表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
まのわ ~魔物倒す・能力奪う・私強くなる~  作者: 紫炎
オダノブナガ編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

275/1136

第二百六十五話 回収をしよう

「オッパイが増えた」

 風音は複乳になった。『オッパイプラス』、それは訓練された高度な特殊性癖の紳士のためのスキルのようだった。オプションでオッパイを何対にするかが選択可能となるが風音が選択したのは涙を流すことだけである。そして風音は誰かに見られる前にそのスキルをそっと解除した。二度と触れまいと心に誓って。


 そうして風音は手に入れたスキルを確かめた後、そのままグッタリと横になって眠りについた。そのそばではジンライが同じようにぶっ倒れて寝ていた。ピクリとも動かない。弓花やティアラに直樹も横になっておる。

 他の仲間たちはここにはいないが、だが疲れは感じているようだった。戦闘への参加をほとんどしていなくとも、あの修羅場をくぐれば精神的に疲労しても仕方がない。しかし直接的な戦闘参加がほとんどなかったライルたちはタツヨシくんらを引き連れて今は外に出ている。それは地面に転がっているオダノブナガたちの素材回収と死体の処分のためである。

 あのクラスの魔物が放置されてゾンビ化したり、この近辺の魔物たちに肉を食われて進化でもされてはかなり危険なことになる。早急の対応が求められていたのだ。


 ともあれ現在の状況だが、オダノブナガ種との戦闘からはすでに1時間が経過していた。風音は戦場となった街道の横にコテージを呼び出して、一階のリビングを開放し休憩ルームとして用意した。その場所でジンライや直樹などの疲労・負傷組は寝かされ、それ以外のメンバーは素材回収に出ていた。

 もう昼から夕方に変わりつつあるし、後ほどレーゲンの大樹の様子も見に行く必要がある。なので今日は村には戻らず、ここに泊まることを決めていた。


 そして、パーティのメンバーではないクロエも回収メンバーとして外にでてエリミネイトモンキーの皮を剥いでいた。クロエもジンライの姉だけはあって度胸の据わった女性ではあるが、それでも限度というモノはある。もう今日のうちにどれほど自分が驚いたことか覚えていないが、それでもさきほどのいきなり家が降ってきた光景にもまたまた驚かないわけには行かなかった。もう訳が分からない。夢であった方がまだわかりやすいだろう。

 またそれより程度の落ちる驚きではあるが、今皮剥ぎ用に使用している複数の黒いナイフの切れ味も凄かった。なんでも以前に倒した竜の牙を加工したモノらしいが鋼の剣すら通さぬエリミネイトモンキーの皮がスルリと切り裂かれる。こんなに切れてしまうナイフの切れ味と、刃から醸し出される暴力的な威圧感にクロエは冷や汗をかきながら作業に当たっていた。


 その後、コテージで寝ていた風音と弓花と直樹が目覚めたが、二人とも治療は終えてるとは言え完調とはいかない。弓花と直樹は大事をとって休ませ、リジェネレイトで完全回復した風音だけが素材回収に参加することになった。そして夕方には素材回収も完了……というよりもタイムオーバーで打ち止めとなり素材は不思議な倉庫に入れて回収。後はタツオの炎のブレスと風音の炎球で燃やして始末した。


 なお、ジンライはその日の間にはついには目覚めなかった。

 ジークの話では、ジンライは槍の極みの領域に踏み込みはしたが、それを行使するには肉体への負担が大き過ぎるのだという。もっとも翌日には疲労も回復して目覚めるだろうと言ってジークは消えその言葉通りにジンライは確かに翌日には目覚めることとなる。


 続いて今回手に入れた素材の内訳だが、実はエリミネイトモンキーとオダノブナガ種は基本的には闇の森の外には出ない魔物なので一般的には人へ被害を及ぼす魔物であるとは考えられていない。今回のようなことが頻発すれば別だが、現時点での討伐報酬はないとのことである。なのでエリミネイトモンキーの証明部位をとる必要はないため損耗状態の悪くない死体から牙や毛皮をはぎ取った後は処分した。


 オダオブナガ種の方はその外骨格は硬く、人の姿を模倣しているために少しの加工で鎧としての活用が可能だ。あの刀のような爪も高レベルの武器として加工出来るのですべて回収としている。もっとも風音と狂い鬼が倒したものは破損状態が酷く、扱いは難しいようだった。

 またキング・オダノブナガの甲殻が黒と金の輝きを帯びたダイロクテンマオーの状態のままだったのは運が良かったと言えるだろう。これは加工をするとそのまま第六天魔王の大太刀、第六天魔王の甲冑という魔王シリーズと呼ばれる武装へと変わる。

 他のオダノブナガ種もノブナガシリーズとして高い能力を持つ装備へと変わるため、売ればひと財産となる。

 そして今回、一番価値のある素材はクィーンの内部から取り出された『第六天魔王の血珠』と呼ばれるものである。これは血のような紅い玉で、クィーンがキングと合体しダイロクテンマオーモードで活動する為の動力石である。

 B級ダンジョンの心臓球に匹敵するほどの動力を持つソレは風音が仲間に土下座までして(までというか勝手に風音が土下座しただけだが)譲り受けることになった。

 元よりキングとクィーンの討伐は風音、ジークと狂い鬼の力によるところが大きい。もうひとりの功労者であるジンライが目覚めて良しとすれば問題はないと仲間たちは考えていたので、ジンライがノーと言わなければ、そのまま風音のものとなるということで話は付いたのだ。


