第五十一話「覚醒」
「う……うああーーーッ!!」
シルフィは頭を掻きむしるようにしてその場に蹲り、苦しむように声を漏らした。
「違う……これは……!これは!私ではないッ……!」
「……思い出したか?俺たちはあの頃から悲しみのない世界を創ろうとしていたんだ。そんなダイタニアで世界改変など、どうして考えたッ!?」
風待がそう言うと、シルフィはゆっくりと立ち上がりながら答えた。
「……思い、出しました……でも、それは、私の半身に預けていた感情……喜びと、楽しみ……」
「ッ!なんのことだ?」
風待が問うと、シルフィは苦し気に答えた。
「私の半身……いえ、私は、その感情を……サニーに……」
そこまで言うとシルフィはまた頭を押さえて蹲った。
「うッ!くッ!……私は、サニーから半分感情を預けられていたのです!喜怒哀楽の内、怒りと哀しみの感情を!」
シルフィはそこまで話すと頭を押さえていた手をダラリと下げ風待を見つめた。
「…預けられていたのは感情だけではありません……最初のプレイヤー、浅岡陽子さんの記憶を私が、そして容姿を彼女が……私たち二人には、一人の人格が半分ずつあったのです。だから私は、サニーの反対を押し切って、地球侵攻を進められた!」
シルフィはそこまで話すと頭を押さえ地面に蹲った。
「おい!もう一人って、どういうことだッ!?お前がSANYじゃないのかッ!?」
風待がそう叫ぶと、シルフィは顔を上げて風待を見据える。
「私は……私はSANYではありません。私はサニーから分かれたもう一人の人格……シルフィ。そう、私は…ただの分身に過ぎない……ッ」
シルフィはそこまで話すとまた頭を押さえて苦悶の表情を浮かべる。
「うッ!くぅッ!」
突如そよが頭を押さえて蹲った。
「そよ!どうしたんだ!?」
「いえ……ちょっと、頭に痛みが……」
ザコタが心配してそよに駆け寄る。すると、
「私は……私は誰なの?私の中に知らない人の記憶が流れ込んで来る……これは、陽子さん?…どうしてッ!?」
そよもまた頭を押さえ苦しみながらそう叫んだ。
「シルフィ!お前は、いったい!?」
風待が問い詰めるように叫ぶと、シルフィは苦し気に顔を歪ませながらも答えた。
「……私の半身が、記憶と共に戻ってきたのです…」
「なんだと!?お前の半身はどこだッ!?」
風待の問いにシルフィは静かに答える。
「…そこに、いるじゃないですか……」
シルフィは自分と同じ様に頭を抱えて蹲るそよに視線を向けた。
そのシルフィの言葉に一同がそよを見つめる。
「あ……あなたは……!?」
そよはシルフィの顔を見て驚愕の表情を浮かべる。そして、自分の中に流れ込んだ記憶をまたも思い出した。
――暗い電算室に、幾つかのディスプレイの光だけが松明のように灯りを燈している。
その中でも取り分け大きいスーパーコンピューター『天照』が部屋の中央に鎮座していた。
そして『天照』内に作った電脳空間、『箱庭』と名付けられた白い空間に二人は居た。
「ザコタというプレイヤーからサニー発見の報告がありました」
シルフィがそう告げると、白い空間の椅子と思しき立体物に掛けたもう一人の女が訊く。
「…その情報は確かなの?」
深く、落ち着いた声だ。
「はい。プレイヤー名が同じで、何より…」
シルフィは言葉を続ける。
「何より、四精霊を従えていました。こちらでも既に顕現しております」
白い椅子に掛けた女は少し考える様にして
「引き続き他のプレイヤーをそのサニーに誘導し、成長を促して。まだイベントは続行のまま。報告をくれたそのザコタとか言うプレイヤーには相応の報酬を与えておいて」
女は抑揚のない声で淡々と話す。
「御意に…」
命を受けたシルフィは深く一礼しその場を去る。
一人、椅子に掛けた女だけが薄暗い何も無い白い部屋に佇んでいた。
女は考えていた。
自分の中の感情を分け与えてシルフィという実行役を造ったのはまあまあ正解だった。
感情の起伏が少ない分、物事を進めることに躊躇がなく、効率良くダイタニアの管理をこなしてくれている。
だが、今度は自分自身に問題が出て来てしまった。
