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神を【神様ガチャ】で生み出し放題 ~実家を追放されたので、領主として気ままに辺境スローライフします~  作者: こはるんるん
1章。神様ガチャで理想の領地を作ろう

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4話。神炎のスキルを獲得し、ゴブリンの群れを支配下に入れる

 神竜バハムートが大きく顎を開けて、ドラゴンブレスを放つ構えを取った。


「お、おいっ! 人質の子まで一緒に殺す気か!?」


 僕は慌てて制止する。

 バハムートが収束する圧倒的な力に、大地が鳴動し、大気が震えた。

 人質の男の子どころか、この樹海そのものを地上から消しかねない力を感じた。


 僕はだてに王宮テイマーをやってきていない。目の前のモンスターが、どれほどの力を秘めているのか、ある程度、見抜くことができる。


 結論。このバハムートは本物だ。


「ご安心あれ。我が神炎のブレスは、我が主に敵対する愚か者のみを滅する力!」


 バハムートが応えるが、まるで安心できない。このままドラゴンブレスを放ったら、地形が変わってしまう予感がした。


「我が主に逆らうとは、神に逆らうと同じこと。塵ひとつ残さず、消滅させてくれるわ!」 


「おっ、お許しください、ゴブ!」


 ゴブリンのボスが、武器を捨てて僕に土下座した。他のゴブリンたちも、次々にそれにならう。


「降伏します、ゴブ!」


「もう人間を襲ったりしない、ゴブ!」


 ゴブリンたちは泣きながら懇願する。


「ならん! 我が主に剣を向けし罪。死を持ってあがなえ!」


「やめろ! 消えろバハムート!」


 ドラゴンブレスが発射される寸前、僕は全力で命じた。


 すると、バハムートは光の粒子となって消え去った。その光は僕の右手に集まり、平べったい形に……カードになった。


「なっ、なんだ……? このカードは?」


 そのカードには翼を広げたバハムートの美麗なイラストと【R】の文字が書かれていた。


「バハムートを召喚できたようねアルト! ガチャで召喚した使い魔は、カードにして持ち歩くことができるわ」


 ルディアが僕に抱きついてきて告げる。

 びっくりすることの連続に、理解が追いつかない……

 ただ、ひとつ、わかったことがある。


「そ、そうか……【神様ガチャ】で呼び出した使い魔は、召喚獣の性質を持っているんだな?」


「そういうことっ!」


 召喚獣とは、召喚士に呼び出されて使役される精霊や魔物のことだ。


 テイマーが使役する使い魔が、マスターと寝食を共にするのとは対照的だ。召喚獣は普段、異世界など別の場所にいるので、世話の必要がない。

 その代わり、呼び出すために莫大なMPマジックパワーを消費する。


 バハムートのカードを確認すると、召喚に必要なMP100。召喚の維持に必要なMP毎分1と表示されていた。

 これはバハムートを実体化させ続けるために、毎分1のMPを消費するということだろうな。


 バハムートは最強だが、結構使い辛いな……

 僕の最大MPは120だ。


 僕はテイマーであって召喚士ではないため、最大MPが低い。


 その代わり、使い魔の能力を1.2〜1.5倍にアップさせる僕のテイマースキルは、召喚獣にも効果があるようだ。


 ルディアから継承したスキル【世界樹の雫】はMPを回復する効果もある。

 手に入れたスキルをうまく組み合わせて使えば……テイマーと神様ガチャの相性は抜群かも知れないな。


「もう一度、バハムートを召喚したい時は、そのカードを掲げて名前を呼べばOKよ」


「……って、ことは。もしかしてルディアもカード化することができるって訳か?」


「そうね。でも、なるべく実体化してあなたの側にいたいから、カード化したら嫌よ。

 なにより、私は【自立行動スキル】を持っていて召喚維持にMPを消費しないのよ。

 どう? すごいでしょ!?」


 ルディアは誇らしげに告げた。


「よし。それじゃ【世界樹の雫】で、傷の治療をするわね」


 ルディアが僕の肩に手を触れると、嘘のように怪我の痛みが消えた。


「やっぱりルディアは人間じゃなくて。精霊の一種か何かなのか?」


「もうっ、まだ信じていないの!? 私は豊穣の女神だって言っているでしょ!」


 噛みつかんばかりの勢いで、ルディアは僕に迫った。

 いや、でもさすがに女神というのは……


 最高峰の召喚士の中には、天使や高位精霊と契約した者もいるようだけど。神様を使い魔にした例など聞いたこともない。