 そしてエリミネイトモンキーを火葬してコテージの中に入った風音たちは、未だ起きないジンライの様子を見てから夕食を取り、その翌日には弓花を中心に何人かでレーゲンの大樹の元へと探索に向かい、風音を含めた他のメンバーは素材の整理をしていた。

 ちなみにオダノブナガ種の肉は魔素が強く毒性が高いため、風音が『食材の目利き』で見つけたクィーンの一部部位以外は処分となっている。


 

◎ハイヴァーン王国 竜爪街道 風音コテージ内


『それにしても恐ろしい魔物でしたね母上』

 風音は今、コテージの屋上で素材を並べて残ったメンバーと一緒に整理をしている。そして風音が第六天魔王の血珠をキュッキュと拭いている横でタツオは昨日のことを思い出していた。

 風音はタツオの言葉に「そうだねえ」と言いながら、

「ダイロクテンマオー相手でも旦那様なら勝てるんだけどねえ」

 と返した。それは別に身内びいきというわけではない。実力の差だけでも本来のナーガならば勝利は揺るがないと風音は考えているが、相性の問題もある。

 対人戦に特化しているダイロクテンマオー・オダオブナガでは神竜帝ナーガに対しての火力が十分ではない。最後こそキングに切り裂かれたが今回の狂い鬼の活躍のように防御力と体力のあるナーガならば例えごり押しであっても勝てるだろうというのが風音の予測であった。

 もっとも並の成竜では歯が立たない相手ではあるには違いないので、他の竜族であれば一対一ならば護剣の四竜クラスで対応できるか否かというところだろう。炎系のブレスが使えれば、難易度は実はさらに落ちるため、赤南候スザなどはオダノブナガ種の天敵とも言える。さらに言えば炎系統を扱える人間が風音ぐらいしかいなかったことも今回苦戦した理由のひとつでもあった。


『そういえば父上といえば、母上の出した父上のあの七色の光も凄かったです。あれが父上の真の力なのですね』

 タツオが最後のクィーンとの戦いで見た神竜帝召喚のことを口にする。

「うん、そうだねえ。旦那様格好良かったよねえ」

 わずかな時間ではあったがあれが神竜帝の本気の力である。ちなみに今はまだ竜気が貯まっていないので部分召喚の旦那様パンチなどしか打てない。

 そして風音は神竜帝ナーガのことを想いながら、目の前にある『第六天魔王の血珠』を見て、にまーっとする。

(待っててねえ旦那様ー。奥さん頑張っちゃうよー)

 キュッキュッキュッキュと風音がそれを磨いていく。


「ふふふんふ~ん、だんな様~、だんな様~、私の愛するだんな様~、も少し待っててだんな様~」


 ノリに乗った風音がまたよく分からない歌を歌って、その横でタツオがクエークエークエーとリズムを取って鳴きながら尻尾をフリフリしている。

 その後ろではクロエが「旦那様? そういうのを夢見る年頃なのかねぇ」と口にしていた。色々とアレな少女のようやくの愛らしい願望を知った気になったクロエはその光景にホッコリとなっていたが、事実関係を知ればその場でひっくり返ることは間違いない。真実など知らぬ方がよいこともあるのだ。


名前:由比浜 風音

職業:召喚闘士

称号:オーガキラー・ドラゴンスレイヤー・ハイビーストサモナー・リア王

装備:杖『白炎』・両手剣『黒牙』・ドラグホーントンファー×2・竜鱗の胸当て・ドラグガントレット・銀羊の服・シルフィンスカート・プラズマパンツ・竜喰らいし鬼王の脚甲・不滅のマント・不思議なポーチ・紅の聖柩・英霊召喚の指輪・叡智のサークレット・アイムの腕輪・蓄魔器・白蓄魔器・虹のネックレス・虹竜の指輪

レベル:36

体力:145

魔力:304+420

筋力:67+20

俊敏力:71+14

持久力:38

知力:72

器用さ:47

スペル:『フライ』『トーチ』『ファイア』『ヒール』『ファイアストーム』『ヒーラーレイ』『ハイヒール』『黄金の黄昏[竜専用]』『ミラーシールド』

スキル:『キックの悪魔』『戦士の記憶:Lv2』『夜目』『噛み殺す一撃』『犬の嗅覚:Lv2』『ゴーレムメーカー:Lv3』『突進』『炎の理:三章』『癒しの理:四章』『空中跳び:Lv2』『キリングレッグ:Lv3』『フィアボイス』『インビジブル』『タイガーアイ』『壁歩き』『直感』『致命の救済』『身軽』『チャージ』『マテリアルシールド:Lv2』『情報連携:Lv2』『光学迷彩』『吸血剣』『ハイ・ダッシュ』『竜体化:Lv2[竜系統]』『リジェネレイト』『魂を砕く刃』『そっと乗せる手』『サンダーチャリオット:Lv2』『より頑丈な歯:Lv2[竜系統]』『水晶化:Lv2[竜系統]』『魔王の威圧』『ストーンミノタウロス:Lv2』『メガビーム:Lv2』『空間拡張』『偽銀生成』『毒爪』『炎球[竜系統]』『キューティクル[竜系統]』『武具創造:黒炎』『食材の目利き』『ドラゴンフェロモン[竜系統]』『ブースト』『猿の剛腕』『二刀流』『オッパイプラス』


弓花「あーダルー」

風音「温泉入りたーい」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