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超次元電神ダイタニア  作者: マガミユウ
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第六話「経験者と実戦」

【登場キャラクター紹介】

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

挿絵(By みてみん)

「さあ!五人揃っての最初の戦闘(ファーストバトル)!みんな!派手に行こうッ!」

 ウィンドが左腕の巨大なボーガンを上空にかざし、自信満々の顔で言う。


 見上げる先の空にはゲームで何度も戦ったワイバーンが悠然と飛んでいた。


 あたしはまだこの世界になってから、ザコタ君みたいにゲームのスキルを使ったことはない。

 もしそういう力があったとしたら、むやみに使うべきものではないし、何より、怖い……

 その力そのものも、それを使えるあたしも…


 この射程距離なら《風の刃(ウインドカッター)》では遠い……なら《魔法弾頭(マジックミサイル)》で……

 あたしはその力を使えたとして、本当に今使うべきなのか、使っていいものなのか、考え倦ねていた。


「大丈夫だよ、まひるお姉ちゃん!」

 あたしの動揺を察したのか、ウィンドがあたしに向き直り優しく言う。

「ウィンドたちはまひるお姉ちゃんが優しいことを知ってる。今までも、きっとこれからも!」

 そう言ってウィンクをするウィンド。


「あぁそうだな」

 それに同意するようにファイアが腕を組みながら言った。

「俺たちはまひる様がどんな人間か知っている。だから、心配すんなって?」


「まひる?僕たちは君と『ダイタニア』で過ごしてきた日々を覚えています…」

 マリンが空の一点を見つめながら、いつもより少し高いトーンで呟く。

「僕たちはもうひとりじゃない。誰かが間違えそうになった時には、一緒に考えてあげられる…!」


「自分も、傍におります」

 アースの手が優しくあたしの手に添えられる。

「共に歩みましょう!」


 みんながあたしの不安をかき消す様に声を掛けてくれる。あたしは少し潤んだ眼で上空を見上げ、右手をワイバーンに向ける。


「…照準(エイム)固定(ロック)……」


挿絵(By みてみん)

『超次元電神ダイタニア』

 第六話「経験者と実戦」



「《魔法弾頭(マジックミサイル)》!!」

 あたしのかざした手から一筋の光弾が発射される。

 それを口火にみんなが一斉に攻撃を仕掛けた。


「《水の弾丸(アクアバレット)》」

「《土の針(クレイニードル)》!」

「《火球(ファイアボール)》!!」

「《一陣の風(アルテミスレイ)》!」


 光弾が当たった所へ間髪入れず高速で撃ち出された無数の水の弾丸がワイバーンに着弾する。続け様に硬く研ぎ澄まされた土の槍が腹に突き刺さり、そこへ燃え盛る火球が追い打ちを掛けて皮膚を焦がす。

 そこで初めてワイバーンは雄叫びをあげようとしたが、ウィンドから撃ち出された巨大な光の矢によって、その喉を撃ち抜かれる。


「ガァッ!?」

 声にならない悲鳴をあげるワイバーン。

 しかしそれでも致命傷には程遠いらしく、翼を大きく広げてその場から離脱しようとする。


「さすが大型モンスター!HP多いわね」

 あたしは初めて撃った攻撃魔法と、その手に残る生々しい感触から気分は高揚していた。所謂アドレナリン・ハイだ。


 昨日のザコタ君との戦闘はまだゲームと現実の区別が付かず、どこか非現実的だった。

 そのお陰でいつもゲームをする時の様に動けていたが、今は……


「まひるお姉ちゃん!追いかけよう!」

 気が昂ぶって思考が上手く回らないあたしにウィンドが声を掛けてくる。


「わかったわウィンド!」

 あたしはそう言ってウィンドに引きつった笑顔を向けた後、すぐにワイバーンの方へと向き直った。


 これは現実だ…!

 でもあたしたちなら大丈夫!

 だってあたしはレベルもカンストしてるし、強いんだから!

 心強い仲間もいるしね!