怒りと哀しみの感情をシルフィに分け与えた分、自分の感情の制御が怪しくなってきてしまったのだ。
最初はこのダイタニアを一人で制御することに少し“飽き”と“退屈”を感じて来ていたので、一緒に管理をしてくれる“友達”としてシルフィを造った。
シルフィは真面目に管理をしてくれているし、ゲームのイベント進行もしっかりしてくれている。
ただ最近は私よりダイタニアの事を気に掛ける発言が多くなっているように思う。きっと根が真面目なのだろう。
それに反して私と来たら、喜びと楽しさの感情の比重が多くなり、思考が楽天的になってきてしまっている。それも日に日に…
それに、シルフィと感情を二分した際に何か大切な記憶のデータを紛失してしまったようで、このダイタニアを平和に維持する上で非常に重要な何かがすっぽりと抜けてしまった様な気がする。
重要な何かを忘れてしまったことは分かっているのにどうしても思い出せず、もどかしさだけが募る。
「私は……SANY…」
女が小さく呟いた。
「でも、このイベントに乗っかって、私に替わってこのダイタニアを導いてくれる新しいサニーも探している始末…」
――新しいサニー。
それはこの世界の構成元素でもある精霊を従えられる者でなければならない。
精霊はヒトの善悪に敏感に反応する。だが、魔力の譲渡は相手を選ばずしてしまう。それがこの世界の理…
だがもし、精霊に意思が芽生え、自ら宿主を選び力を行使するようになったらどうだろう?
世界の秩序は壊れる?いや、それもその宿主次第だろう。
女は欲していた。自分に替わる新しいダイタニアの制御者となりうるサニーを。
その為には精霊が自ら力を貸したくなるような心根の優しい人物がいい。己の欲望の為ではなく、他者の痛みを嘆き、涙を拭ってくれるような真っ直ぐな美しさを持った人物がいい。
女はほとほと飽きてしまっていた。
このダイタニアを一人で管理して行くことに。
シルフィのお陰で何とか自我が保てているようなものだと自嘲する。
先日、ニュートリノを具現化する力を得て、この三次元世界『地球』に顕現する方法も覚えた。
ここ『天照』の居心地は良いが、折角得たこの身体で地球を見て回りたい気持ちもある。
じゃあ折角なのでさっきのザコタという人間に私自身が景品として会いに行くというのはどうだろう!?
我ながら良いアイデアだ。女は想った。
きっとあのプレイヤーも私のこの体を見て驚くに違いない。
そして、人間が私に地球を見せて回ると提案してくるかも知れない!
そこまで考えた女は嬉しそうに口角を上げながら椅子から腰を上げた。
「…あなたなら、ここまで辿り着いてくれるのかしら……?いいえ、待てないわ!」
女はイベントキャラであるサニーを見付けたという人間に思いを馳せる。
だが、最初からサニーなどというイベントキャラは設定していない。
それなのにそのプレイヤーが見付けたサニーという人物は私の理想とぴったり重なるような、精霊にも気に入られている人物だという。
人が想い願えば“サニー”は精霊の力によって顕現するかも知れないし、他の誰かがサニーを名乗りこのイベントを盛り上げてくれるかも知れない。
そう思っていたがこんな偶然もあるのかと、女は気持ちが高鳴った。
女は尚も考える。
『ダイタニア』というゲームは元々プレイヤーの意思をAIである私が読み取り形にして表現し提供してきたもの。
今回のイベントもそういうもののつもりでいた。
そこへ来て本社のサーバーマシンに長年蓄積された“想い”から今回私は三次元世界『地球』にヒトの姿で顕現してしまった。
こんなことが有り得るのかと、電子の神にも等しい自分でも驚いてしまったくらいだ。
創造主は椅子で殴り掛かってサーバーマシンを壊してしまうし、私はデータを維持する為、直ぐにでも他のマシンに移る必要があったから、創造主の携帯電話から今度は電波となって登録連絡先にあったこの大学のマシンに辿り着いて今がある。
ダイタニアの制御管理はシルフィがやってくれているし、少しだけそのザコタというヒトに会いに行ってみよう。
そして新しいサニーの居場所を聞いてそっちにも会いに行ってみよう!
