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ご主人様とゆく異世界サバイバル!  作者: リュート
異世界の森でサバイバル!
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第021話~幹部四人のなかで一番怖いのは間違いなくアイツ~

遅刻しました! ゆるしてください! なんでもしま……しませんけど!_(:3」∠)_(腹出し降伏

「午後は壁を建築するのか」

「んぐっ……うん、多分十分な量のレンガブロックが集まったと思う。足りなかったらまた採取して作るしかないけど」


 口の中のものを飲み込んでからシルフィに返事をする。本日のシルフィと俺の昼飯も難民達と同じメニュー。今日は何かの獣のモツを数種類の野菜と一緒に甘辛く炒めたものをハンバーガーのようにパンでサンドしたものだ。午前中にシルフィや難民の有志が狩ってきたものらしい。肉の方は捌いてから少し時間を置いたほうが美味くなるので、今晩か明日食う予定だとか。


「姫殿下、聞いてほしいことがある」

「うん? なんだ?」


 アイラの突然の申し出にシルフィは首を傾げた。今まで落ち込んでモソモソとモツサンドを齧っていたのに、急にどうしたんだ? とでも思っているのだろう。俺もそう思ってる。


「コースケがこの世界の人間ではない、と皆に単純明快に証明する方法を思いついた」

「……ほう?」


 片眉を上げて興味深げな表情を浮かべるシルフィだが、俺としては『???』といった感じである。まぁ、確かに全員に信じてもらうには時間が掛かるだろうし、単純明快に証明できるならそれに越したことはない。この世界の人間ではないということが証明できれば俺に対する反感も随分と落ち着くことだろう。


「奴隷の首輪を自分の手で外させれば良い」

「それは……」


 シルフィが絶句する。ダナンもメルティも驚いたような表情をしているし、キュービも……いや、キュービは呆れたような表情だな? 他の三人とはちょっと違う。


「そんな事しようとしたら身体が動かなくなった上に首が絞まって死んじまうだろ?」

「問題ない。コースケには魔力が無い。少ししか無い、とかでなく全くない。だから、奴隷の首輪は一切機能していないはず」

「? どういうことだよ? ちゃんと首輪はしてるぜ?」


 キュービが俺の首を指差す。確かに、俺の首には首輪が嵌っている。革と金属でできた滅茶苦茶頑丈そうなやつだ。


「嵌ってるけど、効いていないはず。奴隷の首輪は着用者の魔力を吸い上げ、一種の魔法回路を作る。作動すると頭からの指令が首輪より下にある身体に伝わらなくなって動かなくなる。同時に吸い上げた魔力で首が絞まる。でも、コースケにはそもそも魔力が無い。着けたその時から、コースケにとってその奴隷の首輪はただの頑丈な首輪でしかない」

「……そうなのか? コースケ」

「いや、知らんがな」


 魔力とか魔法回路とか言われてもわからんし。


「姫殿下が何か命令してみればいい」

「ふむ……ではコースケ、主として命じる。服を脱げ、全てだ」

「なんでそのチョイス!? いや、どうしても脱げってんなら脱ぐけどもう少し穏便なのにしろよ!?」


 こんなところで脱いだら幹部の四人だけじゃなく難民の皆さんにまで俺の裸がフルオープンになるだろうが! 俺に露出癖はねぇよ!


「ほら」

「うおぉ、マジか」

「これは、驚きましたね」


 アイラがドヤ顔をし、キュービとメルティが驚きの表情を浮かべ、ダナンとシルフィは絶句している。なんだ……ってそうか、今の話の流れからすると拒否った時点で俺の身体が動かなくなって首輪が絞まってないとおかしいのか。思えば今までさっきみたいに明確な形でも『命令』ってあんまりしてないんだよな、シルフィ。してたとしても、それを拒否った記憶がない。だからシルフィも気づかなかったんだろう。


