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神を【神様ガチャ】で生み出し放題 ~実家を追放されたので、領主として気ままに辺境スローライフします~  作者: こはるんるん
4章。魔王との対決編

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63話。イリーナに圧勝。最終決戦へ

「では、お相手してくださいな」


 イリーナの言葉と同時に、僕を取り囲む無数の魔法陣が中空に出現した。眩い光の矢が、魔法陣から何十本と撃ち出される。

 基礎魔法【魔法の矢】(マジックアロー)だが、その量と質が桁違いだった。


「ぉおおおおお──ッ!」 


 僕は飛来する【魔法の矢】を、剣で猛然と弾き返す。

 鍛冶の女神ヴェルンドの鍛えた鉄の剣には、魔法を弾く効果が付与されていた。

 さらに剣神の娘アルフィンから、僕は攻撃を弾く防御技ソードパリィを教わっていた。


 アルフィンいわく『魔法使いなど極めた剣技の前では無力!』らしい。


「……驚いたわ。どうやら、この程度のおもてなしでは、ご満足いただけないようね。では、これでいかが?」


 イリーナがうそぶくと、僕を包囲する魔法陣の数が倍になった。


「うぉっ!?」


 そこから発射されるのは、一発でも命中すれば致命的な【魔法の矢】だ。雨のように降り注ぐ攻撃に地面が抉れ、穴だらけになる。


 スキル【剣神見習いLv385】で、剣速が強化されていなかったら、とても凌ぎきれなかっただろう。


 イリーナはやはり魔法の詠唱などしていない。様子見をしていたが、確信した。

 イリーナが魔王から継承したのは、魔法の発動を補助するタイプのスキルだ。なら、これで打ち破れるハズだ。


「巨神兵よ、来い!」


「ガガガガガガッ! 神々の最終兵器、巨神兵。ノンリーサルモードで起動しました!【魔法無効化フィールド】を展開します!」


 見上げるような巨神兵の巨体が、出現する。

 光の矢は巨神兵が張った結界に触れると、すべて幻のように消滅した。


「な、なに……っ!?」


 イリーナは目を見張った。

 巨神兵にはAランク以下の魔法は通用しない。魔法使いにとっては、極めつけの天敵だ。


「ガガガガガッ! 鎮圧執行します!」


 僕はイリーナが衝撃から立ち直る前に決着をつけるべく突進した。

 そのために攻撃を確実に当てられる距離まで、にじり寄っていた。防戦一方だったのはイリーナの能力を見極め、油断を誘うためだ。


「「【スタンボルト】!」」


 敵を麻痺、気絶状態にさせる電撃を巨神兵と共に放つ。

 イリーナだけでなく、脱獄したダークエルフたちすべてを【スタンボルト】が襲った。


「ぐぅううううっ……! これが神獣の力!? ま、まだよ、アルト・オースティン。もっともっと見せてみなさい。神の力を……っ!」


 イリーナは美貌を歪ませたが、とっさに魔法で身を守ったのか、気絶したりはしなかった。


「悪いが、もう眠ってくれ!」


 僕はイリーナの肩に手を乗せると、【スタンボルト】を再度、ゼロ距離から浴びせた。

 イリーナは今度こそ、力を失って倒れた。彼女を抱き止めるが、命に別状は無さそうだ。


「ふぅっ〜。これでティオとの約束は守れそうだな」


 緊張から解放されて、息を吐く。


「アルト様! ご無事ですか!?」


「すげぇ! さすがは大将だ。楽勝じゃねぇですか!」


 リーンが息を切らしてやってきた。彼女の治療を受けたガインも、その後に続いて来る。


 決して楽勝などではなかったのだが、傍目にはそう見えたようだ。正直、無効化できないSランクの魔法で攻められたら、ヤバかった。

 巨神兵の能力を、イリーナが知らなかったから勝てたと言えるだろう。


「大丈夫だ。ダークエルフたちを拘束して、もう一度、地下牢に入れてくれ。

 イリーナは……捕まえておくには巨神兵をずっと実体化させておく必要があるな」


 【魔法無効化フィールド】と【スタンボルト】がなければ、イリーナ程の魔法使いを拘束しておくことは不可能だろう。


「ガガガガガッ! 本機には囚人監視モードも備わっています。お任せください」


「それは良いんだけど……」


 巨神兵を使い続けるには大量のMPを消費する。その回復のために、下手をすると僕はずっと温泉に入っていなくてはならなくなるな。

 仕方がない。MP回復薬は高価だが、イヌイヌ族から大量に買うとするか。


「それよりもリーン、ティオは無事かな? 落ち着いたら、お姉さんと話してもらおう」


 ティオを魔竜から救ったが、それ以後は姿を見ていなかった。

 魔竜とイリーナの迎撃に夢中になってしまっていた。いまさらながらに、ティオの安否が気になった。


「ええっ? ティオ様ですか。アルト様に手を引かれて避難されたハズでは?」


「えっ……? いや、知らないぞ」

 