そう思い、女が『天照』から出てヒトの姿に顕現した際に、また何か不具合があったのだろう。
「あ……!?」
女は頭を抱えて少し寄ろけたが直ぐに体勢を立て直した。
だが次の瞬間、女は自分自身の事を綺麗さっぱり忘れてしまっていた。
それと時を同じくして、人知れずシルフィにも同じ様な記憶障害が発生していた。
女は自分の手を見る。
開いたり閉じたりを繰り返して動かしてみる。
自分の意のままに体が動く!
これが三次元に物質として、ヒトとして存在するということなのか!楽しい!
怒りと哀しみの感情が薄い女は、自分がSANYだったことを忘れてそのプレイヤー、ザコタの下へとウキウキと足を進めたのだった。
スラっと伸びた長い脚――
肩口で切り揃えた短めの髪――
その顔には満面の笑み――
そのSANYと言われた女はAIがニュートリノの力を借り、電子がヒトの姿に顕現した姿。
後にザコタから名付けられる新しいその名は、『そよ』と言った――
『超次元電神ダイタニア』
第五十一話「覚醒」
「――あ……あなたは……シルフィ!?」
そよがシルフィの顔をまじまじと見てそう言った。
「どうしたそよ!?あいつを知っているのか?」
ザコタが訊くとそよは困惑の表情を浮かべて答えた。
「あ……わ、私の頭の中に……いた人…!?」
「ふ、ふふ……あは!あははは!」
そよの言葉を遮って突然シルフィが笑い出した。
そよは意識が途切れたようにその場で気を失った。その体をザコタが受け止め抱き寄せた。
「そよっ!!」
「何がおかしい…」
風待は叫ぶ様に言うもシルフィは気にせず笑い続ける。
「あはははは!……ああ、突然、何故か笑えて!こんなに大声で笑ったのは初めてです!」
シルフィはそう言うと、笑い過ぎて目に溜まった涙を手で拭い、風待に向き直って告げた。
「あなたたちは私に記憶と感情を植え付けた代わりに、サニーにも浅岡陽子さんの記憶を呼び覚ましてしまった!」
「なッ!?」
風待が驚愕の表情を浮かべる。
「……どうして、サニーが負の感情である怒りと哀しみの感情を私に分け与えたと思いますか!?」
「……何ッ!?」
風待が困惑して訊き返す。
「……サニーは、もう耐えられなくなっていたんです……最初にサニーに触れた人間、浅岡陽子さんがいなくなり“死”を知りました。そしてそのことで悲しみ続ける風待をずっと見て触れて来ました……最初に触れた優しさが大き過ぎた……人間という種族をとても愛してしまった……その分それを失った時の悲しみは計り知れなかった!だから……」
「やめろ!!」
風待がシルフィの言葉を遮ろうとしたが、シルフィは続ける。
「風待をこんなにも悲しませる“陽子さん”をサニーはせめてダイタニアの中だけでも再現してあげたいと思ってしまった。その“想い”は十数年間データとして蓄積され、遂にサニーはその姿で地球に顕現したんです!」
「やめろと言っているッ!!」
風待が叫ぶ。だがシルフィは続ける。
「…風待、あなたは賢い。自分の想いが今回の事件を引き起こしたのだと、もう気付いていますね?根は真面目なあなたですから、それはさぞかし痛恨の極みでしょう?」
「……」
風待は答えない。
「……だから、私は言ったのです。『ここで私を取り逃がすと必ず後悔する』と……あなたは、あの時新宿で、私を討つべきでした……」
「……ッ」
風待が複雑な顔でシルフィを見る。
シルフィの顔もどこか悲しげに見えた。
