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まのわ ~魔物倒す・能力奪う・私強くなる~  作者: 紫炎
水晶竜編

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第百三十三話 道筋を決めよう

◎リザレクトの街 宿屋サンバン


「さてパーティ会議です」


 閉会式の翌日である今日を風音は休日と定めて各自自由行動としていた。

 そして風音は本日は部屋に閉じこもってゴーレムメーカーや魔法短剣の設定を行なっていた。その横でペターとくっ付いて至福のティアラに「ズルい」と言っていた直樹に風音は「だったら昨日のマッチョメンと身体を入れ替えてから来なよ。というか中身もマッチョメンさんにチェンジで」と言っていた。つまり心体ともに100パーセントマッチョメンである。直樹要素は皆無であった。そして直樹は昨日意気投合したマッチョメンを恨むわけにもいかず「チクショー」と言いながら外に出ていった。実はああ見えてここらでも顔が知れているので会う人には事欠かないらしいのだが。

 そんなわけで風音は夕方まで存分にクリエイター作業を行なっていたわけだ。途中で召喚の修行に外に出ていたティアラが戻ってみると出る前と全く変わらぬ姿勢で作業を行なっていた風音に「いつもながら凄い集中力ですわね」と驚きの顔で見ていたりもしたが、夕方の特訓も終えた弓花が戻ってきた頃合いを見て風音も作業を止めメンバーを召集した。何度めかは風音がもう覚えてないので第何回かは省略であった。


「そんじゃあ紆余曲折もあった大闘技会も終了したし明日は準備期間として旅の用意。明後日には街を出ることにするよ」

 ちなみに優勝賞金も入っているので風音の懐はあったかく、明日はまた散財しようと考えていた。貯めろよと弓花は思うが。

「ここからハイヴァーン首都ディアサウスまでは普通の馬車で一週間というところだな。まああれを使えば二日とかからんだろうが」

 そう言いながらジンライがチラッチラッと風音を見た。スピードに魅せられたジジイである。対して風音は地図を見ながら難しい顔をしている。

「サンダーチャリオットは結構怒られたから人のいないところしか全力疾走は難しそうなんだよねえ。後山道は狭いところもあるだろうし普通に走らせるとして、あとここ!」

 風音が地図に指を指す。そこは火山の近郊で川の近い土地のようだった。

「あんた……」

 それを見て弓花がまさかという顔をした。

「掘ってみよう」

 風音の言葉に直樹を除く全員がやっぱりかという顔をした。

「一応、ダウジングでも少し反応があったし試してみようと思うんだよね」

「まあ、ひとっ風呂浴びれるんならいいけどさ」

 弓花はそう言うがルイーズがうーんという顔をしていた。

「次見つかったらまた権利関係がめんどくさそうねえ」

「だからって掘れるのに掘らないのは違うと思うんだよ」

 風音の言葉にルイーズが「そうねえ」と返した。温泉には入りたいのだ。

 その様子を意味が分からず見ていた直樹は「何の話だ」と聞くと、

「「「「「「温泉」」」」」」

 と一斉に返ってきた。なんのこっちゃと直樹はますます混乱した。

 そして話はその火山付近に変わる。その近くでは比較的レベルの低い飛竜や地竜が出没するらしいのだ。なお地竜はモグラでもミミズでもない。翼のない四足歩行の竜だ。

「近くに竜狩りの冒険者たちが溜まる街があってな。一攫千金を狙うんならそこだと言われている」

「黒岩竜は随分と素材が高く売れたものねえ」

 風音の言葉にジンライも頷く。

「まああのクラスのドラゴンとはランクが随分と落ちるがな。ワシの槍やお前の装備などを見せたら腰を抜かすかもしれんぞ」

 今の風音たちの竜素材の装備は出回っている竜装備の中でも最上位に位置している。俗にドラゴンハンターなどと呼ばれている冒険者たちにとっては高嶺の花といっても良いシロモノだろう。そして未換金の竜素材も多く不思議な倉庫に入れてあるため、そうした集まりに出向くことで何かしら面白い話も聞けるかもしれないと風音は考えていた。

「じゃあそこもいってみようか。このドンゴルの街ってとこかな?」

 風音の言葉にジンライが「そうだ」と応えた。

 他に行きたい場所はないかという風音の言葉にルイーズが手を挙げる。シロディエ湖にルイーズの別荘があるので寄っておきたいとのことだった。それには直樹が驚きの声を上げた。

「そこ、王族とかの避暑地じゃねえか。姉貴、ひょっとしてルイーズさんって凄い金持ちなのか?」

 その直樹の言葉に風音たち一行がポカンという顔をした。そのリアクションに直樹も(もしかして聞いたらまずかったのか)という顔をした。そして横にいた弓花が「ああ、そうか」と言いながらポンと手を叩いて風音の耳元にボソボソと小声で話す。