「降伏を受け入れていただき、ありがとうございますゴブ! これからは、あなた様をご主人様として忠誠を誓いますゴブ。

 どんなご命令にも従うゴブ! だ、だから殺さないで……」


 ボスゴブリンが、頭を地面に擦りつけて、僕に許しを乞うてきた。

 その身体は恐怖で、ガクガク震えている。


「僕はこの地の領主として赴任してきたアルト・オースティンだ。僕はここを人間とモンスターが共存共栄できる楽園にしたいと考えている。

 降伏の条件として、それに協力してもらえるかな?」


 なるべく威厳があるように話しながら、内心、驚愕していた。

 まさか魔族であるゴブリンが、僕の配下になりたいと申し出てくるとは思わなかった。


 それだけ神竜バハムートが恐ろしかったのだろう。


「もちろんですゴブ! 喜んで協力させていただきますゴブ!

 アルト様への忠誠の証に、これまで人間から略奪してきた金品をすべて差し上げますゴブ! 100万ゴールド近くはありますゴブ!」


「100万ゴールド!? やったー! これでまた【神様ガチャ】に課金できるわね!」


 ルディアが飛び跳ねて喜んでいる。


「いや、しないから……」


 お金の使い道は慎重に考えるべきだ。全部ガチャに突っ込むなど、あり得ない。


「むっ〜! 課金ガチャはバハムートよりもっとスゴイ、レアリティSR以上の神が呼べるのよ! 私クラスの超有能な神だって手に入るんだからね! SSR出現確率3%くらいだけど……」


 ルディアをスルーして、ゴブリンに人質にされていた男の子に声をかける。


「それよりも、怪我は無かったかい?」


「う、うんっ! ありがとう、ご領主様!」


 彼は笑顔を見せた。


「新しいご領主様が、こんなすごい召喚士だなんて、びっくりです! 俺、ドラゴンをこんな間近で見たのは初めてです!」


 キラキラした尊敬の眼差しを向けられて、戸惑ってしまう。


「あ、いやっ……僕は召喚士じゃなくて、テイマーなんだけどね」


『神竜バハムートを使い魔にしたことにより、バハムートの能力の一部をスキルとして継承します。

 スキル【神炎】を獲得しました。

 【神炎】標的だけを焼き尽くす神竜のブレス。邪悪な魔族に特に有効です』


 僕の頭の中にシステムボイスが響き、新たなスキルを獲得したことを告げた。


「いかんっ! 火勢が増しているぞ!」


 その時、村人の大声が響いた。

 見れば火矢を受けた丸太塀が勢い良く燃えて、火の粉を撒き散らしている。


「チクショウ! このままじゃ、俺たちの家にまで飛び火しちまう!」


 村人たちは、井戸の水をかけて必死に消火に当たっているが、火の勢いは衰えない。


「すまんゴブ! どうしようゴブ!?」


 ゴブリンのボスがオロオロしている。


「アルト! バハムートの神炎よ! それで燃えている丸太塀を、一瞬で焼き尽くして消火するの!」


「そうか!」


 意外と冴えているルディアの助言に従って、僕は丸太塀に手をかざした。


「みんな下がれ! 【神炎】!」

 

 聖なる黄金の炎が、ほとばしる。それは丸太塀を呑み込んで消し炭にした。


「ぉおおおお──っ! 助かったぞ!」


 村人たちから歓声が上がる。

 だが、モンスターの侵入を防ぐ丸太塀を壊してしまったのは大問題だ。


「ゴブリンたち。さっそくだが、木を切り出して壊れた塀を再建してくれるか?」


「は、はいっ! もちろんだゴブ! お任せくださいだゴブ!」


 僕が命じると、ゴブリンたちはその場に平伏した。彼らは散開して、すぐさま作業に移る。


「村をお救いくださっただけでなく、ゴブリンたちまで従えてしまうとは……!」


「う、噂以上のお方です! このような偉大なお方が、俺たちのご領主様になってくださるなんて、夢みたいだ!」


「我らが領主、アルト・オースティン様、ばんざい!」


 村人たちが駆け寄ってきて、一斉に僕をたたえた。

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― 新着の感想 ―
[気になる点] なぜゴブリンは人間を殺してたのに人間はゴブリンを殺さないで救うよな行為をしたのかわからない。罰もなくただ許すというのはお人よしが過ぎるだけのただの阿呆。お人よし国家の日本ですら罰は与え…
[良い点] 特になし [気になる点] 詳しく話も聞かずに相手の話を一蹴しているところ
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