表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【WEB版】水魔法なんて使えないと追放されたけど、水が万能だと気がつき水の賢者と呼ばれるまでに成長しました~今更水不足と泣きついても簡単には譲れません~   作者: 空地 大乃
第七章 Cランク試験への挑戦

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

175/295

第173話 頼りになる仲間

 レイルに攻撃が通じない原因、それはわかった。だが問題はレイルの持つ紋章の特性をどう打破するかだった。


 冷静に考えればエクレアにとってレイルとの相性は最悪だ。レイルは土の鎧さえ纏っていればエクレアの攻撃は通用しない。


 だが逆に言えば、土の鎧さえなんとかできればレイルを倒すことは可能だということでもある。

しかしエクレアは未だに、どうやって土の鎧を処理すべきか思いついていない。


「どうした! 分かった風なことを言っていた割に防戦一方ではないか!」

 

 レイルの攻撃を捌きながらエクレアも所々で反撃するが、効果は薄い。電撃が効かないにしてもせめて鉄槌で鎧さえ破壊できれば、そんなことを考えていたその時だった――ドゴッ! といつもと違う重たい衝撃。


「何ッ!?」


 思わずレイルが飛び退いた。その表情に曇り。見ると鉄槌が当たった箇所が砕け罅が入っていた。


「馬鹿な。俺の土武装の強度は完璧な筈だ!」


 動揺するレイル。一方でエクレアも今の手応えがなぜかを考えていた。そして――思い出した。


「そうかスキルジュエル――」


 そう。エクレアは現在腕輪に会心のスキルジュエルを嵌めていた。これは攻撃した際に防御を無視し威力を跳ね上げることがある――今まさにその効果が発動したのだ。


「これはチャンスね!」


 エクレアがレイルとの距離を詰めにかかる。


「武芸・爆砕戦斧!」

 

 しかしレイルが斧を振り下ろすと地面が爆散し、砕けた土塊が周囲に拡散した。土煙によって視界が悪くなり衝撃でエクレアの動きも一瞬とまってしまう。


「まさか武装が砕けるとはな。だがこれもすぐ修復できる!」

 

 視界が確保されると既に距離を取っていたレイルが叫んだ。見ると確かに徐々に砕けた箇所が修復されている。


「間に合わない――」

  

 エクレアが呟いた。この距離では装甲の修復までにエクレアの攻撃は届かない。悔しそうに歯噛みするエクレアだったが、そのとき茂みから何かが飛び出しレイルの装甲に掛かった。


「何だ? 水だと?」

「スピィ!」


 茂みからスイムが顔を出していた。スイムが水を放出してレイルに掛けたのだ。


「この雑魚が!」

「スピィ!」


 レイルが怒鳴るとスイムがすぐに茂みの中に隠れた。レイルが憤っていた。そしてそれをみたエクレアが、フフッ、と笑う。


「貴様何がおかしい!」

「スイムも頼りになる仲間だって改めて思ったのよ。ありがとうねスイム」


 隠れたスイムに向けてお礼を言いつつエクレアが鉄槌を握りしめる。


「いくわよ」

「ふん。もう装甲は直った。何をしたかしらんが二度と同じ真似はさせんぞ」

「大丈夫。もう会心が出なくても――ダメージは通る!」

 

 エクレアが疾駆し、一気に距離を詰め雷を纏わせた鉄槌を振るった。しかしレイルも流石に直撃は避け掠った程度に終わった。


「甘い。こんなもの食らわなければ――グァアアァアアァアアア!」

  

 得意がるレイルだったが直後、レイルの全身がバチバチと弾けその口から悲鳴が漏れた。


「ば、馬鹿な。一体何が――」


 片膝を付きレイルが再度、正面のエクレアを睨む。しかしレイルの表情は困惑に満ちていた。


「どうやら何がおきたかわかってないようね。貴方の欠点は自分の能力をよく把握してないことよ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