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まのわ ~魔物倒す・能力奪う・私強くなる~  作者: 紫炎
ブラックフォレスト編

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第三百三十七話 息子を知ろう

 風音が作成したマッスルクレイと黒岩竜、ベアードドラゴン等の素材を用いて生み出された義手『シンディ』。

 補助腕サブウェポン巨人の御手ジャイアントアームや未だ実戦での使用のない仕込み粘着剣などの仕掛け等もあるが、その最大の特徴はやはり遠距離から凄まじい破壊力の砲弾を打ち出す雷神砲レールガンになるだろう。

 その強力無比な武装については、東の竜の里で冒険者ギルドから受けていた魔物狩りのクエストにより知れ渡っており、死霊王ヨハンと同時期にジンライもランクS候補に上がっていたのである。

 そして、ハイヴァーンのギルドマスター代理はドラゴニュートシティの冒険者ギルドより報告を受けて承諾しており、ツヴァーラの冒険者ギルドマスターも王家からの報告もあって同様に承諾していた。さらには保留としていたミンシアナのギルドマスターも今回のマッドスパイダー討伐によりジンライのランクS入りを承諾したことで、ついにはジンライがランクSに指定されることとなったのである。


(ランクSというのであればワシよりもカザネの方であろうに)


 ジンライはそう心の中で悪態をつく。

 確かに『魔王の威圧』や『メガビーム』などを考えれば風音の方こそランクS対象であるだろう。だが、神竜皇后である風音の情報については神竜帝ナーガやライノクス大公の意向もあってハイヴァーンの冒険者ギルド内でも特秘扱いとなっていたのである。そのため、風音はランクS候補に上がっていなかった。

 そうした事情もあるし、ジンライもわざわざ身内の手札を明かすような間抜けでもない。なので口から出そうな言葉をグッと飲み込んで、ムスッとした顔でソファーに深く座り込んだのだった。ランクSは昇格ではなく指定。攻撃性の少ないヨハンは推薦を受けて自分で成るか否かを決められたようだが、ジンライの雷神砲レールガンは危険度が高く、冒険者ギルドを抜ける以外に断ることは出来ない。


「ランクSねえ」


 風音も昨日にそのことは聞いていた。

 ランクSとなった場合に与えられる権限は少なくない。具体的に言えば、まずは冒険者ギルド支部長クラスに準じる命令権を持つことが出来、冒険者ギルドの施設などがフリーで使用でき、情報開示権限も高いクラスまで持てるという。

 また形式上はランクAの上に位置するため、クエストの依頼難易度フリーとなる。ある程度の自由が許され、ある程度の権限が与えられる。だが、同時に義務が発生するかと言えばそうでもない。諸々の権限はその人物をギルドにつなぎ止めておく為の特典に過ぎないのである。

 同時に要監視対象ともなるが、実力の高い者がそうであるのは別段おかしな話でもなく、そもそも白き一団に関して言えば今更であるとしか言いようがない。どちらかといえば監視していることを周囲にアピールすることで、外部に対応していると伝えて安心させる意味合いの方が強かった。

 故にランクSとは義務を強要されるランクAとはまったく違うものなのだが、だがジンライは気に入らなかった。自身の戦闘力が認められてのランクSならば喜びもしようが、義手の能力だけでランクSと指定されたのである。釈然としないのも無理はない。


「ふん。まあ、なってしまうものは仕方がない」


 ジンライはため息をつきながらそう答えた。義手『シンディ』は今やジンライの一部である。それが認められたことは喜ばしいことであるには違いないと考え方を切り替えることにしたのである。

「そう言っていただけると助かります。正式なギルドカードの発行は王都シュバインでギルドマスターより手渡されることとなりますので、王都でお受け取りください」

「承知した」

 不機嫌そうだったジンライが落ち着きを取り戻して頷いたのを見て、モーロックも安心したようである。ランクSとはつまり街一つ破壊できる能力を持つ者である。そんな危険人物の機嫌を損ねるのは、それだけで恐ろしいものであったのだ。

 その横で風音が言葉を挟む。

「ギルドマスター……って、あのエルフの人だったっけ?」

 ミンシアナのギルドマスターには風音も黒岩竜討伐依頼を受けたときなどに顔を合わせたことがあった。

「ああ、そうだが……ふむ。カザネは知らなかったのか?」

「え、何が?」

 首を傾げる風音にジンライが「いや、確かに直接言ったわけではなかったな」と口にして話を続ける。

「ミンシアナのギルドマスターはルイーズ姉さんの息子だ。名をルネイ・キャンサーという」


「あんですとーー!?」


 風音が目を丸くして叫ぶが、ジンライの表情をみる限り嘘ではないようだ。そのジンライの言葉に、モーロックも補足する。

「ええ、身内がいるパーティと言うこともあり、ギルドマスターもジンライ殿のランクS承諾を渋っておられたようですね。それも今回の件で認めることとなったようですが」

 衝撃的な事実であった。

「ルイーズ姉さんの子供は皆優秀な方々ばかりだからな」

「あーまあ、その話は聞いたことあるけど」

 実際、ハイヴァーンの前大公が息子さんだったりしているわけである。

 他にも7人も子供がいるらしいが、みなお偉い人だったり、強い人だったりしているとは少しだけ聞いていた。ルイーズ曰く、種を厳選して産んだ結果だそうである。コネを自分で生産する恐ろしいビッチお姉さんであった。

