例え少年
制服を着た少年と少女。
二人は並んで歩いている。
「例えば僕が君の上履きを制服の中で温める系男子だとするじゃん?」
「前提が気持ち悪いので話かけないでください」
「あ、あくまで例え話だよ。それでさ、今日は寒いと思うので上履きを温めておきましたーとか言って上履きを渡すじゃん?君はどうする?」
「気持ち悪いので話しかけないでくださいって言います。後その上履きは捨てます」
「……そっか」
落ち込む少年。
「つ、次ね。例えばだよ。僕が君のリコーダーを舐める系男子だとするじゃん?」
「前提が気持ち悪いので話かけないでください」
「あ、あくまで例えだよ。それでさ、気分転換でもするかぁーとか言って君のリコーダーを舐めだすとするじゃん?君はどうする?」
「気持ち悪いので話しかけないでくださいって言います。後そのリコーダーは捨てます」
「……そっか」
落ち込む少年。
「さ、最後ね。例えば僕は君のことが好きだとするじゃん?」
「前提が気持ち悪いので話しかけないでください」
「……あ、あくまで例えだよ?それでさ、君への思いを手紙にしましたって言ってラブレターを渡すとするじゃん?君はどうする?」
「気持ち悪いので話しかけないでくださいって言います。後そのラブレターは目の前で燃やします」
「……そっか」
落ち込む少年。
少女が口を開く。
「……例えばですよ」
「…………何?」
「ラブレターを燃やした後、私が自分で書いたラブレターをあなたに渡したらどうしますか?」
「……喜んで受け取るよ」
「……そうですか」
強引にいい話にしたパカァ!