 そしてあたしは大きく深呼吸をして心を落ち着かせ、気持ちを切り替えることに専念する。

 ………よし!

 あたしは目を見開き、詠唱を紡ぐ。


「豊楽なるウィンド…超然たる風の精霊よ、今こそその力をこの大空に示せ!」


 召喚紋があたしたちの頭上に描かれ、風が渦を巻いた。

 ウィンドがあたしの手を引っ張り空中へと飛び上がる。


「「(いで)よ!《アウマフ》!!」」

 二人の声が重なり、あたしたちはアウマフの操縦席へと格納される。


 翠色の装甲、逆関節の脚部、腕の代わりに存在する大きな翼。

 その姿は巨大な鳥を想わせた。

「アウマフ!ウィンドフォーム!」

挿絵(By みてみん)

 ウィンドがそう叫ぶと、機体の各所にあるダクトから緑色の粒子を放ち、機体がエメラルドグリーンの光に包まれた。


「まひるお姉ちゃん!行くよっ!」

「えぇウィンド!しっかり掴まってなさいよ?」

 あたしはウィンドの言葉に返事をすると、機体背部と翼各部にあるブースターを展開して急加速でワイバーンの後を追った。


「くぅ〜!!速いっ!!」

「まひるお姉ちゃん!頑張ってー!!」


 いつもの《バーチャルエクスペリエンス》とは違い、凄まじいGが体に伸し掛かってくる。

 あたしは操縦桿を握るので精一杯だ。


 アウマフ唯一の飛行形態にして、最高速度を誇るウィンドフォームは大空に緑色の軌跡を描き、あっと言う間にワイバーンを捉えた。


「ウィンド!《ウイングストライク》よ!」

「わかったー!!」


 あたしがコンソールパネルを操作すると、両翼は変形し、巨大な二つの刃となる。

 そしてその速度のままワイバーンに突っ込む!


「うぉりゃああぁあぁ!!」

 ズバァアンッ!!! 凄まじい斬撃音と共に、衝撃が辺りに響き渡る。

 しかし、

「あっ!?」

 アウマフはワイバーンの翼部分だけを斬り落としただけだった。

 ワイバーンはそのまま地面に向かって落ちていく。


 慣性が付き過ぎたアウマフは直線的で鋭角な軌跡を多数描きながら方向転換を試みる。


「やっぱこの技、速すぎて狙いが付けにくいのが玉に瑕よねー…」

 あたしはそんな事を言いながらもなんとか体勢を立て直すと、今度はゆっくりとした動きでワイバーンの近くに着地をした。


「まひるお姉ちゃん!大丈夫ー?怪我はないー?」

「ウィンドこそ平気だったのね。よかったわ…」

 あたしがホッとした表情を浮かべるとウィンドも安心したのかニコリと微笑んだ。


 改めて地上でワイバーンと対峙する。

 翼を失いながらも尚、戦意を失わないワイバーンは低く鳴きながらこちらを睨みつけていた。


 ゲームの『ダイタニア』でのワイバーンの攻撃パターンは確か…

 あたしはゲームをプレイしてた時の記憶を手繰り寄せてみる。


 えっと……確か地上に降りた時は尻尾でのなぎ払い攻撃と噛みつき攻撃をしてきたはず……

 あとはブレス吐いたりとか。HPが大幅に減ると手当たり次第辺りに火球をまき散らす《最終攻撃(ダイナミックコード)》を使える希少な敵だったような……


 ゲームと違い、敵の外見から残りHPを確認するのは難しく、あたしはウィンドに確認を取る事にした。


「ねえウィンド?あいつはまだ倒れないの?」

 ウィンドは少し考え込むようにした後、答える。


「ううん。まだだね。でもかなり弱ってるみたいだからすぐにトドメを刺せると思う!」


 攻撃に加減は出来ない。なら!