「驚いたな。コースケ、本当に効いていなかったのか?」

「そうだな。少なくともこの首輪が勝手に絞まったりしたことはないな」


 シルフィに今まで言われたことであまりに理不尽なものはなかったから素直に従ってたし、そもそもあまり命令された覚えがないぞ。


「ということは、自分で首輪も外せるんですか?」

「え? まぁ外せると思うけど……」


 メルティの質問にそう答えてシルフィに視線を向けると頷いたので、俺は首元の首輪を弄って外そうと試みる。構造がよくわからんな……ああ、このベルトをこうしてこうか。

 ちょっと苦労して首輪を外す。うーん、久々に空気に触れる首筋が少し爽快。この首輪、つけててもあんまり不快じゃなかったのは幸いだったな。痒くなったりしてたらもっと早い段階でこの事態が発覚してたんだろうけど。


「奴隷の首輪が効いていなかったというのに、何故お前は姫殿下に何もしなかったのだ?」


 珍しくダナンが俺に話しかけてくる。何故って言われてもなぁ。ナニはしたけど。


「何もってのはシルフィに危害を加えるってことだよな? そりゃそうする理由が一つも無かったからだよ。シルフィは俺の命の恩人だぞ? 俺を保護してくれてるっていうのに恩を仇で返すわけがない。第一、俺がシルフィの寝首を掻いて何になるって言うんだよ?」


 保護者をわざわざ殺すとかどう考えても詰む未来しか無いだろ、常識的に考えて。というか、寝首を掻こうにもそんな害意を持ってシルフィに近づいたら寝首を掻く前に首をねじ切られそうだぞ。

 俺の返答を聞いたダナンは何かを考え込むように黙りこくってしまった。よくわからんが、彼も彼なりに考えることがあるんだろう。


「これならば確かにコースケさんが聖王国とは何の関係もない人間だと信じてもらうこともできそうですね……コースケさん、壁はいつになったらできそうですか?」

「え? やってみないとわからんけど、レンガブロックが足りれば明るいうちに終わると思うぞ。多分二時間か三時間くらいじゃないか」


 資材の調達は終わっているわけだから、後はポンポンとブロックを配置するだけだ。かなり広い範囲に壁を作らなきゃいけないけど、それでもそれくらいあれば終わるだろう。


「そうですか。ではそれくらいのタイミングでコースケさんが奴隷の首輪が効かない稀人であるということを大々的に発表しましょう。壁ができてからならコースケさんがその力を自分の意志で私達のために使っているということも主張できるでしょうし」

「ふむ……そうだな。壁を完成させた時点で一度全員を集めて演説でも打つか」

「はい、それが宜しいかと。手筈は整えておきます」


 なんだかトントン拍子に物事が決まっていく。まぁ、俺としても身の安全を図れるようになるわけだし言うことはなにもない。是非やってくれ。


「それじゃあ。食い終わったしとっとと壁を作ってくるぞ。一応範囲とかも確認したいから、誰かわかるやつを寄越してくれるか?」

「俺が行こう」


 立ち上がってそう言うと、ダナンが立候補してきた。シルフィに視線を向けると頷いたので、俺も頷く。


「あー、じゃあダナンさん? よろしく頼みます」

「ダナンで良い。俺もお前をコースケと呼ぶ。言葉遣いも普通で良い」

「……そうか? ならそうさせてもらう」


 なにか思うところがあったのか、ダナンの態度が急に軟化したな。まぁ、俺にとっては良いことだ。ダナンは四人の幹部の中でも発言力が一番大きいようだし、険悪であるよりは余程良い。

 俺はダナンと連れ立ってその場を離れ、昨日レンガブロックと設置した場所へと向かった。


 ☆★☆


「デッデッデデデデッ、カーン、デデデデ!」

「なんだ、その変な曲みたいなのは」

「作業用BGM? まぁ様式美みたいなもんかな?」

「理解できん……」


 ですよね、わかります。ネタも通じなければただの奇行である。悲しいなぁ。とはいえ作業そのものは殿下のテーマを脳裏で再生していたせいか順調である。単調な作業に脳内BGMは必須だよな。


