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【完結】人の不幸が大好きな悪役令嬢、ざまぁのために頑張っていたら普通に溺愛されてますわ?  作者: 鬼影スパナ
学園編 ~ゲーム本編ですわー!~

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……行ったか(第一王子視点)



「……行ったか」


 コレハの後ろ姿を見送り、ハークスは呟いた。


「あ、あの、殿下? その、私ももう行っていいですかね……」

「まぁまて。そなたには聞きたいことがあるんだ。サマー……ではなかった、ヒィロ・インだったな?」



 やっぱバレてるじゃないですかお嬢様ぁーー!! とサマーは心の中で叫んだ。


「え? さ、サマーって……コレハ嬢のメイドの!?」

「!! 言われるまで気付きませんでした。化粧ですか? 凄い技術ですね……」

「……えーっと。だ、誰の事でしょう? 私はヒィロ・インですよ?」

「良い。どうせコレハの無茶振りなんだろう。俺の婚約者が一体何をしようとしているのか教えてくれ。話せる範囲でいい」


 ニコリと王族スマイルを浮かべるハークス。

 ……その笑顔に含まれる圧は、しっかり王族のそれだった。サマーは白目をむきそうになるが、なんとか堪える。


「なぁヒィロ嬢。これは一体どういう遊びなんだ? 遊びなんだからルールくらいは教えてもらえるんだろうな?」

「ッス――…………」


 サマーは諸々白状した。

 別の意味でも吐くかと思った。


「……前世、ゲーム、ヒロイン、悪役令嬢、ね。なるほど、大体わかった」

「え。分かったんですか? 今の説明で?」

「俺が何年コレハの婚約者をやっていると思っている? むしろ腑に落ちたわ」


 背もたれにぐったりと寄りかかるハークス。

 色々ととんでもない話だった。

 一応察してくれたクルシュがあらかじめ防音の魔法を展開してくれていたが、こんな食堂でしていい話だったかと言われれば否である。


「それで、この学園生活が『本番』ってことか」

「そ、それでは私はこれにて失礼をば……」

「まぁまてヒィロ。話はまだ終わってないぞ」

「もう全部話しましたよ!?」


 サマーは涙目になり解放してくれと訴える。

 その健気な姿に、ケンホとクルシュは思わず「助けてあげないと」という思いが頭をよぎり、しかしハークスは「いいから座れ。そして話を聞け」と笑顔で圧をかけた。

 ……サマーは上げかけた腰を下ろした。


「ヒロインは生徒会に入るんだったな。では、シナリオに従って、ヒィロを生徒会の平民枠に入れようじゃないか。いけるよな、クルシュ?」

「え、あ、はい。……ハークス殿下の推薦とあれば、問題ないでしょう」

「そしてコレハも生徒会に入れる」


 悪役令嬢コレハの生徒会入り。それはシナリオからは逸れる話である。


「今朝、コレハは茂みに隠れて様子を窺っていただろう。王子の婚約者に毎度そういう事をさせるわけにもいかん。合法的に確認できる立場にいるべきであろう?」

「確かにお嬢様に木登りさせるわけにも行きませんしね……」


 生徒会室は3階にある。そこまで伸びている高い木も少ないが、万一足を滑らせて落ちたら危ないどころの話ではない。


「でもお嬢様が素直に了承しますかね?」

「渋ったらこう言えばいい。『近くに居たほうが証拠集めやすくないですか?』とな」

「行けますね。さすが殿下、お嬢様のことを分かっておられる」


 うんうん、と頷くサマー。


「あ。でもハークス殿下、そもそもの話なんですが、私なんかを推薦しちゃっていいんですか? 私、元々孤児なんですけど?」

「自覚が足りないな。お前、何年コレハに仕えてると思ってるんだ? あのコレハに付いていけるんだぞ。平民枠にあるまじき優秀な人材なことは間違いない」

「え? あー……あー」


 そう言われてサマーは納得した。

 コレハを指標に出されては納得せざるを得なかった。


「あと聖女とかいうのでもあるんだろ? いつごろバラすかは知らんが、教会に取られないように保護しとかないとな。そのためにも生徒会メンバーに入れておくのは有用だ」

「それは助かります。お嬢様のお世話できなくなるのは勘弁ですからね」

「ああ。お前がコレハの近くにいてくれれば俺も安心できるというものだ。これからもよろしく頼むぞ。……俺はコレハとの契約の都合で女と握手は出来ない。クルシュ、代わりにしてやってくれ」

「あ、はい」


 ハークスの代わりにクルシュと握手するサマー。

 ふにゃりと柔らかいサマーの手の感触に、クルシュはドキッと胸が高鳴るのを感じた。


「クルシュ。ハニートラップの訓練だと思え」

「……はい、殿下」


 かくして、ヒロインことサマー、そしてコレハの生徒会入りが決まった。


「ていうかあの契約のこと覚えてたんですね殿下」

「当たり前だろう? 俺とコレハの大事な契約だぞ? まぁ、そうでなくとも契約は守るためにしっかり頭に入れておくものだろうが」



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