「短期決戦よッ!」

「分かった!!」


 あたしの掛け声に呼応し翠のアウマフは両翼を勢いよく後ろに掲げ、一気に前方に振り下ろした。

「アウマフ!《クロススラッシュ》!!」

 圧縮された大気が十字の刃を形取り、ワイバーン目掛けて射出される。

 それに合わせてワイバーンも炎の《ブレス》を吐いて応戦する。


 《クロススラッシュ》の刃はワイバーンの《ブレス》の炎を十字に斬り裂きながら直進し、ワイバーン本体に直撃する。

 スキル発動と同時に移動していたアウマフはワイバーンの後ろを取り、その逆関節の脚から踵落としを繰り出す。


「アウマフ!《バードクロウキック》!!」

 高く掲げた脚部が重力に乗り、続け様にワイバーンにダメージを与える。

 このまま畳み掛ける!

 あたしはそう思い、再びアウマフを操作しようとした時


「まひるお姉ちゃん!危ないっ!」

 突然ウィンドが叫んだかと思うと次の瞬間にはアウマフは後方へと吹き飛ばされていた。


「…ッつぅ……!ウィンドッ!?」

 何が起こったのか分からず混乱していると視界の端で何かが光った。

 咄嵯に身を屈めると頭上を鋭い爪が通り過ぎる。


「くぅ……ッ!」

 体勢を立て直そうとすると、そこにはワイバーンが居り、その巨大な尻尾を揺らしこちらを睨んでいた。


「…尻尾の、なぎ払い攻撃…!」

 迂闊に近付き過ぎた。あたしは揺れる頭を押さえたその手に、何か熱い物が触れるのを感じた。

 その手の平を見る。

 あたしの手には赤黒い液体が付着していた。

 あたしは言葉を失い、その手をまじまじと見つめている。

 それは紛れもなくあたしの血だった。


 あたしは恐る恐る顔を上げる。

 目の前の光景に思わず悲鳴を上げそうになった。

 あたしの視線の先では、ワイバーンが大きな口を開け、今にも炎をこちらに浴びせようとしている。


 ――……えちゃん…――

 ―…おねえちゃん……


「まひるお姉ちゃんッ!!」

 ウィンドが叫ぶ声でハッと我に返る。


「ウィンド……?」

 そうだ。

 何を呆けているんだ。

 ここはゲームの中だ。

 現実では死ぬけど、ここではそんな事はない。

 それに相手はモンスターなんだ。

 容赦なんていらない。

 殺らなきゃこっちがやられるだけだ。

 躊躇う必要なんかない。


 でも、この地球とダイタニアが混ざってしまったこの世界で死んでも本当に大丈夫なの?

 そんなの、死んでみなきゃ分からなくない!?

 死ぬのなんて…

「まっぴらゴメンよーーーッ!!」

 あたしはそう叫びながらアウマフを立て直す。


「あ!お姉ちゃん!あれは《ブレス》じゃないッ!!」

 ウィンドが目の前のワイバーンの口内を見て叫んだ。


「えっ……」

 よく見ると確かに赤い光が漏れ出しており、まるで火山のようにボコボコとマグマのようなものが噴き出している。


「あいつの、《最終攻撃(ダイナミックコード)》……!!」


 そして次の瞬間。

 その口から真っ赤な溶岩のような塊が勢いよく飛び出してきた。

 その速度は凄まじく、一瞬にして視界が赤く染まる。


 ワイバーンの最終攻撃(ダイナミックコード)飛竜活火山(バーンボルケーノ)》は広範囲で高威力だったはず。このままでは後方にいる三人や、もしかしたら近くにいる他のプレイヤーにまで被害が!!

 あたしが呆けたばっかりに!!


「ウィンド!力を貸して!!」

 あたしは咄嵯にウィンドの手を取った。

「うん!まだ手はあるよ!!」

 そうだ!あたしたちには、まだ!


