表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神を【神様ガチャ】で生み出し放題 ~実家を追放されたので、領主として気ままに辺境スローライフします~  作者: こはるんるん
4章。魔王との対決編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

68/131

68話。イリーナ、妹を守る

 魔王ベルフェゴールが鼻で笑うと、その手に剣が出現した。

 できれば、魔王の器にされたナマケルを救ってやりたかったが……手加減などできる相手ではない。

 全力で踏み込み、僕は音さえ置き去りにするような斬撃を叩き込んだ。

 

「ハンッ、ぬるいな兄貴!」


 ベルフェゴールの剣が閃き、僕の斬撃を弾く。

 挟撃する形で、女神ヴェルンドが背後から魔王にドリルを突き込む。だが、ヤツは背中に目があるかのように身を翻してかわした。


「くぉおおおお……っ!」


 さらに僕は剣を連続で振るい、ベルフェゴールを斬り伏せようとする。

 アルフィンのスキル【剣神見習いLv385】で強化され、視認することもできないほどの高速剣が、ヤツに降り注いだ。


「【神剣の工房】! マスターの剣を強化せよ!」


 さらに女神ヴェルンドがスキルの重ねがけで、僕の剣の攻撃力を跳ね上げてくれる。

 【神剣の工房】×【神剣の工房】で、元の攻撃力の25倍という尋常ではない強化率になっていた。


「おおっ、すげぇ! 当たれば俺なんざ、一発であの世行きだな」


 魔王ベルフェゴールは、白い歯を見せて笑う。

 ヤツは僕の猛攻を、すべて体捌きでかわした。


「まっ。当たらねぇけどな」


「なにっ……!?」


 コイツ、Sランクの魔法を何十、何百と同時発動するだけでなく、剣の腕も超一流だ。


「アルフィンより、はるかに剣が立つのか!?」


 僕は最近、朝起きたら、剣神の娘アルフィンに剣の稽古をつけてもらうようにしていた。体感として、ベルフェゴールの方がアルフィンより強い。


「アルフィンって……おいおい。あの脳味噌お花畑のバカと、この俺を一緒にしないでくれよ」


 せせら笑いながら魔王が指を鳴らすと、また中空に何十、何百という魔法陣が一斉に現れた。


「まずはお姫ちゃんの命をいただこうか。兄貴の相手はその後だ」


「アルト! ベルフェゴールはまだ魔力が万全でない状態よ。ティオを生け贄にして、魔力を回復しようとしているわ!」


 ルディアが大声で警告する。

 これでまだ魔王は、100パーセントの力ではないというのか?

 もしティオまで生け贄にされたら、僕たちに勝ち目はない。


 逆に言えば、今ならまだ付け入る隙があるということだ。


「はぁあああああ──ッ!」


 僕はヴェルンドと一緒に何十発と攻撃を繰り出す。魔王は余裕ですべてかわす。

 まるで、こちらの攻撃が予めわかっているかのような動きだ。

 山を割るほどの威力を持つ武器だろうと、当たらなければ意味がない。


 焦燥が僕の胸を焼く。


「バハムートよ! ティオを守れ!」


 魔法が一斉発射された瞬間、僕は神竜バハムートを召喚した。

 交代するように破壊された巨神兵は光の粒子となって消滅した。巨神兵はカードとなって手元に戻るが、もう一度使えるようになるかはわからない。


「承知した、我が主よ!」


 バハムートの巨体がティオの前に壁となって現れる。

 流星のように撃ち込まれる魔王の魔法を、バハムートは【神炎のブレス】で迎撃した。


 【神炎のブレス】に触れた魔法は爆散するが、物量差がありすぎた。

 バハムートの身体に、魔法の矢が降り注ぐ。


「ぐぉおおおおっ……!?」


 最強のドラゴンが、苦痛の咆哮を上げた。

 くそう。バハムートが時間稼ぎにしかならないのか?


「ルディア! ティオを連れてとにかく脱出しろ!」


 魔王になおも斬りかかりながら、僕は叫んだ。


「ティオ! イリーナはルディアの【世界樹の雫】が使えるようになれば、復活できる。お姉さんの身体を外に運びだすんだ!」


「は、はい!」


「わ、わかったわ!」


 ティオの顔が希望に輝いた。ルディアの【世界樹の雫】はあと24時間ほどで、再使用可能になる。

 このスキルは死後24時間以内であれば、死者の復活も可能だ。


 つまり、ギリギリ、イリーナを生き返らせることができる計算だ。

 ダークエルフとの和解の切っ掛けになるだろうイリーナを、こんなところで死なる訳にはいかない。

 なにより、ティオに笑顔を取り戻させてやりたい。


「逃がすかよ。ルディア! この邪神が!」


 ベルフェゴールはルディアにも、無数の攻撃魔法を浴びせた。

 バハムートがブレスを放って、魔法を撃ち落とす。ルディアは頭上で連続する爆発に悲鳴を上げた。


「邪神って、私のこと? 相変わらず失礼なヤツね!」


 くそう、しのぎきれないか……

 せめて、あと一人、戦力になる者がいてくれたら。


 その時、ティオとルディアの周囲に、赤く輝く魔法陣がいくつも出現した。

 魔王の魔法かと一瞬、僕は息を呑む。


「私の妹まで殺させないわよ。魔王様」


 死んだハズのイリーナが、弾ける光と共にティオの前に現れた。

 不思議なことに、ティオはイリーナの屍を抱えたままだ。


 こ、このイリーナは一体?


 僕の脳裏に閃くモノがあった。確か、イリーナは本物とまったく同じ、偽物の自分を生みだすことができるんだ。


 赤い魔法陣から無数の【魔法の矢】(マジックアロー)が放たれる。それらは魔王の魔法に激突して、攻撃の方向を反らした。

 魔王の攻撃魔法はすべて不発に終わる。


「おいおい、まさか俺の授けたスキルで、この俺とやり合おうってのか? 死んだのなら、大人しくしとけっての」


 魔王が忌々しそうに舌打ちする。


「ええっ。私の魔力では、あなたの魔法を相殺できなくても。ベクトルの向きを変えることくらいはできますわ」


「イリーナお姉様!? なぜ、どうして……っ?」


 ティオが驚愕に目を瞬く。


「混乱させてしまってごめんなさい。私のスキル【ドッペルゲンガー】は、もうひとりの自分を生み出すスキルなの。本体の私が死んでしまった以上、この幻影の私も5分もしないうちに消えるでしょうけど……

 最後に残された時間。この命のすべてをかけて、あなたを守るわ」


 幻影のイリーナは、ティオに澄んだ笑みを向けた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
↓こちらもオススメ! 同じ作者の新作です!

魔王少女の勘違い無双伝~中二病をこじらせて、配下の人間も守る誇り高き悪のカリスマムーブを楽しんでいたら、いつの間にか最強魔王軍が誕生していた件

▼コミカライズ版が発売されています! 2023年4月27日『 電撃コミックスNEXT』より刊行。
『神を【神様ガチャ】で生み出し放題 ~実家を追放されたので、領主として気ままに辺境スローライフします~』
ぜひお手に取っていただけるとありがたいです!
91i5laIpCwL._SY425_.jpg

▼2021年12月【電撃の新文芸】より書籍化。大幅な加筆修正をしています。画像を押すと詳細ページへ ycjek4el9tg9yhi34cv4rke30pe_ue7_sa_131_w1dj.jpg.580.jpg
▼2巻。Web版の読者さんにも楽しんでいただけるように改稿とエピソードの大幅な追加をしています 51M5usW1s+L._SL500_.jpg
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