第21話 さくらの家
駅で待ち合わせ。
今日はさくらの家に行く日だ。
もうすでに千尋は来ていた。
家が一番近いていうのもあるんだろうけど。
由実も来ていた。
その次が私だった。
時間より10分早く着いた私より早いから。
二人とも何時に来ていたんだろうか。
迎えに来てくれるはずのさくらが遅刻とは。
予定時刻より10分遅れてきた。
さくら「みんな早いね」。
「まった?」
わたし「さっき来たところ」。
さくら「一番最初に来た人は?」
「千尋か」
千尋「予定時刻より30分早く来たから」。
「さくらがくるまでに40分くらい待ったかな」。
「待つの好きだからいいけど」。
さくら「千尋早く来すぎだよ」。
「じゃあ行こうか」。
さくらの家は32階建てのタワーマンションの10階だった。
わたし「結構いいとこ住んでるじゃ」。
「眺めいいし高そう」。
「由美の家の一戸建てみたいにあんまひろくないけど」。
入って。
「おばさんこんにちわ」
。
おばさん「さくらから友達の事いつも聞かされてるわよ」。
「いつもお世話になってるみたいわね」
「ありがとう。うちの子と仲良くしてくれて」
「こちらこそさくらさんにはお世話になってます」
「みんな来るって聞いてたから」。
「ケーキ買っといたの」。
「あとでお茶と一緒に持っていくわね」
由実「さくらの部屋て殺風景だね」。
「物があんまりなくさっぱりしてるね」。
わたし「もっとかわいい部屋にすればいいのに」。
「さくらの部屋もっともの多くて散らかってると思った」。
さくら「片づけ下手だから物少ないのよ」。
「散らかしようがないっていうか」。
おばさん「どうぞ。ケーキと紅茶よ」。
「おばさんありがとうございます」
わたし「このチョコレートケーキおいしいね」
「またこの紅茶が合う」
「さくらありがとう」
さくら「お母さんにいってよ」
「喜ぶから」
「なにもそんな気を使わなくていいのにね」
「お母さん友達が来てうれしいのよたぶん」
由実「ゴールデンウィークあけたらいよいよ中間考査だから」
「退学にならないように勉強しましょ」
さくら「えートランプしようよ」
「一回だけ」
「大富豪やろう」
わたし「あー負けた大貧民」
「由美が大富豪」
リアルを象徴してるかのようだ。
大富豪はいいカードと交換してもらえるから
2回目以降も有利に戦えるのだ。
でも革命がおこれば状況はひっくり返るからおもしろいんだけど。
さくら「大富豪は2回目以降が楽しいよね」
「もう一回やろう」
由実「だめ勉強しに来たんでしょ」
「ほらほら数学の教科書とノートだして」
さくら「あー食塩の計算の方程式が組み立てられない」
「もうわからない。」
「中学受験で勉強させられてまた勉強か」
「うんざりする」
わたし「連立方程式を使った文章題も難しいよ」
「式が組み立てられない」
「冷や汗が出てくる」
さくら「なんで数学なんて世の中にあるのかね」
「大人になっても役に立たなそうじゃない」
「女の子はまだ家庭科とかできたほうが役に立つと思う」
由実「ここがあーなってこうやって式組み立てるのよ」
「数学は暗記科目よ。頭がいい悪いじゃなくて努力すればできるの」
さくら「由美の説明先生よりわかりやすい」
「やっと解けるようになったわ」
「テストが楽しみかも」
由実「次は英語やりましょ」
さくら「英語はみんなスタートライン中学からだから」
「苦手意識あまりないのよね」
「これから嫌いになってくかもしれないけど」
「由美ちゃん教えて」
「三人称単数現在は動詞にSがつくのよ」
「なるほどなるほど」
「英語のほうがわかるから」
「危ないのも数学だけだな」
「社会科の歴史も覚えること多すぎてうんざりだけど」
わたし「歴史に興味があれば覚えるの苦痛じゃないよ」
「単純暗記ですむ社会科のほうが楽じゃない」
「頭使わなくていいもの」
さくら「でも努力しないと頭に入らないでしょ」
「そこがめんどくさい」




