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パンはパンでも食べられない少女
少年と少女が公園のベンチに座り話している。
少女が疲れた表情を浮かべ、口を開く。
「……今度こそ、絶対に正解できないクイズ出すからね」
「いいよ」
「パンはパンでも――」
「答えは三権分立でしょ?」
「……正解」
「もっと難しい問題にしてよ」
「むむっ……」
余裕の表情を浮かべる少年。
悔しがる少女。
「……つ、次こそ!絶対に正解できないクイズ出すから!」
「どうぞどうぞ」
「パンはパンでも――」
「答えは4678だね」
「……なんでっ!!!」
「君の携帯のパスワードを答えにしたのは発想として面白かったけど残念だったね」
「むむっ……」
余裕の表情を浮かべる少年。
悔しがる少女。
「……さ、最後!!!これは100%正解できないクイズだから!!!」
「期待してるよ」
「パ――」
「答えは竪穴式住居だ」
余裕の表情を浮かべる少年。
少女は泣き叫んだ。