 もっともルイーズは子作りだけでなく、生まれた後は成人までは熱心に子育てにも励むらしく、風音としてもタツオを育てる参考にしたいぐらいの良い母親のようである。

 ともあれ、ルイーズの子供については今回は特に本題でもないので、その話題は特に広がらなかった。


「それと、これはギルドカード書換申請をしていただければいつでも記入可能ですが、白き一団の方々には今回の件で称号が与えられます」

「あーそういうのもあるんだ」

 風音にとってはリア王以来である。実際にはそれ以降にも称号をもらえるくらいの活躍はしているのだが、その多くが非公開対象に近いものなので、残念ながら称号は増えてはいなかった。


「『解放者リベレイター』。魔物に侵略された地域を開放した者に与えられる称号です」


 それは本来であれば10~100単位のパーティでの掃討作戦の中で相当に活躍した者たちのみに与えられる称号である。そして今回の風音たちの活躍はそれ以上のものであるとの判断があったようである。


「それって、なんか特典があるの?」

 風音の問いにモーロックが頷いて答える。

「ええ、そうですね。冒険者ギルドでの討伐報酬などとは別に国から褒賞金が与えられます。現時点では今回の件の脅威度などの内容は精査中ですので、金額については後ほどのご報告となりますが」

 といってもジンライのランクSは確定しているため、脅威度が高いと判断されたのは確実ではあった。

「後はそれだけのことを成した名誉と、各街や各国でも一定以上の信用が与えられますが、それはここまでカザネ様が得られた称号とは大差ないかもしれませんね」

 風音が討伐によって得た称号はオーガキラー・ドラゴンスレイヤーに今回の解放者リベレイターの3つである。ダンジョン内のドラゴンを倒したドラゴンスレイヤーは脅威度という点では低いため、解放者リベレイターはオーガキラーと同格というところだろうか。

 元々このクラスの称号を与える条件というのは、魔物を討伐した数ではなく、人々への脅威の度合い、国への損害や損害推定によって測られる。

 オーガキラーについては、狂い鬼の群れは直接街を狙ってきたために脅威度は極めて高かった。それに対し、魔狼討伐はあくまで魔物のテリトリー内でのことだったためにそうした話は上がらなかったようである。

 そうしてみると今回は魔狼討伐に近い形だが、マッドスパイダーが生息地域を移動し侵攻してきたという点と虫系統の魔物の繁殖力をふまえれば、ミンシアナ王国軍が対応する必要性があるケースではあった。単独パーティでの討伐ということもあり、今回、解放者リベレイターの称号が妥当と判断されたようである。

 なお、ドラゴンスレイヤーの称号については、黒岩竜はダンジョン内にいて脅威度という点では低かったため、本来は与えられるものではなかったとのことである。それをジーク王子の成長などの国への貢献が認められてたために、特例で風音たちは与えられていたという事情があった。



 そして、その後にモーロックから出てきたのはまだ鑑定中の素材の換金や魔物討伐報酬、それとクエストの依頼報酬の上乗せについての話であった。

 鑑定自体は本日中に、結果については明日には連絡が付くそうで、風音たちはまた明日に冒険者ギルド事務所へと足を運ぶこととなったのである。

名前:由比浜 風音

職業:召喚闘士

称号:オーガキラー・ドラゴンスレイヤー・ハイビーストサモナー・リア王・解放者リベレイター

装備:子供用お洋服・カボチャパンツ・不思議なポーチ・紅の聖柩・英霊召喚の指輪・叡智のサークレット・アイムの腕輪・蓄魔器・白蓄魔器・虹のネックレス・虹竜の指輪・天使の腕輪

レベル:38

体力:152

魔力:340+420

筋力:72

俊敏力:78

持久力:43

知力:75

器用さ:51

スペル:『フライ』『トーチ』『ファイア』『ヒール』『ファイアストーム』『ヒーラーレイ』『ハイヒール』『黄金の黄昏[竜専用]』『ミラーシールド』

スキル:『キックの悪魔』『戦士の記憶:Lv2』『夜目』『噛み殺す一撃』『犬の嗅覚:Lv2』『ゴーレムメーカー:Lv4』『イージスシールド』『炎の理:三章』『癒しの理:四章』『空中跳び:Lv2』『キリングレッグ:Lv3』『フィアボイス』『インビジブル』『タイガーアイ』『壁歩き』『直感:Lv2』『致命の救済』『身軽』『チャージ』『マテリアルシールド:Lv2』『情報連携:Lv2』『光学迷彩』『吸血剣』『ハイ・ダッシュ』『竜体化:Lv2[竜系統]』『リジェネレイト』『魂を砕く刃』『そっと乗せる手』『サンダーチャリオット:Lv2』『より頑丈な歯:Lv2[竜系統]』『水晶化:Lv2[竜系統]』『魔王の威圧』『ストーンミノタウロス:Lv2』『メガビーム:Lv2』『空間拡張』『偽銀生成』『毒爪』『炎球[竜系統]』『キューティクル[竜系統]』『武具創造:黒炎』『食材の目利き:Lv2』『ドラゴンフェロモン[竜系統]』『ブースト』『猿の剛腕』『二刀流』『オッパイプラス』『リビングアーマー』『アラーム』『六刀流』『精神攻撃完全防御』『スパイダーウェブ』『ワイヤーカッター』


弓花「マッドスパイダーの討伐報酬や換金はシジリの街で良いのね」

風音「そうだね。ミンシアナ王国からの褒賞金は王都シュバインでになりそう。後でゆっこ姉に聞いてみないとね」

弓花「それで、ハガスの心臓移送の報酬もシュバインにある冒険者ギルド支払いなのよね」

風音「依頼受けてから終わるまでに三ヶ月以上かかったよ。長かったよねえ」

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