もこの件を仕掛けた者の手の者だろう。でなければあまりにタイミングが良すぎる。それにあまりに一方的な非難であり、全体を通して見ている者にとってはあまりに不自然すぎた。


 その相手に対してつい声を荒げてしまったのは九条咲耶の落ち度でもあるが、それは小学校一年生の子供であれば止むを得ないだろう。


 本当は一年生だからではなく、それまでに散々似たようなことを繰り返されており、鬱憤や不満が相当に溜まっていたがための我慢の限界だったのだが、それはこの映像からではわからない。


 この映像が流されて……、まだ九条咲耶が悪いと言う者は一人もいなくなっていた。中には不満がある者や、出来ればもっと九条家の評判を落としたいと考えている者もいるだろう。しかしこの場で、これだけの証拠を並べられて、まだそんなことを言えば自分が逆に非難されてしまう。それくらいは弁えているので誰もこれ以上九条咲耶を非難しない。


「ここまではこの子達が、九条咲耶ちゃんを救いたいと頑張ってくれた成果よ。そして……、ここからは大人の話です。そもそも何故このようなことになったのか。実行犯は桑原桂という生徒ですが……、今回は桑原桂と桑原家に命令を下した人をお呼びしたのですが……、桑原家は現れず……」


 近衛夫人の話が続き全員が集中する。もう退学処分を受けている桑原桂や桑原家は今日呼び出しても現れることはなかった。しかし、近衛夫人が言うにはその桑原家に指示を出していた者がいるということになる。


「桑原家に命令を下していたのは……、洞院とういん家とその息子、五北会メンバーの洞院青木あおき


 ザワザワと、一気に講堂が騒がしくなる。洞院家は七清家に準ずる家格を持ち、六年生になる青木は五北会のメンバーに入っている。洞院家は西園寺家の分家にあたり、七清家には数えられていないがその家格は同等とされている。そんな者が何故……、というのが保護者達の困惑の原因だった。


「なっ、何を証拠にそのようなことを!」


 そして、今日この保護者も集めた全校集会にも参加していた洞院家が立ち上がり抗議する。まさかここまでのことになるとは思っておらず、近衛家に呼ばれたにも関わらずのうのうと自らの席で座って静観していたのだ。


「証拠……。証拠ですか……。ありますよ?もちろん。子供達に見せるものではありませんが……、あなた達が意図的に桑原家を没落させ、借金の肩代わりと引き換えに今回の騒動を起こさせたこと。また騒動後に資金も融通していますね。そのお金の流れも掴んでいます」


「そっ、それは同じ門流として桑原家を救うために……」


 洞院家がしどろもどろに言い訳を繰り返す。しかし近衛夫人の言葉とちらつかされている証拠のために強く出れない。もしその証拠をしかるべき機関に提出されたならば洞院家は様々な容疑で家宅捜索され、場合によっては逮捕されるだろう。様々な法律に引っかかる証拠が多数あり、洞院家にとってはあまりに致命的だった。


「また……、桑原家からの証言で洞院家に唆されて行なったことだという証言も得ています。今回現れなかったのは、来なかったのではなく、来れなかったのではないですか?あなた達が身柄を押さえているのでは?」


「うっ、ぐっ……」


 洞院家は何も言えない。完全に詰みだ。この後様々な機関に証拠が提出され家は潰れるだろう。これはこのようなことは絶対に許されないという五北家や学園の強い意思の表れだ。


「今回の件については……」


「近衛、九条、鷹司、この三家の連名をもって処分させていただきます」


 近衛夫人の後ろから鷹司夫人と九条夫人が出てくる。最早異論は一切許されない。この三家がすでに決定していると言っているのだ。それを覆す方法は最早ない。


「洞院家はお家お取り潰し。会社も全て近衛、九条、鷹司に関わる会社との取引は一切取りやめます」


 講堂が静まり返る。あまりに重い罰に全員が震え上がる。この宣言は実質的に社会的に抹消されたことを意味する。今後どうしようとも、もう二度と洞院家が浮上することはない。お家お取り潰しといっても実際に名前を取り上げたり追放ということはないが、実質的に最早永久に上流階級には戻れないことを宣言された。


「さぁ……、咲耶ちゃん、こちらへ」


「あの……」


 近衛夫人の呼びかけにおずおずと壇上に九条咲耶が上がってくる。その姿は先ほどまでの映像にあったような凛々しい姿ではない。困惑し、そして弱っているか弱い乙女そのものだった。


 壇上にあがった咲耶は茅や薊達七人と向かい合う。お互いにどこか気まずいような、声をかけたいけどどうすればいいかわからないような……。そんな空気の中向かい合っていた。


