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神を【神様ガチャ】で生み出し放題 ~実家を追放されたので、領主として気ままに辺境スローライフします~  作者: こはるんるん
3章。ダークエルフとの対決編

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41話。【ダークエルフSIDE】魔王の巫女

 王座に腰掛けたダークエルフの王ゲオルグは、部下からの報告に歯軋りした。


「ナウムの族長が討たれ。生け贄として捕らえていた娘たちを全員、奪われただと? 大失態ではないか……!」


 王の怒りに、その場に居並んだダークエルフたちは、震え上がっている。

 唯一、平然としているのはダークエルフの上位種へと進化した3人の族長たちだけだった。


「ゲオルグ陛下、ヤツめは独断専行が過ぎておりました。効率を重視してアルト村の近くに拠点を移し、村を訪れた者を拉致していたのです。いずれこのような目に合っていたでしょう」


「左様。ヤツめは、さらなる力を手に入れようと躍起になっておりましたからな。

 やがて我が君に取って代わろうなどと、よからぬ野心を燃やしていたに違いありませぬ。

 むしろ、死んでくれてよかったかと」


「それに……くっくっく。ヤツは我ら五部族長の中でも最弱。人間ごときに敗れるとは、ダークエルフのとんだ面汚しよ」


「まったく。魔王様から力を下賜される器では、無かったということですな」


 ダークエルフたちは5つの部族から成り立っている。

 族長たちは、それぞれの部族の首長だ。他の族長は仲間であると同時に、自分の部族の利益を奪うライバルだった。


 ナウムの族長が倒れたことは、他の族長たちにとっては、喜ばしいことでもあった。

 その分、自分の部族が優位に立てると思って、彼らは愚かしくもほくそ笑んでいるのだ。


「魔王ベルフェゴール様から絶大な力を授けられたハイ・ダークエルフが、倒さたのだぞ! 笑っている場合か!?

 シレジアの領主アルト・オースティンは、神竜バハムートを召喚したという信じがたい報告があったが……事実であったか!」


 ゲオルグは、込み上げてくる怒りに我を忘れそうになる。

 族長たちは倒されたナウムの族長を格下と見ているが、ゲオルグに言わせれば彼らの実力に大差はない。

 

「しかも、アルトは魔王様のダンジョンに大量の冒険者を送り込んでおる!

 聞けばアルト村には、浸かるだけで全能力値を2倍にする神がかった温泉があるとか……本来なら魔王様の寝所に入り込んだ愚か者は、すべからく魔王様への供物となり果てるハズだが。

 冒険者どもの良いレベルアップと、財産稼ぎの場所となっておる! こんなことは許されない!」


 魔王のダンジョンとは恐怖の象徴であるハズなのだが、今では『世界最速でレベルアップできるダンジョン』などと呼ばれだしていた。


 ゲオルグや族長が出撃すれば冒険者たちを蹴散らせるが、そうそう手が回らない。


「アルトは元王宮テイマーであり、飛竜やサンダーライオンなどの強力なモンスターを多数、従えているとの報告もございます」


 ゲオルグは頭痛を覚えた。


「だとしたらヤツは、最強のテイマーであると同時に、究極の召喚士だ。ナウムの族長を倒したこといい、その実力は本物と見るべきだ」


 個人的武勇だけでなく、アルトは単なる辺境の領主とは、とうてい思えない戦力を備えている。

 エルフ王国の残党だけでなく、Sランク級の冒険者を複数、配下に加えているという報告もあった。


 生け贄の娘たちを捕らえていた地下牢を、どうやって探り当てたのかも気になる。


「ここのままにはしておけん。エルフの王女ティオを手に入れるためにも、我らの総力をあげて叩き潰さねばならん!」


「さすがは、我が君でございます」


 賛同の声を上げたのは、たった今、王座の間にやってきた最後の族長イリーナだった。


 腰まで届く銀髪、赤い瞳。年の頃、15歳くらいの儚げな美少女だ。ダークエルフは褐色の肌が特徴だが、この娘は白い肌をしていた。

 エルフの血が混じっているためだ。


「『白混じりのイリーナ』今頃、遅れてやって来おって……」


 他の族長たちが、苦々しい視線を向ける。

 イリーナは、それを涼しげに受け流した。


「まずはご報告を。魔王ベルフェゴール様の依り代にふさわしき人間を見つけましたわ」


「なに? まさかご託宣があったのか!?」


「はい。魔王様より、お言葉を賜りました。魔王様のご寝所に、偶然その者が近づいて来たと……」


 イリーナは封印された魔王と唯一、対話することができる巫女だった。

 どよめきがダーエルフたちから沸き上がった。


「その者とは?」


「シレジアの領主アルト・オースティンの弟ナマケルです。

 かの者の歪んだ怠惰の精神は、魔王様の極上の糧となりましょう」


「アルトの弟だと? それはまた何という偶然か……」


 優秀な兄とは比べモノにならない、駄目な弟のようだ。

 魔王の依り代となる人間とは、業が深い者でなければならない。

 

「私はこれよりナマケルに接触いたします。かの者は、兄アルトに異常なコンプレックスを抱いているようです。

 そこを刺激してやれば、簡単に操り人形にできると思いますわ。できれば自発的に依り代になってもらえた方が、めんどうがありません」


「なるほど。では依り代の確保は、お前に任せる」


「はっ」


 ゲオルグの命令に、イリーナはうやうやしく頷いた。


「くうっ……おのれ。魔王様の巫女だからと調子に乗りおって」


 他の族長が、吐き捨てるかのように呟く。

 イリーナもまた上位種へと進化した存在であり、『魔王の巫女』としてダークエルフの中で王に次ぐ地位にあった。


 族長たちにとって『白混じり』が自分たちの上に立つなど、腹立たしいことこの上ないようだった。


 ゲオルグは、イリーナが使える配下であるなら、エルフの混血児だろうと何だろうと構わない。


 魔王ベルフェゴールを復活させ、その庇護の元で、ダークエルフの王として絶大な権勢が振るえれば、それで良いのだ。

 

「我が君は、その間にアルトを倒し、エルフの王女ティオの身柄を確保していただけないでしょうか?

 アルトの元に、有能な者たちが集まりつつあるようです。これ以上、かの者に力をつけさせるのは得策ではありませんわ。

 我らが総勢3万の兵力をすべて動員して、決着をつけましょう」


「良かろう」


 ゲオルグは二つ返事で頷いた。


 ダークエルフは魔王のダンジョンに生息する凶悪なモンスターたちをテイムしている。

 本来なら、テイマーレベル的に無理であるが、魔王に生け贄を捧げ、その加護を得たおかげだ。


 数で押し切れば、どうとでもなるだろう。



 この時、ゲオルグはまだ気付いていなかった。

 アルトを慕って、王国の王宮で飼われていたモンスターたち。近隣諸国から最強と恐れられる『獣魔旅団』が、アルト村に押し寄せてきていることを……

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― 新着の感想 ―
[気になる点] ん…? ガチャをぶっ壊そうとしてたような奴と付き合ってた奴がガチャを信じ切っている? そんな事ある?勢力的には完全に敵対勢力なんだけど… 俺の読み込みが足らないだけか?なんかアレ?って…
[気になる点] 近隣諸国から最強と恐れられる『獣魔旅団』がっていつの間に戦争したんですか?
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