「おおー」

 風音がなるほどという顔で頷いた。

「な、なんだよ?」

 風音と弓花の「そっかー」という視線を不審に感じながら直樹は尋ねる。そして風音はその直樹に対し、ティアラを指差し

「ツヴァーラ王国の王女様」

 と言い、「は?」という顔の直樹を無視して、そのままルイーズの抱えているメフィルスを指さして

「こちらはツヴァーラ王国の元王様」

「何を言ってるんだ姉貴?」

 直樹は姉の言う冗談のどこに笑えばいいのか分からず尋ねる。

『そういえば、あのオーガンとかいう輩の酒場では、ツヴァーラのことはボカして話してたからのぉ』

 メフィルスがそう答える。その言葉にルイーズとティアラとジンライも状況が飲み込めた。オーガンの酒場以降はその手の話はしていなかったし、直樹がティアラたちの素性を知る機会は確かになかったのである。

「ああ、あたしが元王様の愛人ってことも付け加えなきゃね」

 ルイーズのその言葉だけはすんなり直樹は飲み込めたが、だがティアラとメフィルスを見ながら首を傾げ続けた。そんな直樹にジンライが駄目押しの言葉を投げかける。

「すべて事実だ。信じられぬかも知れぬがな」

「マジっすか」

 直樹の尚の問いに全員が頷いた。直樹がボソッと「そうっすか」と言った。そしてちょっと頭冷やしてくると言って外に出ていった。


「あの、やはり機嫌を損ねてしまったのでしょうか?」

「いや単純に混乱していてるだけだと思うけど」

 ティアラが心配そうに直樹の出ていった扉を見ていた。どうもティアラは直樹のことが気にかかっているらしいことを弓花は察していた。ちなみに風音は「あの弟がモテるとか。受けるww」的な認識なので毛ほども察していなかった。弟としてはバカワイイが男としてみた場合、付き合うくらいなら舌噛んで死ぬわと公言してはばからない風音ちゃんである。直樹哀れという感じではあるが、そもそもが本人の悪行の結果であるので自業自得としか言いようがない。

「気になるんなら、話してきたら?」

 無頓着な風音は放っておいて、弓花がティアラにそう口にする。

「でも」

 その言葉に躊躇するティアラにメフィルスが優しく言葉をかける。

『ティアラよ。行くのだ』

「お爺さま?」

『仲間としてはちゃんと話しておいた方が良かろうよ』

 そのメフィルスの言葉に「仲間……ですものね」と言いながら、ティアラも外へと出ていった。


「んー、王族としてはよろしいんですか?」

 ティアラが出ていった後、弓花はメフィルスの態度が気になって声をかけた。その弓花の問いに対するメフィルスの答えはシンプルだった。

『我が王家は自由恋愛推奨であるからな』

 その言葉にルイーズが笑う。

「メフィルスはちょっと自由すぎたけどねえ」

『お前が言うか、お前が』

 その二人のやりとりに弓花が笑った。なお風音は「あんなの気にすることないのになあ」と口にしていた。これは無頓着と言うよりも後で自分がフォローするのになというお姉ちゃん的思考によるものである。


 その後、ちょっと仲良くなった二人が帰ってきたことで不審に思った風音が「お姉ちゃんの目を見てやましいことはなかったって言える?」と質問したが直樹はその風音の顔を(かわいいなあ)と思いながらガン見していたので、最終的に(キモイなぁ)と思った風音が目を逸らしてた。直樹の勝ちである。


名前:由比浜 風音

職業:魔法剣士

称号:オーガキラー・ドラゴンスレイヤー・ハイビーストサモナー

装備:杖『白炎』・両手剣『黒牙』・粘着剣『ガム』・魔法短剣・竜鱗の胸当て・ドラグガントレット・銀羊の服・シルフィンスカート・プラズマパンツ・竜鬼の甲冑靴・不滅のマント・不思議なポーチ・紅の聖柩・英霊召喚の指輪・叡智のサークレット・アイムの腕輪・蓄魔器・白蓄魔器

レベル:29

体力:101

魔力:170+420

筋力:49+10

俊敏力:40+4

持久力:29

知力:55

器用さ:33

スペル:『フライ』『トーチ』『ファイア』『ヒール』『ファイアストーム』『ヒーラーレイ』『ハイヒール』

スキル:『戦士の記憶』『夜目』『噛み殺す一撃』『犬の嗅覚』『ゴーレムメーカー:Lv3』『突進』『炎の理:三章』『癒しの理:四章』『空中跳び:Lv2』『キリングレッグ:Lv2』『フィアボイス』『インビジブル』『タイガーアイ』『壁歩き』『直感』『致命の救済』『身軽』『チャージ』『マテリアルシールド』『情報連携』『光学迷彩』『吸血剣』『ダッシュ』『竜体化』『リジェネレイト』『魂を砕く刃』『そっと乗せる手』『サンダーチャリオット』


弓花「あんたってそういう方面では本当に直樹にシビアよね」

風音「身内でなければ通報するレベル!」

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