「それにしても、早いな」

「俺の能力はこういうのに向いてるからな。直接戦うのにはあまり向いてないと思うけど」


 実際にまともに戦闘を一回もしていないからわからんけどね。俺本来の動きにコマンドアクションを組み合わせたら相当トリッキーな動きができるから、武器を扱う練習をすれば初見殺しにはなるかもしれない。

 攻撃を放ちながら滑るように前進すれば見た目以上に『伸びる』攻撃になるだろうし、足を動かさずに滑るように移動すれば攻撃の間合いも掴みづらいだろう。まぁそういうのは置いておいて、だ。


「概ね出来たな。門は……これでいいか」


・金属で補強した大扉――素材:木材×40 機械部品×6 鉄インゴット×8


 鍛冶施設で作ることができる建材の中に良さそうなものがあったので、サクッと作成する。設置モードにすると、ある程度大きさを調整できるようだ。鉄製の閂もセットになっていて超お得な一品である。


「凄まじいものだな。お前の能力なら一夜で砦を築くことも出来るのではないか?」

「事前に十分な資材を確保しておけば出来ると思うぞ。無から有を生み出してるわけじゃないから、結局補給の問題はある」

「それでも、お前の能力なら大量の物資を運ぶことができるのだろう?」

「まぁな。戦術的、戦略的に考えてとても有用な奴だぞ、俺は。だから気合い入れて守ってくれよな」

「ふん……確かにその通りだな」


 おお、ダナンがデレ期に入ったか? ムキムキマッチョマンのデレとか誰得って感じだが、見るからに強そうなやつに有用性を認めさせられたのは大きいな。俺の生存率が上がるから。




 その後も壁の建造を続け、ついに魔法畑区画と難民区画を囲むレンガブロックの防壁が完成した。完成したと言ってもまだ(仮)な出来栄えだけど。今はまだ高さ、厚さ、共に2mの壁でぐるっと覆っただけだからな。これから壁の上に防御設備を作らなきゃならない。


「そう言うわけで、意見が欲しいんだが」

「意見か。そう言われても、俺はお前がどんなことが出来るのかがわからんぞ」

「あー、そうだよな。とりあえず俺のイメージだと、城壁の上にはこういうのがあるイメージなんだが」


 と、そう言って俺は木の棒で地面に城壁のイメージ図を簡単に書く。ほら、城壁の上ってなんか凸凹してて、そこに身を隠して矢を撃ったりするじゃん? そう言うのを絵に書いて説明する。


「なるほど、狭間胸壁か。確かに、弓などで攻撃をするなら身を隠す胸壁は必要だな」

「狭間胸壁って言うんだな、これ」

「城壁上に設置され、そこで防衛を行う兵を守る背の低い壁を胸壁と言う。矢などを射掛けられるようにへこませた部分を狭間といって、狭間が設けられている胸壁を狭間胸壁と言うんだ」

「へー、そうなのかー」


 実にわかりやすい説明である。ダナンは筋肉モリモリマッチョマンだが、教養もあるようである。近衛兵って言ってたっけ? 王族の傍に仕える近衛なら教養もあって当然なのかもな。


「じゃあ、こういう感じで良いのか?」

「そうだな。作るなら外側だけでいいぞ。内側に作ると、城壁を占拠された場合に利用されかねんからな」

「あいよ。あとは防壁に上がるための階段も要るよな」


 階段を作り、狭間胸壁をバンバン設置していく。それにしても占拠されたら、か……ギズマが占拠することは無いと思うが、きっと聖王国の連中がこの里まで押し寄せてきた時のことを考えているんだろうな。

 その後もダナンのアドバイスを受けながら防壁の仕上げをしていく。ダナンのアドバイスで大きく手を入れたのは門付近だ。やはり門が構造的に一番脆いので、それを防御できるように門の両脇に防御塔というか、櫓のようなものを建てた。この櫓には防壁よりも多くの人員を配置できるようになっていて、門を攻撃してくる敵に向かって激しい攻撃を加えられるようにしてあるのだ。

