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【WEB版】水魔法なんて使えないと追放されたけど、水が万能だと気がつき水の賢者と呼ばれるまでに成長しました~今更水不足と泣きついても簡単には譲れません~   作者: 空地 大乃
第八章 救いたい仲間たち

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第232話 マキアの魔法

いつも感想や誤字脱字報告を頂きありがとうございます!

 「なるほどね。つまり友だちを助けたいから実家に戻りたいけど親との折り合いが悪くてそのままじゃ家に帰れない。だから変装して家に帰りたいってわけね」

「え、えっと大体あってる、かな?」

「スピィ~」


 僕たちはザックスの姉であるマキアに会いに来たことを伝えたうえで概要をある程度説明した、のだけど何かちょっとした親子喧嘩の途中みたいな内容になってしまったよ。


 でも全体的には間違ってないから問題ないと言えば問題ないんだよね。


「姉ちゃんザックリしすぎだろ! どう考えてもそんな簡単な話じゃねぇぞ!」

「細かいわねあんたは。いいのよこういうのはなんとなくわかってれば」


 ザックスが異論を唱えるけど大した事ないと言わんばかりにマキアがザックスに答えていた。


「いやいやこんなのアクシス家に喧嘩を売るようなもんだろう。俺はゴメンだぜ。絶対に関わり合いになりたくねぇ」

「だったら帰れ。用があるのはお前の姉、お前じゃない」

「お前、それが人に物を頼む態度かよ」


 アイスの言葉に額に青筋を立てながらザックスが言い返していた。これはあまりよくないかも。


「アイスその辺で、お姉さんに頼んでるわけでザックスも関係しているわけだし……」

「そうだよアイス。ザックスも家族なんだから」

「むぅ、でも今回関係ない」

「アイス。確かにこの男は今回必要ないかもしれないが相手を尊重することも大事だぞ」

「師匠がそういうなら!」

「おいお前の姉も何か酷くねぇか?」

「あはは……」


 ザックスがジト目で僕に言ってきた。ウィン姉も思ったことをそのまま口にしちゃうことあるから――


「別に弟に気を使う必要なんてないわよ。大体こいつは見た目は厳ついくせに肝心な時に腰抜けなんだから」

「だ、だれが腰抜けだ!」

「あんたにきまってるでしょうが。それよりもネロだったわね。貴方運がいいわよ」

「え、どういうことですか?」


 何故かマキアに突然そんなことを言われた。どういうことだろう? 僕が首を捻るとマキアが悪戯っぽい笑みを浮かべて見せた。


「丁度仕事で近々にアクシス領に行く予定があったのよ。だから私の仕事仲間ということで同行してくれれば領地に入るのは難しくない筈よ」

「そ、そうだったのですか!」

「スピィ~!」


 マキアの話は確かに渡りに船と言える内容だった。スイムも僕の頭の上で喜んでくれているよ。


「あ、でも同行すると言ってもそのままじゃ……」

「勿論そうね。だからこそ私に任せなさい。この紋章に賭けて貴方達を変身させて上げる」


そう言ってマキアが右手の紋章を見せてくれた。華やかで綺麗な紋章だなと思ったよ。


「ふむ。初めて見る紋章だな。一体どんな紋章なのだ?」

「これは美容の紋章よ。珍しい紋章だから見たことなくても仕方ないかもね」


 そう言ってマキアが得意がった。美容の紋章――確かに初めて聞いたよ。


「そしてこの紋章があるからこそ私はこんな魔法が使える――美容魔法・美容具召喚!」


 マキアが高らかに魔法名を告げた。すると彼女の前に様々な道具が出現したよ!


「す、すごい。何か色々出てきたよ」

「うむ。見たところ色々な化粧品も揃ってるようだな」

「スピィ?」


 眼の前に並んだ道具の数々にエクレアは目を瞬かせ、ウィン姉は興味深そうに道具を見ていたよ。スイムは何だろうという顔をしてるね。


「えっとこれで何を?」

「言ったでしょう? 貴方達を変身させるって。ふふっ、特に貴方」


 言ってマキアが僕の顎に指を添えた。


「貴様! 私の愛弟に気軽に触れるとはどういうつもりだ!」

「落ち着きなさい。これから化粧をしていくんだから肌の状態の確認は必須よ。でも貴方、良い肌してるわね~うふふ、とても弄りがいがあるわ」


 そう言って妖しい笑みを浮かべるマキア、な、なんだか一抹の不安を覚えるんだけど――

いよいよ明日10月11日から一二三書房の漫画レーベル『コミックノヴァ』にて本作のコミカライズ版が連載開始されます!どうぞ宜しくお願い致します!

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