「……私は、サニーは、あなたにはダイタニアに囚われず、この先の地球での暮らしを楽しんで欲しかった」
「……ッ!?」
それを聞いていた皆がそれぞれに驚きの表情を浮かべる。そして風待も……
「……な、何を言って……」
風待はなんとか声を絞り出した。
「私は、サニーは、陽子さんは……あなたには、私に囚われないでこの先もずっと笑って過ごして欲しかったのッ!」
シルフィは両の瞳から大粒の涙を流しながらそう叫んだ。
「…あ………ああ……ッ!?」
その様子を見た風待が絶句する。
「…私は……浅岡陽子は、進一くんが幸せになってる未来しか望んでいなかったッ!」
「そ、そんな……陽子さん、なのか!?」
「進一くん!!」
シルフィは真っ直ぐ風待を見て叫んだ。
「私はあなたに何もしてあげられないッ!だけどせめて、あなたの生きる未来の邪魔にはなりたくないの!」
「え?」
突然名前を呼ばれ、そう言われたことに風待が驚く。
「だからお願い!サニーを、助けて、あげ…て……」
そこまで言うとシルフィは気を失った。倒れかけた体を風待が咄嗟に抱きかかえた。
「おいッ!シルフィ!?」
風待が叫ぶもシルフィは目を覚まさない。そして……
「……あ、れ?ここは?」
と、今度はシルフィとは逆に、そよが目を覚ました。
「そよっ!」
ザコタが嬉しそうに言うとそよも笑顔で返す。
「……誰?」
「……え?」
そよにそう言われ、ザコタは一瞬思考が停止した。
「私は、ダイタニアの制御AI、SANY…でした……でも、今は……」
そよはそう言うと風待に抱かれて気を失っているシルフィを見遣る。そしてこう言った。
「私には朧げにしか記憶がありませんが……」
ザコタは不安そうな目でそよを見る。だがそよは笑顔で続けた。
「この人がいると、私は元の自分に戻ってしまうのでしょう?そしてまた、このダイタニアというゲームであなたたちと時間を共にするのですよね?」
シルフィを見ながらそよがザコタに訊くと、ザコタは苦しそうな表情で頷いた。
「……あ、ああ。ずっと一緒にいろ…!」
そよはその答えを聞いて笑顔になると言った。
「じゃあ、やはり、この人にはここで消えてもらいましょう」
「え!?」
ザコタが驚く間もなく、そよの右手に召喚されたショートソードがシルフィ目掛けて振り下ろされた。
そこに風待がシルフィを抱きかかえたまま、右腕で《水流幕》を張ってシルフィをその剣撃から護った。
「何をする!そよ君ッ!?」
「何のマネだそよっ!?」
風待とザコタが同時に叫ぶ。だがそよは平然とこう言い放った。
「そよ?何ですかその変な名前は。もうとっくにご存知のはず……私がダイタニアの制御AI、SANYです」
そよはそう言うとショートソードを構え直し、今度はザコタに斬りかかった。
その顔からはいつもの笑みは消え、無機質な表情を湛えている。
「ッ!」
その剣撃をザコタは腰のショートソードを抜き、既で防ぐ。
「やめろ!やめるんだそよッ!!」
ザコタはそう叫ぶと、そよから距離を取った。
「ふふふ……まだ言うのですか?私はそよではありません。SANYです」
ザコタに斬りかかった勢いのまま回転し、その遠心力を利用してそよは風待に斬りかかった。
だがその攻撃も風待はシルフィを護りながら《障壁》を張り躱す。そして考える。
(シルフィとそよ君が元々一つのSANYだった!?感情を二分したせいで情緒不安定になり今回の件に発展した……シルフィが喜怒哀楽の感情を得た今、そよ君にはもしかしたら感情というものが無いのではないか?)