 あたしは瞬時にアウマフのコンソールを操作する。

「ウィンドダイナミック!《天使の雨傘(アルケーシェルター)》ーーーッ!!」


 アウマフにエメラルドグリーンの光の幕が覆い、ワイバーンの攻撃を全て押し返す。その光は一瞬でドーム状に展開され周囲を覆い尽くす。

 ワイバーンは押し返された自分の最終攻撃(ダイナミックコード)によって蒸発し、叫ぶ間もなく光の粒子となり消えていった。


 アウマフを中心に半径300mほど拡がったその緑色の光は徐々に収縮していきやがて消えた。


「……ふぅ」

 なんとか凌げたようだ。

 咄嗟に防壁魔法を使ったけど、アウマフの最終攻撃(ダイナミックコード)でなかったら防げたかどうか……


 アウマフが光の粒子となり、大気に消えていく。

 その中心にあたしはウィンドに肩を預けながら立っていた。


「まひる!」

 後ろを振り向くとみんなが駆け寄ってくるところだった。

「おい大丈夫か!?あ!頭!血が出てるぞ!ウィンドっ!」

 近付き様、ファイアがあたしを見て声を上げる。


「あ、あれ?どこかぶつけたかな…?大丈夫よ、痛くないから…」

 あたしはまだ少し朦朧とする頭を押さえて言った。

 そこにウィンドが直ぐ様《回復(ヒール)》をかけてくれる。

 ウィンドの顔はとても心配そうにあたしを見つめていた。


「ありがとうウィンド。ウィンドのお陰で助かったよ…あたしたち、勝ったね…?」

 あたしが笑顔を向けるとウィンドは涙目になって抱きついてきた。


「うわぁああんッ!怪我させてごめんなさい!」

「だ、大丈夫だってば!ほらもう治ってるから!それにウィンドがいてくれなきゃ今頃どうなってたかわからないんだしさ……」

 あたしはウィンドを宥めるように頭を撫でた。


「ウィンド、まひる殿をよく護ってくれた。自分からも礼を言う。ありがとう…」

 アースがウィンドに深々とお辞儀をした。


 ウィンドは少し照れながら微笑んで言う。

「いや〜。アースたちも無事で良かったよ〜。みんなはウィンドにとって大事な友達だから」


「そうか……そうだな。友達、だったな」

 アースが嬉しそうな顔で言うと他の皆も嬉しそうに笑った。



 そんな勝利の余韻に浸っている時、あたしは自分のスマホの画面が点滅していることに気付いた。

 画面には相変わらずサニーのステータスが表示されたままだ。


「……え?」

 あたしは思わず目を疑ってしまった。

 ステータス表示に変化がある。

 サニーのMP表示が残量ゼロを示し、点滅していた。

「どうしてこんなことに……サニーのMPが0になってる!?」

 あたしが驚いているとマリンが不思議そうに訊ねる。


「まひる?どうかしたの?」

「あ、うん。なんかこのゲームの仕様が変わったみたいでさ。サニーのMP表示が0になってて…」

 あたしは動揺を隠せず、マリンにスマホの画面を見せる。


「MP…確か、まひるのゲームで言うところの魔法量のことでしたね?」

 マリンが確認するように言った。


「うん。魔法を使うための燃料みたいなものだと思っていいと思う。それが0になるっていうことは魔法が使えない状況で、敵に封印されたか、もしくは…」

「魔法を使い過ぎたか…?」

 とマリンはあたしの言葉に続けて言い、また考え出す。そしてあたしを見て


「まひる?今の君はアウマフの召喚からスキルの多用、また最終攻撃(ダイナミックコード)の使用により相当疲れているように見えます…」

 と言った。


「うーん……言われてみると確かにちょっとフラつくかも……」

 あたしは少しふらついた。気のせいか体も重く感じる。

 マリンは少し俯きながら


「その画面に映ってるサニーのステータスですが、どうやらまひると同期しているようです。まひるのステータスがそこに映し出されていると言ってもいいかも知れない…」

 と説明を始めた。


「えっ!じゃあサニーのMPが0になったのってもしかして……!」

 あたしが言うとマリンが深刻そうな顔をしながら


「うん……恐らく、まひるの魔法量が空になったからだと思われます」

 と小さく呟いた。



 その時だった。

 ゴオオオォッ!!と凄まじい音と共に地面全体が揺れた。地震!?


