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【WEB版】水魔法なんて使えないと追放されたけど、水が万能だと気がつき水の賢者と呼ばれるまでに成長しました~今更水不足と泣きついても簡単には譲れません~   作者: 空地 大乃
第六章 Cランク昇格試験に向けて

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第108話 旧アクア鉱山探索②

「セレナから離れなさい!」

「ゲコッ!?」


 エクレアが飛び込んでいきセレナにまとわりついたカエルを叩きのめした。


「「ゲコ~ゲコ~!」」


 でもまたカエルの魔物が増えた。僕も黙ってはいられないね。


「水魔法・水槍連破!」

「「「「「ゲゴッ!?」」」」」


 水の槍を連射してカエルの群れを片付けていった。これでとりあえず最初の魔物は倒せたよ。


「セレナは大丈夫?」

「顔はまだ青いけど意識は戻ったようね」

「うぅ。ごめんなさいどうしてもカエルとかトカゲは……」


 セレナが頭を垂れて申し訳無さそうにしていた。でもあまり気にしすぎても良くないね。


「誰にでも苦手な物はあるよ。その分僕たちがサポートするから」

「そうね。パーティーは支え合わないと!」

「スピィ!」


 励まそうと思って話しかけるとエクレアとスイムも一緒になってセレナに温かい言葉を投げかけてくれた。


「そうね私もサポートするけど、ただ意識を失うのだけは危険だからそこは頑張って欲しいかな」


 フィアはセレナに手を貸して僕たちのようにセレナを気遣ったけど同時に注意点も伝えていた。

  

 セレアはフィアと付き合いが長いから忌憚ない意見が言えるんだろうね。


「うん……ありがとうフィア。私ももっと成長しないと……」


 セレナもしっかりフィアの言葉は受け止めているよ。表情を引き締めたよ。


 そして僕たちは探索を再開した。


「このあたりはあんな魔物が多いのかな……」

「うぅ、大丈夫一度見てるから……次は耐えてみせます」


 ランタンで照らしながらセレナが自分に言い聞かせるように口にした。


 可能ならセレナに見せる前に倒していきたいところだね。


 それからしばらく歩いても魔物と遭遇することはなかった。


 それは良かったけど今のところ魔石も見つかっていない。


「あのカエルは出なくなったね」

「スピッスピィ~」


 周囲を警戒しつつエクレアが言った。スイムもいないね~と同調しているように思える。


「もしかしたら元は臆病な魔物だったのかもね。そんなに強くなかったし」


 フィアが私見を述べた。なるほど確かに強さで言えば大したことはなかったかな。


「アァ……」

「ウ、ア、ア、ァァ――」


 そんなことを思っていたら周囲から唸り声のような物が聞こえてきた。


 不気味な声だよ。これって……。


「キャッ!」

「わっ!」

「スピッ!?」


 エクレアが僕の肩に飛びついてきた。スイムも驚いているよ。


「これ――ゴーストよね」

「はい。私の出番ですね!」

 

 最初の話にも出ていたけどこういったアンデッドもやっぱりいたんだ。ゴーストは実態のない魔物だ。半透明で基本直接的な攻撃はしてこないけど周囲のものを浮かばせて飛ばせてきたり中には魔法を使うタイプもいる。


 他にもこのタイプは奇妙な能力を持つことが多いみたいだ。


 そんなゴーストたちが不気味な声で囁いている。


「皆さん耳を塞いでください! この声は相手に恐怖心を植え付けます!」」


 セレナに言われ僕は耳を塞いだ。エクレアも悲鳴を上げながら耳を塞いでいる。


 フィアも落ち着いているけどしっかり耳を塞いだね。


「スピィ……」


 スイムも器用に耳を塞ぐような感じに変化した。こんな状況でもしっかり可愛い……。


「生魔法・生の息吹――」


 フィアが魔法を行使。この魔法本来なら治療系の魔法なんだけど相手がアンデッドの場合ダメージを与えることが出来るんだ。


「「「「ウァ、ア、ァ、ァッ――」」」」


 周囲のゴーストがうめき声を上げながら消えていった。良かったセレナの魔法がしっかり効いたようだね――

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