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神を【神様ガチャ】で生み出し放題 ~実家を追放されたので、領主として気ままに辺境スローライフします~  作者: こはるんるん
3章。ダークエルフとの対決編

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47話。近衛騎士団が、温泉宿の従業員におもてなしされたようです

 温泉から出て休憩室で涼んでいると、魔法使いのリーンが声をかけてきた。


「アルト様! エルフの古代魔法【絶対凍結アイスシェル】が、ついに私にも使えるようになりました!

 永遠に溶けない氷を生み出す魔法です」


 リーンは手袋をして、ひと抱えもある氷の塊を運んでいる。

 実にヒンヤリと冷たそうだった。


「もしかして、その氷がそうなのか? スゴイな……!」


 【絶対凍結アイスシェル】は、本来、攻撃魔法であるらしいのだが、ソフトクリームを冷やす氷を生み出すために使っていた。


 ティオだけでは、これからのソフトクリームの大量生産に追いつかないので、【ソフトクリーム担当大臣】のリーンにもこの魔法を習得してもらったのだ。


「はい! 温泉宿でお客様にお出しする 飲み物を冷やしたり。涼むのに使っていただくなど、応用範囲が広そうです。

 アルト様には、兄さんを救っていただいたばかりか。エルフの魔法までご教授いただいて!

 ここにやって来て本当によかったです! 私の一生の財産になりました」


 リーンは喜びいっぱいの顔になる。


「リーンとエルンストには、本当に助けられているから。僕の方こそお礼を言わなくちゃならないよ」


 実際、彼女ら兄妹はこの村になくてはならない人材だ。


「そんな! もったいないお言葉です! 兄さんも良い剣の師匠に巡り会えたと喜んでいました。

 私たちにとって、アルト様に出会えたことは人生最大の幸運です」


「そんなっ。大げさだな……」


 感謝されて、うれしいけれど。

 僕はたいしたことはしていない。


「アルト様、涼むのであれば、私が魔法で冷たい風を送ってさしあげましょうか? 火照った身体に気持ち良いと思います」


「えっ、いいの? それじゃ頼むよ」


「は、はい! アルト様。風の強さ、冷たさなど調節できますから、いちばん気持ちの良い力加減を教えてくださいね!」


 リーンがはにかみながら、告げた時だった。


「失礼いたします。アルト様。どうやら、どこぞの飼い犬が入り込んだようです。今、飼い主が誰か聞き出しております」


 黒いローブを着た男が、ぬっと影のように現れて僕にひざまずいた。

 リーンの兄エルンストの推挙で雇った元暗殺者だ。


 彼らにはクズハ温泉の従業員として、働いてもらっていた。

 その彼がクズハ温泉の制服ではなく、黒いローブ姿で来たということは……


「まさか、村の中にくせ者が入り込んだのか?」


「はい。ですが、ご安心を。彼奴きゃつらの仲間は、すべて捕らえてございます」


「ダークエルフじゃないのか?」


 この村に潜入するとしたら、ダークエルフくらいしか考えられない。

 だが、僕の【魔物サーチ】のスキルを使っても、村の中にダークエルフの反応は無かった。


「はい、人間でございます。リーダー格の男は、顔の造形を変える高度な変身魔法を使用しておりまして。背後に、かなり大きな組織がいるものと思われます」


「大きな組織? 一体、何だってそんな連中がこの村にやってくるんだ?」


「リーン殿が習得された『永遠に溶けない氷』に代表されるエルフの高度な魔法技術。鍛冶の女神ヴェルンド殿が鍛えた剣など……

 この村には、神話級の至宝が多数ございます。耳聡い者が、早くもこれらを欲して動き出したとしても不思議ではないかと」


 黒ローブの男はうやうやしく腰を折った。


「そして、その犬どもなのですが。女が妙なことを申しております。

 自分たちはアンナ王女殿下の命令を受けてやってきた近衛騎士団の者だと……

 誠にそうであれば、公式の訪問ではなく。なぜ冒険者に扮して来たのか、解せません。

 クククッ、じっくりと我らの流儀でもてなして。真実をつまびらかにしたいと思います」


 もてなすというのは、クズハ温泉の従業員としてではなく、元『闇鴉やみがらす』のメンバーとしてだろう。

 ヤバい気がした。


「近衛騎士団? なら、王宮で顔を合せたことがある人がいるかも知れない。

 アンナ王女の使いを下手に拘束なんかして、後で問題になったら困る。

 彼らに会おう。案内してくれ」


「はっ! しかし、ご心配には及びません。非公式の訪問であれば、例え命を奪おうとも、アルト様が罪に問われることはありません。

 近衛騎士団の御一行はそもそもシレジアを訪れなかった。

 樹海に踏み入って、危険なモンスターに遭遇し、運悪く命を落としたというシナリオを用意すれば良いのです。

 アンナ王女殿下もご納得されるでしょう」


 ほくそ笑む黒ローブの男に、リーンがドン引きしていた。


「お、おい……っ。そんなあくどいことするつもりはないぞ。

 そもそも誰かを消すとか、そういうことは一切するなと伝えたろ?」


「はっ! 心得ております。我が主を害しようとした愚か者には、死が慈悲に思えるほどの絶望を!」


 ぜんぜん、わかっていない回答が返ってきた。

 

「だっー、もう! とにかく拷問とか絶対にしないでくれ! リーン付いて来てくれ」


「はい!」


 回復魔法の使い手であるリーンを連れて、僕は近衛騎士たちの元に向かった。

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