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第19話 初恋の人

小学校の友達菊川君に電話していた。

わたし「突然すぎてごめんなさい」。

「今日会いたいんだけど」。

「これから会えるかな」。


菊川「今から?」

「公園で会おう」。

「特に予定がないから大丈夫だよ」。


近所の公園に急いで向かった。

うききしながら。

急ぎ足で。

彼はまだ来てなかった。

ベンチで座って待つことにした。


わたしの女装姿見せるの初めてかもしれない。

ドキドキする。


菊川君がきた。

菊川「一瞬誰だかわからなかったよ」。

「お前綺麗になったな」。

「こうなることも予想できたけど」。


「ずっともう女の子でいるのか?」

「すごいな」

「ばれないように女子校にまで通って」。


わたし「いじめられなくなったよ」。

「女の子の友達もできて今は幸せ」。

菊川「そか。よかったな」。

「小学校の時いじめられてたものな」。


わたし「近所で女装するのはまだ怖いけど」。

「ばれていじめられるかもしれない」。

菊川「まだ卒業から1か月くらいしかたってないけど」。

「ちょっとみじゃ神楽坂て気づかないんじゃないかな」。

「大丈夫だと思うよ」

「だって可愛いじゃないか」。


「男て知ってみなければ」。

「女の子じゃないか」

わたし「ありがとう。うれしい」。


「そっちの男子校はどう」。

菊川「女の子がいないから」。

「ちょっと寂しいな」。

「女子校と交流したいな」。

「そっちの友達とこっちの友達でデートとかできないかな」。

「可愛い子いるんだろ」。


わたし「それいい考えかもね」。

「そっちもかっこいい子いるんでしょ」。

「みんな喜ぶと思う」。


菊川「夏休み海とか行きたいな」。

「さすがに水着だとばれちゃうかお前ついてるから」。

「今見た感じだとついてるのが不思議なくらいだ」。

わたし「水着にはさすがになりたくないかな」。


「体育の時間も苦労してるから」。

「女の子の中で着替えないといけないからか」。

菊川「それはドキドキだな」。


わたし「遊園地ならいいよ」。

「それならばれないと思うし」。

菊川「遊園地かいいな」。


わたし「ゴールでウィークじゃ遊園地混むかな」。

菊川「混んでてあまり乗れないかもな」。

「普通の土日のほうがましかもな」。


わたし「菊川君はゴールデンウィーク何するの」。

「勉強かな」。

「特に予定ないから」。

「むなしいな」。


菊川「お前はなんか予定ある」。

わたし「女友達と遊ぶくらいかな」。

「ゴールデンウィーク開けたらいよいよ中間考査だけど」。

「遊びたいな」。


菊川「予定は漠然とあるのか」。

「ないんなら一緒に遊べるかと思ったのに」。

「残念だな」。


わたし「ゴールデンウィークは混むから友達の家か自宅でまったりかな」。

菊川「そうだよなあ」

「それで突然だけど」。

「お前性同一性障害ってことは男やっぱ好きなの?」

わたし「まあそうだね。小学校の頃もいったこともあるじゃない」。

菊川「あーそうだったけなあ」。


まさか菊川君が好きとは言えないけど。

「もしかしてオレのことが好きとか」。

わたし「好きよ」。

「友達としてだけど」。


菊川「なんだそうか」。

「おれノーマルだからな」。

「好きといわれても困るな」。

「おれも友達としてならお前のこと好きだよ」。


脈がないということか。

悲しいな。でもしょうがない。

恋人の関係もとめたら破局するだろうから。


菊川「男子校ってホモが多いってうわさあるから」。

「男子校行けばよかったのに」。


わたし「女として男が好きだから」。

「ホモは嫌いなの」。


菊川「お前もこだわりがあるんだな」。

「じゃあ性転換手術はするつもりなのか?」

わたし「まだわからない」。

「手術は怖いし」。

「でも女の子として愛されたい」。


菊川「世界は広いし」。

「それ理解してくれる人も中にはいるよ」。

「がんばれ」。


「じゃあそろそろ帰るか」。

「またいつでも電話してくれよ」。

「今度一緒に遊ぼうな」

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