「貴女達、何してるの?」


「いえ、あの……」


 この一週間咲耶を無視し続けてきたことに負い目を感じている七人は視線を彷徨わせて固まっていた。近衛夫人がそのフォローをしようと今回のことを説明する。


「咲耶ちゃん、この子達はね、私の所に咲耶ちゃんを救うために力を貸して欲しいと直談判しに来たのよ。そして咲耶ちゃんと接触を絶っていたのは私の指示なの。相手が策がうまくいっていると思うように、相手の隙を突いて決着させるためにね。そのためにこの子達は毎日駆けずり回って証人を説得してまわってくれたのよ」


「皆が……?」


 顔を上げた咲耶は七人を順番に見ていく。しかし七人はそれでも気まずそうに視線を泳がせるだけだった。


「咲耶ちゃんも苦しい思いをしたと思うけど……、皆のことを恨んでいる?」


「いいえ……、いいえっ!恨んでなんていません!ありがとう……。皆さんありがとう」


 その場で、咲耶は涙を流しながら蹲った。


「咲耶ちゃん!」


「咲耶様!」


 蹲った咲耶に皆が慌てて駆け寄る。


「ごめんね咲耶ちゃん。ごめんねぇ……」


「咲耶様にあのような仕打ちを……。許していただけるとは思いません。ですが……」


「皆……、いいの……。いいの。ありがとう。ありがとう」


 涙を流しながら、しかし咲耶のその顔は晴れやかだった。確かに涙は流れてはいるが、その顔は年相応の少女の笑顔で、皆も泣きながら笑って抱き締めあっていた。


「皆……、大好きです」


「咲耶様ぁ!」


 泣きながら微笑むその美しい笑顔に、そして透き通るような美しい声で発せられた言葉に、薊達は咲耶に抱きついて泣きながら笑い続けた。


「綺麗……」


「可愛い……」


 その様子を見せられてた生徒や保護者達はその美しい姿に心を奪われる。こんないたいけな少女達に対して自分達は一体何を考えていたというのか。大人の汚い争いに、醜い心で彼女達を見ていた。彼女達はそんなこととは無縁の純粋無垢な美しい心をしているというのに。自らの身を省みずお互いがお互いのために尽くせる少女達だというのに……。


 誰が撮ったのか、八人が涙を流しながら笑い合い、抱き締めあう。その美しい写真はやがてポスターにされ、藤花学園の歴史に残る素晴らしい一枚として長く語り継がれることになったのだった。




  ~~~~~~~




 舞台袖で、少女達が抱き締めあう姿を見詰めながら、近衛、九条、鷹司の夫人達は微笑み、しかしその表情を引き締めてお互いに目配せし合った。


「今回は……、宣戦布告という所でしょうか……」


「そうでしょうね。とはいえ宣戦布告のために七清家に準ずる洞院家をいとも容易く使い捨てるなんてね」


「今回向こうは洞院家、桑原家の二家を失ったわ」


 三人は真剣に話し合う。しかしその表情は優れない。この三家が集まってもそう簡単な相手ではない。それも今回の騒動から考えてこれから相手は本気で動いてくると予想される。


「いくら近衛に次いで二番目に門流が多いとはいえ、七清家格の家を失うのは相当な損失のはずですが……」


「それよりも九条様、咲耶ちゃんの身の回りは大丈夫なのですか?」


「……ええ」


 近衛夫人の心配に九条夫人は気をつけていると答える。しかし……。


「桑原家も、洞院家も、そして洞院家の本家筋である西園寺家も……、まだ他にも……、一条門流は咲耶ちゃんの周りにまだいるでしょう?」


 今回の騒動の関係者は全て一条門流……。下の家が勝手に他の五北家に喧嘩を売るはずがない。つまり……、今回の真の黒幕は一条家……。物的証拠はないが、今日集まった保護者達も全員がそのことに気付いただろう。


 これは……、一条家と近衛、九条、鷹司による五北家同士の争いの始まりを意味する。


「確かに咲耶の周りには一条家所縁の者がいます……。ですが……、心配には及びません……」


 そう答えながらも、九条夫人はこれからの争いのことを考えて講堂の天井を仰いだのだった。





 はい!四月一日です!




 エイプリルフールです!


 もちろん明日以降も続きます!引き続き応援よろしくお願いします!

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― 新着の感想 ―
やっぱり椛も絡んでるのかな?皐月とお出かけの時に椛を言いくるめる伝手があるってありましたし
[良い点] なんとなくで最初から読み直してみたけどそうか、ここから千何百話と続く一条vs他四家同盟が始まったのか…なんか感慨深いな…
[一言] うう………これで完結で終了なんて悲しいです(棒)  なお物語的には実際に第1部完!といわれても良い感じのところで終わっている模様。  というかお母様達かっこいいですね本当!これはドサクサ…
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