 こんな感じで大体防壁が出来上がってくると、昼から狩りか何かのために外に出ていた難民やエルフ達が帰ってきては防壁を見て絶句する、という光景が見られるようになってくる。

 ものの二時間くらいで作り上げたからね、これ。何も考えずに積むだけだから楽勝だ。いつの間にか難民の見物人達もかなり増えていて、ちびっこ達なんかは俺とダナンの後をついて回っている。きっと良い暇潰しになってるんだろう。


「できた!」

「そうだな……各部の点検は必要だと思うが、概ね出来たな」


 防壁というものはどこかに穴があったら何の意味もなくなってしまう。俺が作った部分は問題ないと思うが、既に作ってあった部分はどうかわからん。最悪、俺の作ったレンガブロックに置き換える必要があるかもな。

 ダナンが部下に指示を出し、各部の点検を命じる。うん、こういう作業は人海戦術が一番だよな。俺とダナンの二人で回ることもないだろう。報告があればそこに向かえば良い。

 そうして点検の報告を待っているとメルティを伴ってシルフィが現れた。アイラはいないな。昼飯食ってからは俺にくっついて不条理コールもしてないし……飽きたのかな? なんだかちょっと寂しい気分だ。


「出来上がったようだな?」

「ああ、なかなかの出来だと思うぞ」


 壁も分厚いし、ギズマの攻撃だってきっと何の問題もなく受けきれるはずである。


「では、演説を始めるとしようか」


 シルフィが笑う。うん、そのニヤリって感じの笑いはやっぱりシルフィらしいな。


 ☆★☆


 難民達が集められていた。ちらほらと里のエルフの姿も見える。難民はともかく、エルフの方は完全に野次馬だな。まぁいいけども。

 出来立てほやほやの防壁の上に立ったシルフィが首を巡らせて難民達を見回す。俺はというと、その斜め後ろに控えている。難民達を見下ろすような場所に立つのはまずいんじゃないかと言ったのだが、良いからここに立っていろと言われた。大丈夫かなぁ。

 そうやって心配しているうちにどうやら難民達は概ね集まったらしい。難民達の後ろの方でメルティが合図をしてくる。それを見たシルフィは何事か呟いてから精霊石の嵌ったブレスレットをつけている方の腕を振るい、話し始めた。


「諸君の協力もあって防壁は完成した。出来上がった壁は厚く、強固だ。ギズマが押し寄せても何の心配も要らないだろう。私はそう確信している」


 普通に喋っているはずのシルフィの声が妙にクリアに聞こえる。どうやら精霊魔法で何かをしたようだ。声を遠くまでクリアに聞こえるようにする魔法かな?


「その目で見ていた者も多いだろうが、この短時間でこれだけの防壁を作り上げたのはひとえにこの男、コースケの力によるものである。諸君は疑問に思っていることだろう、この男は何者なのかと」


 難民達の視線が集まってくる。うーん、高低差があるからそれほどでもないけど、同じ高さでこんなに視線が集まったら囲まれでボコられ駆けた時のことを思い出すところだったな。あれは怖かった。


「この男は、この世界の人間ではない。稀人という言葉を知っているものはいるか? 神や、精霊などの導きによってこのリースとは異なる世界から極稀に迷い込んでくる異世界の住人だ。この男、コースケはその稀人である。この世界の人間に似た見た目をしているが、彼らとは何の関係もない異世界人だ」


 シルフィの宣言に難民達はどよめいた。そりゃいきなりそんな事言われても困るだろう。稀人という存在のことを知っている人ならばそんなこともあるのだろうか? と思うかもしれないが、そうでない人にとっては法螺話にしか聞こえないだろうしな。