「きゃあッ!!」

 あたしは悲鳴を上げてしまう。

 地面を揺るがし巨大な物体がこちらに向かって来た。

 その姿は『ダイタニア』の中で一般的に大型と言われる17m級の電神(デンジン)より一回り大きい人型の電神だった。


 電神の肩には誰かが乗っていてこっちを見ている。

「何あれ!?」

 とあたしが叫ぶとその人が喋った。


「四人の精霊を連れたプレイヤー、あなたがサニーね!?」

 と女性の声がした。


「だ、誰ですか?」

 とあたしが聞くと声の主は答えた。

「私は『ルナ』。あなたに一つ勝負を挑むわ!」

 と言うと同時に肩に乗っている女性、ルナは腕を振り下ろした。

 すると、その巨大な電神の腕も同じように地面に向け振り下ろされた。

 その衝撃でまた地面が大きく揺れる。


 あたしはアースに抱えられ、難を逃れた。

 みんなが臨戦態勢を取る。



 そんな中、あたしはマリンと目が合う。

 マリンはじっとあたしの目を見つめて、少し微笑むと目を前に向けた。


「みんな聞いて?今のまひるはさっきの戦いで魔法量を使い果たし疲労困憊です。電神も呼べない…」

 マリンは真剣な表情で言う。


「アース、そのまままひるの守護を頼みます!ウィンド、君も疲れているでしょうからアースの援護を!ファイア、君は僕と一緒にまひるを逃がす時間稼ぎをお願いします!」

 マリンが指示を出す。


「なっ!如何にお前でも、それは無謀では」

 アースがマリンに抗議の言葉を掛けるのを、ウィンドが腕を伸ばし静止する。


「…わかった。ウィンドたちはまひるお姉ちゃんを護ることに全力を尽くすね?」

 とウィンドが言うとアースは苦い顔をして黙った。


「助かるよウィンド。まひるを任せます…」

 マリンはただ前を見据えて言う。


「…無茶だけは、してくれるな!御免ッ!」

 アースはそう言うと向きを変え走り出す。ウィンドがそれに続いた。


「え?ちょっと、何言ってるのマリン!?あたしなら大丈夫だから!あ、アース!降ろして!ねえ!降ろしてってば!?」

 何で急にこんなことに…嫌だ、嫌だよ!


「それは、出来ませんッ…!」

 アースは唇を噛み締めそう言った。

 マリンとファイアの姿が視界から小さくなっていく。

「マリン!ファイアぁあッ!!」

 あたしの叫びと溢れる涙が宙に舞った。



「…行ったな」

「ええ。君には損な役目を押し付けて済まないと思っているよ、ファイア…」

 そう話すマリンとファイアの顔に笑みが浮かぶ。


「なあに、主人を護ってこその俺たちだ。何も問題ねえさ」

 ファイアは相変わらずの軽口で言う。


「そう言ってもらえると僕も助かる…」

 巨体の電神の前にマリンとファイアの二人が残された。

 電神の肩に乗ったルナがそれを見て不敵に笑う。


「ふーん。まさか、あなたたち二人で私と戦うつもりなのかしら?私のターゲットはサニーだけなんだけど」

 と、電神の上で腰に手を当てて胸を張る。


「精霊とは言え、電神もなしに私の相手になるとでも思っているの?ふふっ」

 ルナが文字通り見下して笑った。



 マリンはいつも表情が希薄だ。感情を表に出すことが少ない。


 だが、どうしてだろう?


 何故だか今は自然と顔が緩んでしまう。

 それは精霊としての“主人を護る”という使命を果たそうとしているからなのか……


 マリンの口が不敵に開く。


「ふ……いかなる事も、やってみなければわからない……!」

【次回予告】


[まひる]

なんとかワイバーンは倒したけど

あたしのMPが切れちゃった!

そんなあたしを逃がすため

マリンとファイアが相手の電神に立ち向かう!?


次回!『超次元電神ダイタニア』!


 第七話「真昼の戦い」


あたしは、食べた…!

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