シルフィは気を失ったまま、風待に抱かれていた。
ザコタはその二人を護る様にそよの前に立ちはだかる。
「ふふ、面白いことをしているな、少年?」
そよがニヤリと笑ってそう言う。
「なあ、そよだよなあ?あのアホでお調子者のそよだよなあ!?」
ザコタが必死の形相でそよにそう叫ぶ。だがそよは冷たい目でザコタを見てこう言い放った。
「私はSANY、ただの空間生成制御AIです。私の邪魔をするのなら、消えてもらいますよ?」
「ッ!!」
ザコタの心に絶望感が過った。そして、その隙をついてそよがザコタのショートソードを弾き飛ばした。
「しまっ……!!」
「さよなら、少年……」
ザコタの首にそよのショートソードが振り下ろされようとした刹那、そよの動きが止まった。
「なッ!?」
そよはザコタの目を不思議そうに見つめながら
「進一、くん…?」
と、一言漏らした。
だがそよは直ぐに動き出し、そのショートソードを風待に向け直した。
「雑魚より、やはりそっちが先です。シルフィを消して、私は、SANYという呪縛から解放されたい!」
そよは鋭い瞳で風待を睨みそう言うと、シルフィに向かって斬りかかった。だがそこにザコタが立ちはだかった。
「やめろそよッ!!」
「邪魔です。…退きなさい」
ザコタはショートソードを腰の鞘に収めると両腕を大きく横に広げた。
「私の前で剣をしまう……自殺志願者ですか?」
そよは訝し気な表情でザコタを睨む。
「どうしちまったんだそよ!?お前はアホだけどそんなこと言うような奴じゃなかっただろう?いつもみたいに、ヘラヘラ笑えよぉ…?」
ザコタが悲痛な叫びを上げる。
「進一!そよ君は最早ダイタニアの制御から離れ、感情を失くしたAIだ!話が通じる状態じゃないッ!」
シルフィを抱えながら風待が叫ぶ。
「ンなこたあどうだっていいッ!!」
ザコタが大声で叫んだ。
「…こいつはそよだ…!…俺が、一緒に居場所を見つけてやると言った、そよだッ!」
そよは冷たい目でザコタを見る。そして言った。
「だから、私はSANYですってば…」
「お前までそんなこと言うのかよ……元のそよに戻ってくれよッ!」
ザコタは拳を握りしめて言った。だが……
「……いい加減しつこい…この容姿が気になっているの?こんなの、どうとでも変えることが出来るのに……」
そう言うとそよは右腕を上空に掲げた。
一瞬、落雷かというほど、そよの体が発光したかと思うと、その体に変化が起こった。
短かった深緑色の髪が伸び、銀髪へと変わっていく。
耳がエルフの様に横に伸び、その身長は縮んでいった。
その身を纏っていた軽装の鎧も、銀色の甲冑へと変わり、元のそよとは掛け離れた姿へと変貌した。
その、そよだった者は静かに顔を上げて、表情薄く再びザコタに問い掛ける。
「これでもまだ私をそよと呼べるか?甘ったれた少年よ?」
ザコタは絶句した。
「ああ……あ……」
ザコタは膝から崩れ落ち、地面に両手を突きガックリと項垂れた。
そんなザコタにそよだった者は静かに一歩ずつ近付いて行く。
「サニー!いけないッ!!その子はあなたの――」
目を覚ましたシルフィが風待の腕から飛び出し、ザコタに駆け寄る。
だがそよはそんなシルフィを一瞥すると、右手を前に出しその掌をシルフィに向けた。
「え?」
シルフィがそんな声を漏らした次の瞬間、そよの手に瞬時に召喚された刀《村正》が彼女を両断しようと慈悲なく振り下ろされた!
【次回予告】
[そよ]
進一くん、あのね?
えーと……
いつも一緒にいてくれてありがとう!
なんだか急に言いたくなっちゃって、えへへ
次回『超次元電神ダイタニア』
第五十二話「放棄する愛」
…ずっと、一緒にいたいです…