 面食らったリーンの顔を見て、僕はあ然とする。


「リーン、誰かと僕を見間違えていないか?」


 まさか……

 

「……あなたの方が強かった。でも勝負は、私の勝ちね」


 腕の中のイリーナが一瞬、笑ったかと思うと、その姿が光の粒子となって溶け崩れた。

 空になった腕を、僕は呆然と見下ろす。


「こ、このイリーナは偽物?」


 これ程の魔法を使いこなし、感触も人間と同じだったのに、幻だったとでも言うのか。


「アルト様! 魔竜はすべて片付けました。敵の首領は……?」


 エルンストがやって来て、首をひねる。


「クソっ! してやられた! エルンスト、冒険者とエルフを総動員してティオを探してくれ!」


 僕はすぐさまエルンストに命じた。

 思えばダークエルフの狙いは、最初からティオだった。

 イリーナを捕らえることより、ティオの守りを優先すべきだったと歯噛みする。


「シロ! 匂いをたどってティオの追跡を……!」


 さらにホワイトウルフのシロや、モンスターたちを呼んで、捜索を頼もうとした時。


「アルト様、ご安心ください。ティオ王女の足取りは掴んでおります」


 まるで闇から染み出るように黒ローブの男が現れた。元『闇鴉』のメンバーだ。


「本当かっ!?」


「はっ! ダークエルフの狙いはティオ王女でありました故に。我らの何名かは常にティオ王女を監視しておりました」


 黒ローブの男は、うやうやしく告げる。


「ティオ王女はアルト様に瓜二つの男、ナマケル伯爵に連れられて村の外に出ました。我らは王女を救出せんとしましたが、イリーナに阻止されました。今、我らの仲間のひとりが追跡中です」


 ナマケルと僕は双子の兄弟で、顔立ちから体格まで、よく似ている。暗がりの中で、ナマケルに声をかけられたら、僕と誤解してしまっても無理はないだろう。

 イリーナはこのために、ナマケルを味方に引き込んだのか。


「イリーナが、ナマケルと一緒に行動している? だったら僕が戦ったのは、やっぱり偽物か……! それでイリーナはどこに向かっているんだ?」


「はっ! 念話使いの仲間からの報告ですと、どうやらダークエルフの本拠地ではなく、魔王のダンジョンに向かっているようです」


「そうかっ! ティオを生け贄に捧げて、魔王ベルフェゴールを復活させるつもりだな」


 だったらもう一刻の猶予もない。

 そこで、はたと気づく。


 魔王の復活にはエルフ王家の血と、魔王の肉体の器となる者が必要だ。


 もしや、ナマケルが魔王の器なのか?


 いずれにしてもナマケルにこれ以上、罪を重ねさせる訳にはいかない。王都の破壊に王女の誘拐、いずれも重罪だ。


 その上、まさかティオを手にかけたりしたら、エルフから永遠に敵視されるぞ……

 兄として、僕が止めなくては。


「ありがとう。助かった! 引き続き、ティオの追跡を続けてくれ」


「もったいないなきお言葉。すべては、我らが主、アルト様のおんため為!」


 黒ローブの男は、平服すると再び闇に溶けるように消えた。


「エルンスト、準備してくれ! シレジア最強メンバーで、魔王のダンジョンに向かう!」


「はっ! 魔王のダンジョンについては、ベルフェゴールの眠る石棺の間まで、すべての調査、マッピングは完了しています。

 アルト様を迷うことなく、最深部までご安心いたします!」


「あれがナマケル伯爵だったなんて……申し訳ございません! 私もティオ様を救うために全力を尽くします!」


 リーンもソフトクリームを一緒に作ったティオが心配のようだ。力強く宣言した。

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[気になる点] わざと騙されて、目的地に連れて行かれたのか?って思う。 敵対している顔見知りでも違いが分からないくらい顔が似てるヤツを無警戒すぎるだろ。
[良い点] 大まかなキャラ設定 全体的に話の流れや文章は深みはなく軽い感じだけど大まかなストーリーは面白い。 [気になる点] ティオが攫われたシーンの流れは、作者さんは自分の書いている話の流れをきち…
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