第16話 女性車両
下り千葉方面の電車で通勤ラッシュといっても上りよりは隙間はある
もう慣れてきたけど。
こんな混雑したとこでセーラー服着た少年がいたら目立って。
ばれるのかと思いドキドキだ。
ばれたら変態扱いだ。
気付いてる人もいるかもしれない。
でも逆だということが今日わかる出来事があった。
痴漢にあったのだ。
女に見られてるということだ。
つい最近小学生だった色気のない。
男の娘に手を出すなんて。
なんて変態なんだろ。
幼い子が好きなんだろうか。
痴漢がこんなに気持ち悪いものとは初めて感じた。
誰だかわからない男に触れられるなんて。
混雑してるとはいえ隙間もあるほうな電車だと思う下りだから。
なのに密着してくる男がいるのだ。
気持ち悪い。
スカートの中に手は入れてこないが。
手がおしりに当たってるのだ。
確信犯じゃないのに痴漢とも言えないし。
いうのも怖いから。
バックでガードしようとした。
気持ち悪いから降りますといってひとつ前の駅で降りてしまった。
各駅はすぐ来るから一本ずらして乗った。
ほんと気持ち悪くて。
学校につくと由美に相談した。
わたし「痴漢かもしれないけど勘違いかもしれなくて痴漢とも叫べないし」。
「何も言えなかったからまたやられるかもしれないから怖い」。
由実「時間ずらして同じ人に狙われないようにするか」。
「車両をずらしてまた狙われないようにするか」
「わたしと時間合わせて一人でいないようにして被害にあわないようにするとかしかない」。
「一緒に通学しようよてことになった」
一緒に通うとなると男子トイレ入れなくなるけど。
由美におかまだってばれたら大変だ。
でもこの前男子トイレはいったら。
こっちは男だぞていわれた。
完全にパスしてるらしいな。
セーラー服の男子中学生なんてまさかいないと思うし。
わたしも自分じゃ自覚不足だが。
結構かわいい女の子に見えるらしいのだ。
パンツの中にまで手入れられたらおかまだってばれるかもだから。
余計恐怖を感じる。
痴漢自体も気持ち悪いのに。
同じ学校の子に男だってばらされたらショックだ。
しばらく女性車両のるしかなさそうだ。
おかまなのに女性車両のっていいのて気もするが。
痴漢にまた会うよりもましだわ。
・・・・・・・・
帰り不安になって由実と「一緒に帰ろう」というと。
由実「ごめん調理部今日あるから」。
わたし「さくらもかあ」。
愛実は逆方向だし。
また痴漢にあったらいやだなて思っていた。
帰宅ラッシュになる前の今の時間帯なら。
すいてて痴漢もしにくいんじゃないだろうか。
バックを後ろに背負いおしりを隠すようにして警戒しながら帰った。
やっぱ一人だと不安だ。
今朝みたいなことがないといいが。
何とか今日の帰りは無事帰宅した。