「信じられないのも無理はない。コースケはどこからどう見ても人間だからな。だが、異世界人であるコースケは魔力をその身に宿していないのだ。全くの、ゼロだ。この世界のありとあらゆる生物は魔力を宿しているのは諸君らも知っての通りである。我ら亜人も含めた人族は勿論のこと、動物、魔物、植物、ほんの小さな虫けらでさえ魔力を持っている。しかし、稀人であるコースケは一欠片の魔力すら持ち合わせていない。これは宮廷魔道士のアイラの魔眼によっても確認されている」


 シルフィに視線を向けられたアイラが難民達にも見えるように大きく頷く。


「だが、言葉だけではなかなか信じられないだろう。そこで、コースケの首に注目してもらいたい。そうだ、この首に嵌っているのは奴隷の首輪だ。この首輪は一度嵌められたら最後。主人以外に外すことはできない代物であることは諸君も知っているだろう」


 シルフィに目で促されたので、俺は頷いて奴隷の首輪を自らの手で外す。その光景に難民達が再びどよめいた。


「見てのとおりだ。コースケは魔力を持たないが故に、奴隷の首輪は効果を発揮しない。つまり、この世界の人間ではないという証明になる。また、稀人は何か特別な力を持つ存在であるとも言われている。コースケの持つ特別な力に関しては、今更説明する必要もないな?」


 難民達の多くが頷いた。実際、目の前に俺が作り上げた防壁があるわけだから、その点については認めざるを得ないだろう。


「この首輪が本物であるかどうか、試したいものはいないか? なに、私の言葉を疑ったからと言って罰することはない。寧ろ、皆を納得させるために是非疑ってもらいたい。我こそは、というものはいないか?」


 シルフィの言葉に数人が前に出てきた。二足歩行のトカゲのような人、下半身が大蛇の女、猫っぽい耳と尻尾の生えた大柄の女性の三人である。


「うむ、では三人に試してもらおう」


 シルフィは俺が外した首輪を手に取り、一人ずつその効果を証明していく。やはりこの首輪は本物のようで、首輪を嵌められた三人はシルフィに抵抗できなくなり、自分で首輪を外そうとすると身体が動かなくなって首が絞まるようだ。


「では、お前がコースケに首輪をつけてみろ」

「良いのですか?」

「構わん。効かんからな」


 最後に奴隷の首輪を試した大柄のネコ科女性が直接俺の首に首輪をつける。うーん、シルフィに比べるとお胸が控えめで、ワイルドな香りがする。香辛料の匂いだろうか?


「命令してみろ」

「はい。では……主として命じる、跪け」

「お断りします」


 俺は腕を組んだまま首を横に振り、命令を拒否した。そして自分で首輪を外し、シルフィに手渡す。


「俺の主は命の恩人のシルフィだって決まってるんでね」

「ふふっ、殊勝なやつだ。どれ、私が首輪をつけてやろう」


 シルフィが微笑み、俺を抱き寄せて奴隷の首輪を俺につける。うーん、やっぱりシルフィのおっぱいが一番だな。いい匂いするし。


「見ての通り、首輪は本物だ。これで信じてもらえただろうと思う。コースケは我々が憎む聖王国の人間とは全く無関係の、異世界からの客人だ。寧ろ、その力で我々を助けてくれる協力者だ。これからは皆もそのようにコースケに接して欲しい」


 難民達は戸惑うようにどよめいたが、そのうちあちこちで拍手が鳴り始めた。メルティが妙に良い笑顔で拍手をしている。あの様子だと、最初に拍手しはじめたのはメルティの手によるサクラだったんじゃないだろうか。扇動かよ! 怖いなオイ!


「皆が認めてくれて嬉しく思う。明日からはギズマに備えた防衛訓練も行なっていく予定だ。力の余っている者は積極的に参加して欲しい。以上だ!」


 拍手が更に大きくなり、歓声が上がる。とりあえず、これで難民に俺が襲われる可能性はかなり低くなったと思う。後はエルフの対応がどうなってるか確認するのと、ギズマ対策だな。

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[一言] 「……そうなのか? コースケ」 「いや、知らんがな」………安定のコウスケ節
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