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【web版】ここは俺に任せて先に行けと言ってから10年がたったら伝説になっていた。  作者: えぞぎんぎつね
五章

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225/303

225 襲撃

前回のおはなし:屋敷の工事をしてたら襲撃があったらしい。


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 ダークレイスの襲撃は近いうちに来るはずだとは思っていた。

 だが、さすがに今日来るとは思わなかった。魔道具と屋敷の強化が正常に機能したかも心配だ。


「襲撃を受けたのはどの部族なんだ?」

『うちの部族だ。安心しろ。ダークレイスの侵入は無事防いだ』

「それなら良かった」

『モルスさんもいるし、ロックたちの作ってくれた魔道具と屋敷への強化のおかげだ』


 魔道具と屋敷の強化が機能しているようで、ひとまずは安心だ。

 息をのんで、近くで話を聞いていたシアたちもほっと息をついていた。


 それから、少しだけ話をして、通話を切った。

 ダントンもほかの族長に連絡しなければならない。こちらとばかり話してはいられない。

 詳しい報告は、作業が終わり次第、ダントンの屋敷に戻って聞けばいいだろう。


 急いで、俺たちが作業を続けていると、族長が走ってきた。


「ダークレイスに関する報告をここで一緒に聞きましょう」

「それは助かります」


 狼の獣人族の族長たちは互いに通話できる腕輪を配られている。

 その腕輪を使って、ダントンから一斉に族長に説明するようだ。


 俺たちは作業の手を休めずに、ダントンからの報告を聞いていく。

 どうやら、ダントンの屋敷だけでなく、複数の屋敷が同時に襲われていたようだ。

 幸いなことに、無事すべて撃退できたようだった。


『敵は魔道具と屋敷の強化については知らなかったから、この程度で済んだのでしょう』

『あくまで偵察目的だったということも大きいでしょうね』


 族長たちの言うとおりだ。

 本気で狼の獣人族をつぶそうと考えるのなら、ダークレイスと同時に強敵を連れてくるだろう。

 ダークレイスだけで来たということは、偵察目的だったということだ。


『偵察が失敗したということは、次に敵がとる手は……』

「より準備をした偵察か、ばれたことにより本格的な襲撃を早めるか、でしょうね」


 俺が作業しながらそういうと通話の腕輪の向こうで族長たちがうなずく気配がした。

 もちろん、敵があきらめてくれるのが一番楽でいい。

 だが、それを期待するのはあまりにも楽観が過ぎる。

 油断しないよう、気を引き締めるということで族長たちの通話は終わる。


 そのころには、俺たちの作業も無事終了した。

 ほっとした様子でシアが言う。


「魔道具の設置完了と同時に鈴の音が鳴り響かなくてよかったでありますよ」

「そっか。侵入されていたら、設置完了と同時になるのね」

「そうだな。だが、ここも狙われる可能性が高い。いつ鳴ってもおかしくはない」

「どうして、ここは襲われなかったのかしら?」


 セルリスが不思議そうに首を傾げた。


「ケーテさんが外にいるので引き返したのかも?」

「確かにルッチラの言う通りかもしれないわね! ケーテ、とても強そうだもの」

「実際、ケーテは強いからな」

 そんなことを話しながら、屋敷の外へと向かう。ケーテにもいろいろ報告せねばなるまい。


 屋敷を出るとケーテはさみしそうにしていた。

 日が沈んだため、子供たちは屋敷の中に入っている。だから一人だった。


「ロック! そっちの作業は終わったのだな!」


 地面に指で穴を掘っていたケーテが、俺を見て嬉しそうに尻尾を揺らした。

 ケーテの掘った穴は帰る前に埋めておかなければなるまい。

 それはそれとして、屋敷の強化を先に終わらせた方がいいだろう。


「ケーテ、待たせたな。すぐに強化作業に入ろう」

「うむ! もう慣れたものなのである」

「作業が終わったら、報告もある」

「作業しながらでも、我はお話を聞けるのである」

「そうか、それなら話しながらやるか。だが、外だからな、どこに耳があるかわからない」


 機密の話は外ではしにくい。どこで誰が聞いているかわからないからだ。

 だから俺は念話テレパシーの魔法を使うことにした。

 ケーテ、シア、ニア、セルリス、ルッチラ、ガルヴとゲルベルガさまにもつなぐ。


『念話で話そう。いくつかの屋敷にダークレイスの襲撃があった』

『なんと! それで追いかえせたのであるか?』


 ケーテは念話に驚くこともなく、普通に念話で会話を続けてくれる。

 セルリスとゲルベルガさまとガルヴはびくっとした。

 シアとニアとルッチラは平然と聞きながら作業を続けている。


 ニアとガルヴ、ケーテには念話で話しかけたことがある。

 だが、それ以外の者に俺は念話を使ったことがない。驚いても仕方がない。

 とはいえ、シアは長い間冒険者をしていたから念話は初めてではないのだろう。

 ルッチラはかなり強い魔導士なので念話ぐらい自分も扱える。


『ガルヴには念話で話しかけたことがあったはずだが……』

「がうぅ」


 ガルヴは恥ずかしそうに耳と尻尾をしょんぼりさせていた。

 ガルヴを励ますために頭を撫でる。


『まあ、ガルヴは慣れて行けばいい。で、ケーテ。無事ダークレイスは追い返せたそうだ』

『それは何よりであるなー。魔道具と屋敷の強化が役に立ってよかったである』

『そうだな。こちらにもいつ来るかわからないし、屋敷の強化を急いで済ませておこう』


 そして俺たちは大急ぎで屋敷を強化していく。


 強化作業が半分ほど終わったとき、

 ――リリリリリリリリ

 魔道具が作動した。

こっちにも襲撃です。

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